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預けた車を“人質”に

【独自入手】「わざと壊したっていうんですか?」ビッグモーターで新たに“修理トラブル”、「『返してほしかったら金払え』みたいな感じ」実際のやりとりの音声入手

 保険金の不正請求や街路樹の伐採など、数々の疑惑で揺れるビッグモーターですが、今回「ミヤネ屋」は、過去にビッグモーターと修理を巡りトラブルになった人を取材。見積もりから大幅に超えた修理代を請求されたうえに、車を“人質”にとられたという、実際のやりとりの音声を入手しました。

ビッグモーターとのトラブルを語る山村さん(仮名)

山村さん(仮名)
「あまりにも不誠実で、お客さまをお客さまと思っていないような対応でしたからね」

そう訴えるのは、以前ビッグモーターを利用したという、山村さん(仮名)です。事の始まりは2019年の6月。山村さんの車のエアコンが故障し、修理を「ビッグモーター」に依頼したことでした。

山村さん
「まず、1週間ほどで仕上がると聞いていたのですが、10日経っても連絡がなかったので、こちらから連絡をして…そしたら『もう仕上がっています』と。『連絡するのを忘れていました』という。いい加減だなと思いながら、車を取りに行ったんですね」

“修理トラブル”の経緯

 修理の費用は、4万8384円。山村さんは、全額を支払い、車を受け取ったといいます。しかし、その1週間後、ビッグモーターから「請求金額に誤りがあった」ということで、見積もりを超える修理代、約5万3000円分を追加で請求するという電話がかかって来たのです。

山村さん
「こちらとしては見積もりも確認した上で、前日に最終金額まで聞いて(店舗へ)払いに行っているので、そんなことあるはずないだろうと」

請求の内容は何度聞いても知らされず、店舗側は、ただただ「金額を間違えた」と言うだけでした。山村さんは納得がいかず、「払わない」旨を伝えたのですが、問題はこれだけではありませんでした。車に乗った際、修理に出したはずのエアコンが直っていないことに気付いたのです。

修理したエアコンが直っていない…

 店にその旨を伝え、「直っていない事実」を証明するため、再び車を預けることにしました。この時、修理は依頼しなかったのですが、その数日後、店舗側から電話があり「修理完了の連絡」と称して告げられたのは、耳を疑う内容でした。

ビッグモーター担当者       
「これで(エアコンは)直ったので、追加料金を含めた全額を払ってください」
山村さん    
「いやいや、待ってください!そもそも2回目の修理はお願いしていないじゃないですか」

なんと、依頼なしで、勝手に修理を完了し、改めて1回目の“見積もりを超える”修理代を求めてきたというのです。

山村さん
「請求の分を払っていただかないと、お車を返すことはできませんと言われまして…」

支払うまで車を「差し押さえる」

さらには、支払うまで車を「差し押さえる」というビッグモーター。当初の見積もりを超える“追加費用”とは何なのか。山村さんが担当者に連絡を続けるも、詳細は知らされません。そこで、山村さんは責任者への取次ぎを依頼。後日、ビッグモーター本部の責任者Xを名乗る人物から着信があり、改めて車の返却を求めました。以下は、山村さんが念のため録音していたという音声の内容です。

ビッグモーター本部の責任者X氏
「うちは、お金を支払っていただければお車をお返しします」
山村さん
「いやいや、もうこっちは払うつもりはないということは明確に伝えているんで」
X氏
「なので車は返しません」

あくまでも支払いを要求し続けるビッグモーター。

山村さん
「普通に考えて直っていなかったら、(お金を)払わないのが当たり前なんで」
X氏
「修理はしましたよ。見積もり・提案させていただいた内容に関しては、間違いなく修理はしています」

X氏は修理の不備について、改めて否定。さらに、エアコンの故障を巡って、次のように主張を始めました。

山村さん
「俺が言っているのは、直らなかった時点で、なんでお金を払わなきゃいけないのかって」
X氏
「原因が違う場所だからです」
「極論言いますと、お預かりさせていただいた時は問題なかったんですよ。」 
山村さん
「でも、ぬるい風しか来なかったですよ」
X氏
「それは1週間後ですよね?」
山村さん
「じゃぁ1週間の間に壊れたんですか?修理に出して1週間後に壊れたって言いたいんですか?」
X氏
「と思います」

店側の主張では、「エアコンは車の返却後、再び持ってくるまでの1週間の間に壊れた」とのこと。

山村さん
「修理で壊れた可能性もありますよね」
X氏
「わざと壊したって言いたいんですか?」

話は平行線に

 店側は、エアコンはあくまでも修理後に壊れたと繰り返し、話は平行線に終わりました。

山村さんは弁護士に相談し、店に対しては法的手段をとる旨を伝えたところ、ビッグモーターは車を返却しました。追加請求について、改めて具体的な書面を送るよう伝えたところ、請求はなくなったといいます。

その後、ビッグモーターの“架空の修理”で代金を請求する事案が次々と発覚。改めて、今回の事案をビッグモーター側に問い合わせると…

Q:そもそもこうした事案はあったのですか?
ビッグモーター社員
「ちょっと私じゃ分かりかねますので、工場の方の責任者と店舗の責任者がいま不在になっているので、そちらの窓口か問い合わせ先に聞いてもらって…」

その後も責任者とは連絡はつかず。ビッグモーターとしては、「個別の事案については回答を控える」としています。

亀井正貴弁護士

 この事案について、亀井正貴弁護士は「問題なのは、エンドユーザーからの問い合わせがあったときに、エンドユーザーに立証責任を負わせるのではなくて、ビッグモーター側で徹底調査した上で、事案を解明していくような姿勢が必要だと思います」と話しています。

ビッグモーターの対応をうけ「ミヤネ屋」は、山村さんを改めて取材しました。

Q. 一連のトラブルについてどう思っていますか?
山村さん
「小さいことかもしれないけど、こういうことは何千件とたぶんあると思うので、明らかにしていきたいなとは思ってますけど、難しいかもしれないですね」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年8月23日放送)

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