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“統一教会”韓鶴子総裁

【独自解説】“統一教会”韓鶴子総裁、「岸田に教育を受けに来いと伝えよ」「日本の政治は滅びるしかない」過激発言のウラにある教団の“現状と焦り”鈴木エイト氏が解説

 “統一教会”韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が信者たちの前で日本について語る音声を、「ミヤネ屋」が独自入手。そこには日本、そして日本政府への憤りが過激発言として記録されていました。その背景に見え隠れする教団の現状、そして韓鶴子総裁の焦りとは?ジャーナリスト・鈴木エイト氏の解説です。

異例の「岸田」呼び捨て、日本への過激発言の背景

韓鶴子総裁「日本の政治は滅びるしかない」

 下記は、“統一教会”のトップ・韓鶴子総裁が、信者らの前で日本について語った発言です。

「日本が、第2次世界大戦の戦犯国家だということ。原罪の国なのだ。ならば、被害を与えた国に賠償をしなければならない。日本は、韓国のおかげで経済の大復興をなし得たことを、忘れてはいけない。日本の政治家たちは、“統一教会”をどうしようとしている?苦しめているではないか。この道を歩んでいる日本の政治はどうなる?滅びるしかないだろ!政治家たち、岸田に教育を受けに来いと伝えなさい」

ジャーナリスト 鈴木エイト氏

Q.「日本が第2次世界大戦の戦犯国家だから、賠償しなければならない」というのは、「日本人は韓国(“統一教会”)に献金しなさい」ということですか?
(ジャーナリスト・鈴木エイト氏)
「そうとしか読み取れません。これは、日本の教会長・婦人部長・本部職員含め1000人以上の前でされた発言です。そこには、勅使河原秀行教会改革推進本部本部長や田中富広会長もいたといわれていて、そういう人たちの前でこの発言をしたということは、明らかに『日本からの献金・送金・収奪を正当化するため』にしか聞こえません」

Q.韓鶴子総裁が日本について、これだけ言及するのは、あまり聞いたことがないのですが…。
(鈴木氏)
「実は2018年にも、当時の安倍晋三首相に対して、こういう発言をしています。この時は『日本の最高権力者・最高主導者を教育しろ』と日本の教団幹部に指示したのですが、今回『岸田』と呼び捨てで名前を出したのは、かなり異例のことです」

教団側の反論

 一方で教団側は、「韓鶴子総裁の発言の一部を切り取って曲解し、全く的外れな批判をしている」とし、「韓総裁の発言は、そのような文脈の発言ではありません。これは、幅広く世界を対象に語っておられるものであり、韓国一国を指しているのではありません」と、公式ホームページで反論。また、「日本の政治はどうなるか?滅びるしかないだろ」という発言についても、「旧統一教会に対し信教の自由の侵害をやり続ければ、世界は日本を到底受け入れることができないだろうと、今の日本の家庭連合に対するバッシングに対し警鐘を鳴らしている」としています。

Q.これは“切り取り”なのでしょうか?
(鈴木氏)
「切り取りとは思いません。『賠償しなければならない』という言葉の後に、『日本は韓国のおかげで経済復興した』と言っているので、文脈的には『日本からの献金・収奪を正当化している』としか読み取れません」

元ナンバー2の“解任”が影響か

 鈴木氏によると、今回の韓鶴子総裁の発言の背景には、教団のナンバー2だった尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)氏の“解任”もあるといいます。2023年5月に尹氏が“解任”された後、韓鶴子総裁は「教団の資金難」や「日本での“統一教会”の扱い」などの内情を知ることになりました。

Q.あらゆる話が尹氏の所で止まっていて、韓鶴子総裁は何も知らなかったということですか?
(鈴木氏)
「尹氏は、良い話しかしていなかったようです。『追放された尹氏が内部告発をするのでは』といわれていましたが、うまく懐柔され、『告発しない』ということで話をつけられて、盛大な離任式が行われたようです。今後も、外部に向けては何も言わないと思います」

Q.日本からの献金が減っていて、それを韓鶴子総裁が知り、焦っているが故の今回の発言なのですか?
(鈴木氏)
「以前は年間数百億円の送金がありましたが、この数年は滞っていて、“統一教会”は財政面で厳しくなっています」

この夏に『解散命令』?政府の今後の対応は

松野官房長官「丁寧な対応を着実に進めている」

 岸田首相が「党の基本方針として“統一教会”との関係を断つ」と明らかにしたのは、2022年8月のことでした。さらに、“統一教会”の解散命令に向けて6回の質問権を行使した現在の状況について、松野官房長官は2023年7月4日、「客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を、着実に進めていると承知している」と話しました。

Q.エイトさんは、「近いうちに何か動くだろう」と踏んでいるのですよね?
(鈴木氏)
「僕が取材して見聞きした感じでは、文化庁はある程度の資料集めが終わっていて、今後は次の段階に上がるのではないかとみています。ですので、この夏、8月・9月には『解散命令請求』が出されると思います。一方で、それにストップをかけるような動きが、特に政治家の中から出てこないかが懸念されます」

Q.韓鶴子総裁は、相当焦っていると思いますか?
(鈴木氏)
「そうですね。今まで韓鶴子総裁は、日本の政治家を『自分の下僕・傅(かしず)く存在』として認識していました。『そんな人たちが、なぜ教団に不利になるようなことをするのか』と憤っています」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年7月7日放送)

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