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【独自解説】ボクシング女子初の金メダル!恩師が語る強さの秘密『この子は将来、日の丸背負って戦う』
2021年8月3日 UP
ボクシング女子初のメダル獲得!
ボクシング女子フェザー級の入江聖奈(せな)選手が、金メダルを獲得しました。ボクシング女子は日本人選手の出場自体が初めてで、その中で最も輝くメダルを獲得するという快挙を成し遂げました。
入江選手を小学生の時から指導してきた、鳥取県のシュガーナックルジム会長兼コーチの伊田武志(いだ・たけし)さんが独自解説で、強さの秘密を語りました。
(鳥取「シュガーナックルジム」伊田武志会長兼コーチ)
「13年間やったことが全て出し尽くせて、結果も残せて、凄く良かったと思います」
Q.どんな教え子だったのですか?
「とにかく真面目ですし、一つのことをずっとやり続けられるという根性があります。基本を習う時とか、一つのことをずっとやり続けるのは、つまらなかったと思います。それを1時間も2時間もやって毎日毎日繰り返して出来るようになるという、普通の子だったら面倒くさくなるところを聖奈(せな)はずっとやってましたから、それが今の土台になってるんじゃないですかね」
作戦は「詰将棋のトノサマガエル」
(実況 決勝)
「さあー ニッポンのボクシング界に次々に新たな歴史を刻む入江。今まさに夢をかなえる時がきました。きょうは日本中から『がんばれ聖奈』の大一番です」
入江選手の対戦相手は、強烈な左ストレートが武器のフィリピン代表・ネスティー・ペテシオ選手。
(伊田武志会長兼コーチ)
Q.今日の3ラウンドはどう見ていましたか?
「ちょっとヒヤヒヤしてましたけど、今回の作戦が『詰将棋が出来るトノサマガエル作戦』だったので、一つ一つ詰将棋をして行って、最終ラウンドは相手選手が疲れて何もできない状態にするというのが作戦だったので、その通り最後の1分30秒はスタミナが無くなって、こちらの思い通りの展開になって、詰将棋がしっかりできたと思っています」
(実況)
ゴング(カアーーーン))
「さあ入江、金メダルへ向けて決勝戦です。青が入江です」
第1ラウンドから激しく打ち合う両者! つづく第2ラウンドも、両者 譲らず…
勝負は最終ラウンドへ!!
(伊田武志会長兼コーチ)
Q.入江選手は無尽蔵のスタミナですね?
「子どもの時から心拍数の平常が37とか38とか、すごい体力を持っています」
Q.女子のフェザー級は迫力あるしパンチも重いですね?
「パンチ力あるし、スピードもあるし、テクニックの多い選手がいて難しい階級だと思います」
3ラウンドを戦い終えた両者。判定の結果は・・・
5対0の判定で勝利し、見事 金メダルを獲得した入江選手。日本ボクシング女子として
史上初めての金メダルとなった!
ボクシングは小学2年生から
(入江聖奈選手(当時13歳))
「2020年 オリンピック目指すぞ!」
当時13歳の入江選手がカメラの前で語った将来の目標は…“オリンピック出場”
入江選手がボクシングを始めたのは、小学2年生のとき。きっかけは、母親が愛読していたというボクシング漫画『がんばれ元気』でした。
順調に実力を伸ばし…12歳の時には「全日本幼年アマチュアボクシング大会」で優勝。中学時代には、日本ボクシング連盟から認定を受けた“鳥取県内でただ一人の女子ボクサー”として注目される存在に―
(伊田武志会長兼コーチ)
Q.当時から基礎だけ教えて、その基礎だけで勝つから凄いと?
「中学生までは基本的な技術だけで圧倒してましたから。計画的にやるために、中学までは基本的な技術だけでやっていた。高校生になってから高等なテクニックを身につけて、大学生になって戦略、戦術をという風に段階的に練習してきました」
「小学校4年生ぐらいから、『この子は世界に出て日の丸背負って戦うんだ、東京オリンピックに出て戦うんだ』と。その為にはいま、何をしなければいけないか、いまどんな練習をしなければいけないか、世界で戦えるボクシングの練習をいまするんだと、小学校からずっとやって来たので」
しかし、入江選手の母親は、愛娘がボクシングを始めた当時を振り返り、複雑な胸の内を明かしていました。
(入江選手の母・マミさん)
「女の子なので、ボクシングは顔の打撃とかもありますし、やっぱり怖いなっていうのもあって。でも本人は『どうしても他の格闘技じゃだめ』『ボクシングじゃないと自分はしたくない』と…
中学では陸上部で鳥取県中学駅伝優勝
ボクシングで才能を開花させた入江選手ですが、実は、中学校では陸上部に所属し、鳥取県中学駅伝にも出場。2区で激走し、1位でたすきをつなげると…チームは、見事優勝!入江選手は持ち前のスタミナを活かし、ここでも大活躍。
(後藤ヶ丘中学校 陸上部顧問 門脇隆教諭)
「(入江選手は)陸上部の練習もしっかりがんばりますし、ボクシングも一生懸命やってますし、両方とも応援したくなる選手です」
(入江聖奈選手)
「陸上で鍛えた足腰を、ボクシングでのパンチ力とかに活かせると」
すべては、ボクシングのため…。入江選手は、陸上部の練習が終わってから、ミット打ち、サンドバッグなど練習に励む日々を過ごしました。
(伊田武志会長兼コーチ)
Q.入江選手は笑顔でとっても明るいですね?
「天真爛漫で何事にも動じなくて、いつも前向きな性格だと思います」
目標だった「東京五輪での金メダル」を達成
目標は、東京オリンピックで金メダルを取ること…。その夢に向け、着々と歩み続けてきた
入江選手は、高校卒業のタイミングで大きな決断をしたのです。
(入江聖奈選手(当時18歳))
「もう10年間、あそこのジムにいたので、そこはやっぱり正直さみしいですけど、でも新天地に行くことも自分の成長につながると思っているので、しっかり頑張りたいと思います」
地元・鳥取を離れ、進学先に選んだのは、東京にある日本体育大学。数多くのオリンピック選手を輩出してきたスポーツの名門で、更なるレベルアップを目指すため進学を決断したといいます。
その後、世界選手権でベスト8。着実に実力をつけ…。ついに入江選手は、夢のオリンピックの舞台に立ち金メダルに輝いたのです。
(伊田武志会長兼コーチ)
Q.8月4日準決勝の女子フライ級の並木選手もファイターで強いですね?
「めちゃめちゃ強いです、並木選手は。聖奈(せな)が当時、初めて負けた選手が並木選手なんです。その時は聖奈は、逃げ回っていましたから。(並木選手の金メダルは間違いない?)ほぼ間違いないです。女子のボクシングがもっと広がると、嬉しいです」
(情報ライブミヤネ屋 8月3日放送)


