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【怒り】万博の人気パビリオンも標的に…“予約枠”の転売が相次ぎ来場者からも怒りの声続出「入場は無料なのに、それでお金もうけするのは犯罪」企業と各パビリオンも対策へ―
2025年6月10日 UP
今、大阪・関西万博の人気パビリオンなどの“予約枠”の転売が相次ぎ、来場者からも怒りの声が上がっています。企業や各パビリオンは注意喚起や対策に追われていますが、“転売”を法的に罰する事はできるのか―?専門家の解説です。
■万博の『くら寿司』も標的に…“予約枠”の転売相次ぐ
開幕から1か月以上が経過した大阪・関西万博。しかし今、人気パビリオンなどの“予約”を巡って、転売行為が相次いでいます。その転売の標的となっているのが、人気の回転寿司チェーン『くら寿司』です。
『くら寿司 大阪・関西万博店』は、70の国と地域の代表的な料理を楽しめる店として人気を集め、連日、予約が取りにくい状況が続いています
また、予約がなくても、当日受け付けは可能ですが、午前9時半には、整理券を求めて店の前に多くの客が並んでいて、午前11時には、当日の受け付けが終了になることもあるといいます。
そんな中、『くら寿司』は2025年5月16日、万博店の“予約の転売”が行われていることを明らかにしました。
(くら寿司)
「万博店を楽しみにしている多くのお客様に迷惑になる行為なので、予約の転売は控えてほしい」
(来場者)
「禁止できるようにしたいですけど、いちいちIDカード出せっていうのも現実的ではない。そういうこと(転売)を考える人がいなくなればいい」
(来場者)
「買う側も気をつけないといけない。でも、モラルの問題。ルール違反だと思う」
『くら寿司』によると、SNS上で予約の確認に必要な情報を転売する行為が、これまでに数十件確認されているといいます。『くら寿司』の公式アプリやLINEなどで30日前から予約ができ、予約システムの規定では、転売や譲渡のほか、フリマアプリやSNSなどでの取り引きも禁止されています。『くら寿司』は随時、予約の転売をしているアカウントの停止措置を講じているということです。
■大人気のイタリア館のQRコードは100点以上が転売に…
連日、大人気のイタリア館では、5月18日から1514年頃のルネサンス期の巨匠、ミケランジェロの彫刻『キリストの復活』が展示され、さらに注目が集まっています。
イタリア館は、予約がない場合、長時間並ばないと入れませんが、予約すると比較的スムーズに入れるといいます。そのため、イタリア館の予約QRコードがチケット転売サイトで数多く出品されていて、その数は、100点以上にもなります。本来、無料で取得できるものが、200円~5000円で売り出され、実際に売買が成立しているものも多数ありました。
(来場者)
「残念やなと思う。こうやって並ぶ人もいるのに、そういうことするのは汚い」
(来場者)
「転売っていうのは、規制をかけてほしい。売るほうと買うほうの問題」
(来場者)
「パビリオン入場は無料なのに、それでお金もうけするのは犯罪ではないか?」
そして、一連の騒動に対し、2025年5月19日、イタリア館の担当者が、コメントを発表しました。
(イタリア館・担当者)
「我々も(転売について)SNSを通じて知った。もしそれが本当なら、残念なこと。万博の精神に反する行為です。参加国間の取り決めで、訪問客は(入場料以外に)追加料金を支払うことなく参加できる。イタリア館のウェブサイトでも、予約のQRコードを営利目的で転売することは禁止されていると明記してある」
■“転売”は法的問題にならないのか?専門家が解説
“転売”は法的問題にならないのか、亀井正貴弁護士に聞きました。
まず『チケット不正転売禁止法』というものがありますが、これは、国内で行われるコンサートなどのチケットを不正転売すること、不正転売を目的に譲り受けることを禁止するものです。1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。亀井弁護士によると、「今回のケース(万博)が興行に当たるかどうか難しいのではないか」ということです。
次に『詐欺罪』がありますが、これは、人を欺いて財物や財産上不法の利益を得る行為で、10年以下の懲役になります。亀井弁護士によると「譲渡が禁止されている旨が明記されているにもかかわらず、転売目的を隠して入手すると『詐欺罪』に該当する可能性がある」ということです。
Q.亀井弁護士は、“万博が興行に当たるかが難しい”と言っていますが、どう思いますか?
(野村修也弁護士)
「『チケット不正販売禁止法』というのは、コンサートなどを想定して作った法律なんです。元々『軽犯罪法』などでは、“営利目的で大量に仕入れて人に売る”という、いわゆる“ダフ屋行為”が禁止されているんです。しかし、“個人が人に売ることを目的としてチケットを購入する事”を禁止しようとしても、この法律では、限定的に解釈されてしまっているので、色んなものに当てはめていくのは難しいのではないかと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年5月20日放送)


