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【警鐘】Googleマップで“情報”丸見え!防犯のプロが警告『犯罪者が狙う家』 台風シーズンは侵入窃盗に要警戒
2025年8月9日 UP
全国各地で多発する強盗・空き巣などの被害。こうした侵入窃盗は一軒家だけでなく、オートロック付きマンションでも多く発生しています。犯罪者が狙う家・避ける家の違いは?見落としがちな『Googleマップ』の設定は?防犯アドバイザー・京師美佳氏の解説です。
■『侵入窃盗』約3割が在宅中…特に“台風シーズン”が危険なワケ
警察庁によると、住宅で発生した侵入窃盗(2023年)のうち、約3割が住人の在宅中に発生しています。そんな中、専門家が特に危険だと警鐘を鳴らすのは、夏の季節です。犯罪学者・小宮信夫氏は「暑い日は窓を開けっぱなしで寝てしまう人も多い。そこから侵入される危険も」、防犯アドバイザー・京師美佳氏は「お盆などの長期休暇や台風シーズンなどは、人の目が減るので、犯罪が起こる可能性が高い」と指摘しています。
Q.なぜ台風シーズンに犯罪が起こる可能性が高いんですか?
(防犯アドバイザー・京師美佳氏)
「実は、雨で足跡などが消える・物音が聞こえにくい(=窓ガラス等を割りやすい)・周辺住民が雨戸を閉めて閉じこもっている(=目撃される確率が減る)ことから、空き巣犯や強盗犯は暴風雨が好きです。台風のときは、住人が家にいても侵入してくる可能性があります」
■高い塀・低い塀、危険なのは?犯罪者が狙う家・避ける家
日本人として初めて英・ケンブリッジ大学大学院 犯罪学研究科を修了した、立正大学教授・社会学博士の小宮信夫氏著「犯罪者が目をつける『家』」から、“危険な家”をクイズ形式で紹介します。
Q.危険な家は、どっち?
A:『高い』植木や塀に囲まれた家
B:『低い』植木や塀に囲まれた家
正解は、Aです。高い植木や塀に囲まれた家について、小宮氏は「侵入すれば外部から姿を見られる心配なく犯行できる」、京師氏は「犯罪者は目撃されることを一番嫌う」との見解を示しています。
Q.犯罪者は、見られることが一番嫌なんですか?
(京師氏)
「警察庁のデータでも、犯行を諦める理由の一番は“近所の人の目”です。だから、高い植木や塀といった人目を妨げられるような環境を大変好みます。ただ、塀などが低くても、環境によって変わります」
その環境の中でも危険なのが、『家の近くに駐車場がある家』です。小宮氏は「下見や犯行時に堂々と車を止めることが可能」、京師氏は「過去の事件でも近くに駐車場があったケースが多い」と話しています。
Q.近くに駐車場がある家は多いですよね?
(京師氏)
「自宅の駐車場だけではなく、コインパーキングなどが近くにあると、そこに誰かいてもおかしくないので、“下見をしやすい環境”になります。“そこに人がいてもおかしくない状況”は非常に危ないと覚えておいていただきたいです」
また、『隣の家との距離が遠い家』も警戒が必要です。小宮氏によると「何が起きても周囲の人に気付かれにくい環境」、京師氏によると「地方や閑静な住宅街は特に注意が必要」ということです。
Q.地方では隣家との距離が遠かったりしますが、都心にある大きな家も危ないですか?
(京師氏)
「都心の大きな家も狙われます。閑静な住宅街で、これまで犯罪が起きなかった所は防犯カメラが少なく、住人の危機感も薄いので、犯罪者にとっては防犯対策があまりされていない“絶好に良い環境”です」
■オートロックの過信に注意!マンションも狙われるリスクあり
パナソニック(2025年4月2・3日)の調査によると、「マンションは一軒家に比べてセキュリティーが高いため安全だと思うか?」の問いに、8割以上が「安全」と回答しました。しかし、警視庁によると、侵入犯罪の約25%がマンション・アパートなど共同住宅で発生しています。小宮氏は「マンションのオートロックを過信してはいけない」、京師氏は「『オートロックだから』と安心して、玄関の鍵を閉めない人もいる」と指摘します。
京師氏によると、マンションなどの共同住宅で注意が必要なのが、住民の出入りに合わせて建物内に侵入する“共連れ”や、大規模修繕だということです。
Q.今は宅配や出前があるので、一緒に入ってこられても「他の階の住民が出前を頼んだのかな」と思いますよね?
(京師氏)
「そういったところで、エレベーターを使って高層階にも簡単に上がれますので、“共連れ”されやすいオートロックは、特に若い人は自分の部屋の戸締りをせずに、侵入されます。また、大規模修繕のときには、足場を使って侵入されます。2024年も11回、大規模修繕中に侵入されたマンションがありました」
自宅の侵入対策としては、警察庁/(財)都市防犯研究センターJUSHリポート調べによると、侵入に5分以上かかると約7割が犯行を断念するといいます。また、『CPマーク』付防犯建物部品の設置も効果があるということです。
Q.『CPマーク』とは何ですか?
(京師氏)
「これは、警察庁・国土交通省・経済産業省が『防犯に役立つ商品』と試験認定しているものです。割れにくい窓・鍵・防犯ガラス・防犯フィルムなど様々あって、侵入に対し5分間耐えられる商品に『CPマーク』が付けられます。犯罪者も勉強していますので、このマークが貼ってあるだけで嫌がります」
■犯罪者に“情報”が丸見え…今すぐ確認『Googleマップ』ストリートビュー
京師氏は、犯罪者の事前準備の一つとして『Googleマップ』で現場と周辺の状況を確認することがあるため、自宅の情報などが写っていたら“ぼかし”依頼を推奨しています。ストリートビューで自宅を表示し、「問題を報告」を選択すると、「ぼかしのリクエスト」が選択できます。
その際、「この画像を報告する理由を教えてください」など指示があるので、それに従って操作してください。“ぼかし”を施したいオブジェクトとして、顔・自宅・表札・自分の車またはナンバープレートなどが選択できます。
Q.一度ぼかすと戻せないそうですが、防犯のためには、ぼかしておいたほうが良いですよね?
(京師氏)
「強盗は、駐車場にどんな車がとまっているかを見て犯罪を行ったりするので、駐車場や表札は、ぼかしたほうが良いと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年7月24日放送)


