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京都府警・特殊詐欺対策室 政聖治室長補佐

【独自取材】83歳女性が特殊詐欺撃退!急増する“百貨店騙り” 「クレカが犯罪者に偽造された」・「『全国銀行協会』から連絡を」…警察も警鐘「非常に巧妙化 」

 言葉巧みに忍び寄る特殊詐欺の魔の手。2022年、その被害額が8年ぶりに増加し、被害者への接触方法もさらに巧妙化しています。

 京都市内に住む一人暮らしの女性(83)の元に突然電話がかかってきたのは、2023年7月のことでした。

ある日突然、”男“から電話が

(電話での会話)
―男『この(クレジット)カードに登録されているご住所は、京都市南区…になっていますが、合っていますか?」
―女性『合っています』
―男『合っていますか。じゃあ、お客様名義のカードで間違いないんですけども』

 これは、京都府警が公開した実際の特殊詐欺事件の音声です。

ネームバリューを利用した特殊詐欺「百貨店騙り」

(京都市内で一人暮らしする女性(83))
「私は、どんな電話があっても聞くんですよ。やっぱり聞かないっていうのは、嫌なんで」

 「ミヤネ屋」の取材にこう答えてくれた女性(83)に対し、男が名乗った職業は意外なものでした。

(女性)
「百貨店の商品券売り場ということだったので、『えっ、何?』って…」

 警察によると、女性が受けた電話は“百貨店騙り”と呼ばれる手口でした。実際の音声を、冒頭から聞いてみると…。

(電話での会話)
―女性『もしもし』
―男『あっ、もしもし。私、(大手百貨店)京都店の長野と申します。実は、40歳前後の女性のお客様が当店にいらっしゃいまして、(女性の名前)様名義のクレジットカードを使って10万円分の商品券を買い求めようとしたところ、行動に不審な点があったので、名前と住所を確認しようとしたら、カードはレジに置いたまま、何も言わずに逃げてしまったんですね。こういったカードを落とされたり、なくされたりしていないでしょうか?』
―女性『いいえ、持っていません』
―男『こういったカードを作った覚えはないということでしたら、やはりこのカードは偽造されたんですね、犯罪者に』

特殊詐欺電話で警察官の次に多い「百貨店騙り」

 実は、京都府警が2023年1月から7月の間に認知した特殊詐欺電話のうち、百貨店を騙るものが警察官に次いで2番目に多いといいます。信頼感の高い“百貨店ブランド”を利用した手口です。

「全国銀行協会」という“実在する”団体名で信用させる手口

 “大手百貨店の従業員”を騙る男は、さらに話を続けます。

(電話での会話)
―男『個人情報がどこかで漏れて悪用されて、“偽造カード”というのが作られている可能性もございまして、そういったことがないかどうか調べるところがございまして』

 警察によると、こうした電話では、このあと高齢者から銀行口座と暗証番号を聞き出すのだといいます。

(電話での会話)
―男『“全国銀行協会”というところがございまして、そういった被害が出ているかどうか調べることができます』
―女性『それ、番号教えてもらえますか?』
―男『“全国銀行協会”から(女性の名前)様に、すぐ連絡いくようにお伝え…』
―女性「いえ!こちらから電話します、電話してみます。電話番号教えてください」

 すると突然、向こうが電話を切りました。

事件後、女性が作成した“注意喚起”のビラ

 普段から詐欺に警戒していた女性は、今回表示された電話番号がなぜか「4ケタ」だったことで、最初から不審に思っていたのだといいます。女性は、この電話のことを近所の高齢者などの間で共有し、警戒を強めるよう伝えています。

(女性)
「自分で経験を伝えていくしか他ないかなと思います。『私は、こんなんでかかってきたよ』と言うと、相手も『うちも、こんなのがかかってきた』って言うので。『一人で考えないで』ということですよね、誰かに相談するだとか」

警察も注意喚起「より積極的にコミュニケーションを」

 警察も、「日々の情報共有の大切さ」を強調しています。

(京都府警・特殊詐欺対策室 政聖治(つかさまさはる)室長補佐)
「非常に巧妙化している印象は受けます。他人事じゃないということをしっかりと認識していただいて、より積極的にコミュニケーションを取っていって、情報を共有していただきたいです」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年8月30日放送)

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