記事

感染者過去最多を日々更新

【独自解説】コロナ医療最前線・水野医師が語るひっ迫状況、東京の『オンライン診断』は「いいアイデア」国内でも確認「ケンタウロス」危険性は?

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、東京都などはオンラインでの診断など、新たな試みを始めようとしています。果たしてその効果はあるのでしょうか?東京・三鷹市感染症対策アドバイザーで感染症学会指導医の水野泰孝医師が解説します。

発熱外来のひっ迫状況

Q.水野先生が行う発熱外来もひっ迫していますか?
(水野医師)
「発熱外来のひっ迫状況は過去最悪で、お断りする人も多数出ています。電話での問い合わせも大量にあって、発熱のないかかりつけの患者さんにも影響が出ています。また、発熱している人に抗原検査をすると、陽性率は100%に近い状況です」

東京の感染状況(7/28現在)

Q.以前より感染しやすくなっているのでしょうか?
(水野医師)
「感染しやすいと感じます。陽性者に行動履歴などを聞くのですが、全く外での飲食をしていないとか、リスクのあることはしていないのに感染してしまう人が非常に多いと実感しています」

感染症学会指導医 水野泰孝医師

Q.先生のところで重症者は出ていますか?
(水野医師)
「重症者はいません。診療所ということもあって、救急車で運ばれてくる方はいないので、皆さん徒歩で来られます。高い熱はあるのですが、入院が必要だと判断した方はいません。ほとんどが風邪のような症状です」

Q.皆さん薬を処方して自宅療養という形でしょうか?
(水野医師)
「そうです。一部70代80代の方も何名かいますので、そういった方には重症化の予防のため、モルヌピラビルを処方するようにしています」

東京が発表したオンライン診断

 東京は、オンラインで検査キットを取り寄せて、感染の報告ができる仕組みを運用していくと発表しました。これまでは濃厚接触者のみだった無料の検査キットの配布対象を、濃厚接触者でなくても症状があれば無料配布の対象とします。ただし、当初は20代のみに限って行い、8月1日から受付を開始します。また、新たに「陽性者登録センター」を設置して、自宅で検査キットによって陽性と出た場合、症状と検査キットの写真をオンラインで送れば、医師が最終的な確定診断をします。これも当初は、基礎疾患など重症化リスクのない20代からはじめます。

Q.オンラインでの診断ができれば、医師の負担がかなり減るのですか?
(水野医師)
「これはいいアイデアだと思います。今一番多いのは、会社から『検査をしてきなさい』と言われたとか、『保険の請求のために検査が必要だ』ということで、症状がなくても来られる方がいます。また、非常に軽症の方も来られます。診察自体それほど時間はかからないのですが、陽性になると療養期間の説明ですとか、とにかく事務的な作業が一人当たり30分くらいかかってしまいます。そういった患者が一人でも減ると、新たな患者を診ることができます。このオンラインの対応を、発熱外来をやっていない病院で対応してもらって、顔を合わせた診察を発熱外来でするだけでも、発熱外来をしている病院の負担は半分くらいになると思います」

新たな変異型「ケンタウロス」

 別名「ケンタウロス」とも言われている新たな変異株『BA.2.75』ですが、インドで初めて報告され、その後各国で報告されています。「変異した部分が大きい」「BA.2系統なのにBA.5に似ている」という特徴があり、国内でも市中感染したと思われる例が見られます。感染力や重症化リスクはまだ分かっていませんが、専門家によると「感染力が強いのは間違いない」ということです。

Q.今後BA.2.75に置き換わるのでしょうか?危険性は大きいのでしょうか?
(水野医師)
「感染力の強いものに置き換わっていきますので、BA.2.75がBA.5より感染力が強ければ、置き換わっていきます。大事なのは、どれだけ重症化のリスクが高いかです」

(情報ライブミヤネ屋 2022年7月29日放送)

SHARE
Twitter
facebook
Line

おすすめ記事

記事一覧へ

MMDD日(●)の放送内容

※都合により、番組内容・放送日時が変更される場合があります。ご了承ください。

※地域により放送時間・内容が一部異なります。