記事

イタリア戦の“攻略のカギ”を解説

【独自解説】WBC準々決勝直前!「今までの戦績はあてにならない」イタリア野球に詳しい男G.G.佐藤が見る“攻略のカギ”

 3月16日、いよいよ運命のWBC準々決勝を迎える侍ジャパン。対するイタリアの国内リーグでも活躍した元日本代表のG.G.佐藤氏が、イタリア戦の見どころや攻略のカギを解説します。

イタリアはどんなチーム?

 準々決勝で日本と対戦するイタリアは、世界ランキング16位で、WBCには第1回から5大会連続出場しています。メンバーはイタリア系アメリカ人が中心で、メジャー選手を8人抱えています。1次ラウンドでは本塁打はありませんでした。これまで五輪では日本に4連敗しています。しかし、G.G.佐藤氏は「過去のイタリアとは違う、今までの実績は全く無意味」と指摘しています。

Q.今までのイタリアとは何が違うのですか?
(G.G.佐藤氏)
「まず、予選リーグで世界ランキング7位のオランダを撃破していますし、8位のキューバも撃破していますので、力は間違いなくあると思います。また、ピアザ監督が人脈を使いながらメジャーリーガーを呼んできているので、今までの実績は全くあてにならないと思います」

マイク・ピアザ監督は「イタリアのノムさん」

 イタリアのマイク・ピアザ監督は、現役時代は強打のキャッチャーとして活躍、通算427本塁打で米国野球殿堂入りしています。ドジャース時代には野茂英雄氏とバッテリーを組んでいました。G.G.佐藤氏は「イタリアのノムさん(野村克也氏)。元々キャッチャーでデータ野球をする。大谷シフト・ヌートバーシフトもあり得る。これまで快勝の日本に対して、つなぐ野球で接戦を狙っているのでは」と話しています。

Q.予選でも初対戦のチームばかりなのに極端なシフトをとっていましたね?
(G.G.佐藤氏)
「しっかりデータを確保しているんです。緻密な作戦を用いて、弱者がどうやって勝つのかを考えて、データを使って勝とうとしているので、ノムさんに似ているなと僕は感じました」

Q.1次ラウンドでは本塁打はなかったのですね?
(G.G.佐藤氏)
「予選ではつないで、つないで、2ベース・3ベース、長打が出るという流れだったので、本当につながりのある打線でした」

Q.打者の大谷選手とは勝負をせず、ランナーがいる場面では歩かせてくるのではないかという意見もありますが、そうなると4番の村上選手が目覚めてくれるのが良いのでしょうか?
(G.G.佐藤氏)
「大谷選手と勝負をさせる状況を作るか、後ろのバッターの村上選手が非常に重要になってくると思います。私は準々決勝も4番は村上選手でいって欲しいですね、そろそろ打ちそうな感じもありますので。初対戦の投手だとデータもないですし、5打席で結果を出せというのは難しいのですが、村上選手はやってくれると思います」

イタリアの注目選手は? (写真:AP/アフロ)

 イタリアの注目選手は、内野手・デービッド・フレッチャー選手(28)です。2018年メジャーデビュー、エンゼルス所属で大谷選手の同僚でロッカーは大谷選手の2つ隣だということです。2020年の打率は.319でア・リーグ3位でした。デービッド・フレッチャー選手は「翔平の球はイージー(簡単)に打てるよ。スプリット、ツーシーム、何でも大丈夫だ」と笑顔での挑発も見せました。

Q.大谷選手の特徴やデータをフッレチャー選手は当然チームメイトに教えますよね?
(G.G.佐藤氏)
「当然、共有していると思います。8番か9番バッターに入ると思いますが、そこから出塁してつなげるという役割を担っていますから、キーポイントになる選手だと思います。とにかく勢いに乗せたらダメな国民性の血が流れていますから、世界一を目指さず六本木を目指してきている可能性もありますから、その勢いだけは要注意です」

Q.東京ドームがアウェーなんて関係ないかもしれませんね?
(G.G.佐藤氏)
「祭りの男たちなので、逆にホームグラウンドだと思って楽しくやれてしまうので、この国民性は脅威です」

ニール・パランテ投手 日本打線に有利? (写真:ゲッティ)

 さらにもう一人の注目選手は、ニール・パランテ投手(24)。2022年メジャーデビューし、ヌートバー選手と同じカージナルスに所属しています。戦績は6勝5敗で防御率は3.17、160km/hに迫る剛速球が魅力だということです。また、被打率は.274、対左バッターでは.246ということで、左バッターに威力を発揮するといわれています。

Q.先発はニール・パランテ投手ではないかといわれていますが、防御率は3.17と良い成績ですね?
(G.G.佐藤氏)
「メジャーリーグで活躍した選手になりますから、大谷選手にぶつけてくるのではないかと予想しています」

イタリア、試合中の“意外な習慣”

 また、イタリア代表のベンチにエスプレッソマシーンがあることが話題になっていますが、G.G.佐藤氏によると、イタリアのプロ野球は金曜夜と土曜日のダブルヘッダーで、試合は週に3試合あり、土曜日の試合と試合の間のランチは、両チームと審判に、パスタ、ピザ、ワインがふるまわれることもあるということです。

Q.週末しかやっていませんが、皆さん、プロなのですか?
(G.G.佐藤氏)
「一応プロなのですが、違う職業持ちながら、プロ野球をやっている感じです。野球の給料では足りないので兼業でやっています」

Q.パスタ、ピザは分かりますが、野球の試合中にワインを飲むのはダメなのではないですか?
(G.G.佐藤氏)
「水代わりのところもあるので、軽くほぐして、『じゃあ2試合目やろうか』という流れがたまにあります。ルールにはダメだと書いてないので、OKだと思います」

Q.イタリアではサッカーが人気だと思いますが、今回の活躍で野球人気もでるのでは?
(G.G.佐藤氏)
「選手たちのモチベーションの一つとして、イタリアでの野球の人気を上げたいという、恩返しの気持ちでプレーをしている選手もたくさんいます」

イタリア戦のポイントは?

Q.イタリア戦の勝利のポイントは何ですか?
(G.G.佐藤氏)
「守りです。1つのエラーから流れがぐっと変わると思いますし、私が言うのもなんですが、守備がすごく大事だと思います。余計なミスから無駄な点を与えない。プレッシャーかかっていると思いますが、大谷選手の発言から見ても、いい意味で国は背負ってないと思います。『大好きな野球で世界一になりたいだけ』という思いで、みんなプレーしていると思います。新しい時代の価値観というか、新しい侍像を今見せてくれると思いますから、プレッシャーに打ち勝って、絶対、世界一になってくれると思います」

(「情報ライブ ミヤネ屋」 2023年3月15日放送)

SHARE
Twitter
facebook
Line

おすすめ記事

記事一覧へ

MMDD日(●)の放送内容

※都合により、番組内容・放送日時が変更される場合があります。ご了承ください。

※地域により放送時間・内容が一部異なります。