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SNSで見かける“ジブリ風”画像、問題は?

【物議】“ジブリ風”画像問題は?吉幾三さん行方不明情報!?著作権侵害・デマ拡散・誹謗中傷…SNS巡る問題を専門家が解説!

 世間を騒がせているSNSを巡る問題。山火事では根拠のない情報が広がり、ある大物歌手も“行方不明情報”を拡散される被害に。さらに、今ネット上に溢れる“スタジオジブリ風”の画像も著作権を巡る問題を指摘され、物議を醸しています。そんな中、『情報流通プラットフォーム対処法』という法律が施行。その気になる内容とは?元検事・亀井正貴弁護士の解説です。

■山火事は“意図的な人災”、大物歌手が“行方不明”…SNSで広がるデマ拡散問題

山火事巡り根拠のない情報拡散

(Xより)
『山火事は全て人為的に、レーザー兵器を使っています』
『スマートシティー計画にのっとった、意図的な人災』

 2025年3月23日、岡山市と愛媛・今治市で相次いで発生した山火事。SNSの『X』には、山火事の直後から根拠のない情報が投稿され、広がりました。

 投稿は複数あり、これまでに1700万回以上閲覧されていますが、2か所の山火事の原因について公式発表はありません(同年4月2日現在)。政府は、情報の正確性が判断できない場合には、安易に投稿・拡散しないよう呼びかけています。

大物歌手に“行方不明情報”も…

 一方、あの大物歌手もSNSのデマ情報の被害に。数々のヒット曲を持つ歌手・吉幾三さんのYouTubeが約9か月途絶えていることなどが2025年3月にネット記事で報じられると、一部ユーザーが『吉幾三、行方不明』とポスト。すると、“行方不明情報”が瞬く間に拡散しました。

「ちゃんと調べてから投稿しましょう」Xで注意喚起

 その翌日、吉幾三さんはXで、『デマを広げないで下さい。2月、3月と舞台をやってますしYouTubeをアップしてないだけで行方不明は無いよ。ちゃんと調べてから投稿しましょう』と注意喚起しました。

 ちなみに、吉幾三さんは、4月~7月まで全国で元気にコンサートをする予定だといいます。

■SNSに溢れる“ジブリ風”画像に物議「今後、著作権侵害が問題になるとみられる」

問題視されている“ジブリ風”画像

 そして今、SNSに投稿が相次ぎ、著作権を巡る問題も指摘されているのが、“スタジオジブリ風の画像”です。米・トランプ大統領が銃撃された直後の様子を捉えた衝撃的な写真や、ウクライナ・ゼレンスキー大統領との前代未聞の口喧嘩も、スタジオジブリのアニメ風に。これらの画像は、生成AIで作られたとみられています。

作風を指示すると…

 発端となったのは2025年3月25日、人工知能を開発するアメリカの企業『オープンAI』が対話型ソフト『チャットGPT』を使った最新技術を発表したこと。このサービスでは、画像をアップロードして作風を指示すると、似たタッチの画像を生成することができるといいます。

ghiblify(ジブリファイ)=ジブリ化

 この発表後、SNS上には、生成AIを使ったとみられるスタジオジブリや名探偵コナンなどの“有名アニメに似せた画像”が相次いで投稿され、『ghiblify(ジブリファイ)=ジブリ化』という言葉まで登場。

『オープンAI』CEOもアイコンをジブリ風に

 自身のXアカウントの画像をジブリ風にした『オープンAI』アルトマンCEOも、「サービスが過熱して、コンピューターの処理が追いつかない状況だ」と明かしていました。

米メディアは著作権侵害を指摘

 そんな中、米メディアは「今後、著作権侵害が問題になるとみられる」などと報道。AIと著作権に詳しい福井健索弁護士も、「特徴的な表現が似てくると、著作権侵害の可能性が上がる」と話しています。

■『情報流通プラットフォーム対処法』とは?「表現の自由と拮抗する劇的な法律」

『情報流通プラットフォーム対処法』とは?

 2025年4月1日、『情報流通プラットフォーム対処法』が施行されました。誹謗中傷など不適切な投稿や“なりすましニセ広告”への迅速な対応をSNS事業者に義務付けるもので、月間平均利用者1000万人以上の事業者(YouTubeやXなどを想定)を対象としています。『日本語で投稿の削除を申請できる窓口設置』『削除の可否を申請者に対して7日以内に通知』としていて、違反した場合は1億円以下の罰金が科せられます。

 一方、ITジャーナリストで成蹊大学客員教授・高橋暁子氏は、「7日以内の削除判断は、誹謗中傷や肖像権侵害といった『権利侵害情報』が対象で、“闇バイト”募集などの『違法情報』は対象に含まれていない。違法情報についても、迅速に削除する仕組みを整備すべきだ」としています。

元検事・亀井正貴弁護士

Q.『情報流通プラットフォーム対処法』について、どう思いますか?
(元検事・亀井正貴弁護士)
「『誹謗中傷など』と表現していますが、総務省がガイドラインを出していて、どのような権利が侵害された場合を想定しているかというと、名誉毀損・侮辱的なもの・プライバシー・肖像権・パブリシティ権、その他諸々ありますが、もちろん刑法に反すれば入ってきます。恐らく、これまで出ているものは、ほとんど入ってくる可能性があります。“不適切”の範囲は相当広く、表現の自由と拮抗するものですから、なかなか劇的な法律だと思います」

Q.“闇バイト”募集などの違法情報も含んでほしいですよね?
(亀井弁護士)
「そうですね。ただ、“闇バイト”は警察の管轄ですから、専門委員を置かなければいけません」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年4月2日放送)

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