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　人気観光地で横行する違法タクシー“白タク”ですが、実は捕まえにくいといいます。一体なぜ？そして、観光地で困るのが駐車場満車の問題です。「ちょっとだけ…」とスーパーや月極の駐車場にとめたら罪になる？分譲マンションの駐車場は又貸しできる？元検事・亀井正貴弁護士の解説です。

■人気観光地で横行する“白タク”　捕まえるのが難しいワケは―

　山梨・富士吉田市では、国の許可を得ずにタクシー業務を行う違法タクシー“白タク”が横行しています｡駅や近くの店舗の駐車場には、客待ちする違法駐車も…。

　2025年4月22日には、道路運送法違反の疑いで中国籍の男が現行犯逮捕されました。男は、「運転したのは間違いないが、金はもらっていない」と否認しています。

　現地で取材していた記者が別のワゴン車の運転手に直撃すると、「日本語、あまりわからない。乗せていたのは友達ね」と話し、「お金をもらったりすると違反だが？」との問いには、「ごめんなさい、すみません」と言いながら立ち去りました。

Q.「友達を乗せていた」と言われたら、捕まえるといっても警察も大変ですよね？
(元検事・亀井正貴弁護士)
「そうですね。構成要件としては、タクシー営業を経営したという営利の目的がついてないと、犯罪は成立しませんから」

Q.日本に来る前に決済している場合もありますよね？
(亀井弁護士)
「裏取りができないので、わからないですね。だから、客から『お金を払った』という供述を聞き出すしかないです」

■観光地で困る駐車場満車の問題　無断駐車したら何の罪？店側は罰金徴収できる？

　次に、観光地で駐車場が満車だった際の問題点を、法律的に見ていきます。まず、スーパーや月極駐車場などに無断駐車した場合、亀井弁護士は「形式的には、住居侵入や建造物侵入罪が考えられる」との見解を示しています。

Q.店側が看板に「罰金1万円」などと書いていたら、どうなりますか？
(亀井弁護士)
「契約が成立しているかどうかです。『罰金を取る』と書いていても、入った人は罰金を払う気で来ていないから、契約は成立していません」

Q.私有地なのに？
(亀井弁護士)
「他人からお金を取るときは契約か、違法行為・不法行為責任かのどちらです。違法駐車は不法行為が成立するので、損害賠償義務はありますが、『罰金1万円』分の損害が発生したかというと、恐らくそこまでにはならないと思います。だから、近隣の駐車場が1時間どれぐらいの料金かを参考にしながら、損害金額を算出することになると思います」

Q.そうなると、ものすごく手間がかかりますよね？
(亀井弁護士)
「ものすごく手間です。こういう案件は簡易裁判所が取り扱いますが、非常に面倒くさい話なんです」

Q.では、店側がレッカー車を呼んで、違法駐車の車を動かすのは、どうですか？
(亀井弁護士)
「それは他人の占有物を奪うことになり、トラブルに発展する可能性がありますから、一定のリスクを考えたうえでやることになります。何のリスクかというと、移動された車の所有者が損害賠償請求をしてくるリスクです。ただ、『損害があるのか』という話になったら立証できませんから、そのリスクはあまり現実化しないと思いますが、法理念的には『他人の物を勝手に動かした』ということになります」

　では、私有地を有料駐車場にしてお金を徴収したら、問題はあるのでしょうか。

Ｑ.自分の土地なら、何に使おうといいですよね？
(亀井弁護士)
「原則はそうですが、特定の地域、例えば市街地や都市計画の対象地などで規制されている場合、500平米以上の駐車場を経営する際には届け出などが必要になってきます」

Ｑ.分譲マンションで駐車場を借りているけど、使っていなくて空いている場合、そこを他人に貸すのは、どうですか？
(亀井弁護士)
「恐らく、自分の物を利用するわけだから民法的には問題ないでしょうけど、管理規約で管理組合との関係がどうなっているかによります。してはいけないという規約になっていれば、それはできません」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年4月30日放送)