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常識を覆す、進化系“冷凍グルメ”

【注目特集】コロナ禍で売り上げ急増の「冷凍食品」 お寿司やケーキが“まるで出来立て”の最新技術とは?世界が絶賛した「冷凍餃子」業界にまさかの企業が参入!?

 2021年9月にオープンした「イオンスタイル横浜瀬谷」。そこにあるのは、全長24メートルにおよぶ冷凍食品の壁!その数、約400種類!

全長24メートル!冷凍食品の壁(神奈川県横浜市・イオンスタイル横浜瀬谷)

 ここまで売り場を充実させた背景にあるのは、“家庭用冷凍食品”の生産額増加です。商品の進化と共に右肩上がりを続けてきましたが、2020年には、“コロナ禍”の巣ごもり需要も重なって急上昇。初めて業務用を上回ったのです。

国内・冷凍食品の生産額(出典:日本冷凍食品協会)

 そんな家庭用冷凍食品から、今話題沸騰中のお店の味を忠実に再現した“本格中華”に、まるで握りたてのような“お寿司”、さらに、革命的なふわふわ“スイーツ”まで!これまでの常識を覆す進化系・冷凍グルメを大特集します。そして、冷凍食品業界に新規参入した、まさかの“アノ企業”へ潜入取材を敢行しました。

秘密は“冷やし方”にあり!まさかの“アレ”が冷凍食品に

約500種類の冷凍食品が並ぶ「トーミン・フローズン」(神奈川県横浜市)

 2021年2月、横浜市にオープンした「トーミン・フローズン」。今、全国に増加中の「冷凍食品専門店」です。ズラリと並んだショーケースの中には、約500種類もの冷凍食品が!神奈川・佐島の「地ダコ」、北海道・根室の「シマエビ」といった海の幸から、A5ランクの「松坂牛」など全国各地の特産品の数々です。特に珍しいのは、長野の職人が打った「生そば」。一番おいしいといわれる「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の“3たて”のそばが、家で茹でるだけで簡単に食べられるのです。

「萬珍樓」の人気メニュー「五目焼きそば」/1400円(税込み)

 さらに、食材だけではなく、横浜中華街にある老舗「萬珍樓」でしか食べることができなかった人気メニューもそのまま冷凍食品に。一番人気は「五目焼きそば」。解凍しても焼きそばのカリっとした部分がそのまま再現されているので、“まるでお店で食べている”かのような味を楽しむことができます。

-30℃のアルコールで急速冷凍する独自技術「凍眠」

 どの商品も、“作りたて”や“獲れたて”のおいしさをそのまま味わえるというのが最大のウリ。その秘密は、店独自の特殊技術である「凍眠(とうみん)」という冷凍方法にあります。使用するのは、通常の20倍のスピードで凍らせることができるという-30℃のアルコールです。

 通常、肉や魚を冷凍すると水分が氷の結晶となり、それが大きくなって細胞を破壊してしまいます。そのため解凍すると、「ドリップ」と呼ばれるうまみ成分などを含んだ水分が出て、味や品質が低下してしまうのです。しかし、「凍眠」で急速に冷やせば、氷の結晶が大きくなる前に食材を冷凍することができ、ドリップが出ることもなくなるのです。

「寿司職人 本気の握り寿司」/1490円(税込み)

 そんな独自技術を使った冷凍食品の中には、“シャリごと凍らせたお寿司”という驚きの商品も。機械ではなく、板前がひとつひとつ丁寧に握り、真空パックをしたらすぐさま急速冷凍。食べるときは、付属のトレイにお湯を入れて約40分、ケースのまま解凍します。すると、冷凍食品とは思えぬ握りたてのようなお寿司が再現されます。解凍したものとは思えないほどふっくらモチモチのご飯、とろけるような食感を味わうことができるのです。

驚きの新技術!凍らせても“ふんわり”ケーキのヒミツ

「10Mineets」6個入り/3000円(税込み)

 続いての冷凍食品は、栗のペーストとキャラメルクリームをふんだんに使ったモンブランに、甘酸っぱいパウダーと生クリームのハーモニーが楽しめるフランボワーズなど、お店の味が家庭でいつでも味わえると話題の「冷凍ケーキ」です。これまでも、様々なメーカーが販売してきましたが、自然解凍で数時間から半日かかるといった商品がほとんど。しかし、この冷凍ケーキはなんと、わずか10分で解凍できるのです。その名も「10Mineets(テンミニーツ)」。

短い解凍時間で“ふわふわ”に

 解凍時間短縮のポイントは、企業秘密だという植物性の油。ケーキのベースとなるスポンジに、この植物油を混ぜることで、冷凍しても硬くなりません。生クリームやイチゴにも同じ植物油を使うことでカチカチにならないのです。つまり、完全に凍らせず溶けやすいケーキを作ることで解凍時間を大幅に短縮できたのです。冷凍庫で1か月間保存できるので、いつでもすぐに、ふんわり柔らかな美味しいケーキが食べられますよ。

なんで~!?あの企業が冷凍餃子界に進出!

「世界一うまい!」と絶賛された、「味の素冷凍食品の餃子」

 2021年の夏に開催され、人々に感動を与えた東京オリンピック。激闘を繰り広げたアスリートの間で話題となったのが、選手村の食堂で提供され、海外選手が「世界一うまい!」と絶賛した『餃子』。有名シェフが作ったものと思いきや実は、その正体は「味の素」の冷凍餃子だったのです。年間200億円以上も売り上げる、絶対王者「味の素」の快進撃が止まらない中、誰もが知る“あの企業”が冷凍餃子界に新規参入したのです。それは…

 スポーツから芸能、さらには、UFOやカッパ、ツチノコまで取り扱う異色の夕刊紙「東京スポーツ」!いったいなぜ東スポが「餃子」を作ろうと思ったのか、東スポ餃子広報担当の佐藤さんに話を聞くと…

編集局長のひらめきで誕生した「東スポ餃子」

(東京スポーツ新聞社文化部次長兼 餃子広報担当 佐藤浩一さん)
「長引く”コロナ禍”と新聞不況ということもあって考えた結果、うちの編集局長が『食だ』と。『東京スポーツをネタにしながら、お酒を飲みながら、何かをつまむ』というのをひらめいたらしく、『餃子だ!ビールに餃子だ!』ということになりまして。」

 編集局長のまさかのひらめきにより誕生した「東スポ餃子」は、2021年9月に“業務用”として発売されると瞬く間に火が付き、今では全国100店舗以上の飲食店で販売中。さらに、2021年12月からは東京や神奈川のスーパーでも並べられるようになり、都内では今、自動販売機でも売られているんです。

パッケージも東スポ風!「東スポ餃子」50個入り/2484円(税込み)

 快進撃が止まらない「東スポ餃子」。これほどまでに人気を集めている秘密は、通常の3倍入っているという“ニンニク”!ニンニク“マシマシ”でガツンとパンチが利いた美味しさに、「(東スポは)記事の信頼性はともかく、味の信頼性はある(笑)」なんて感想がでるほど。

 どんな食べ物でも、いつでも・どこでも“出来立てのおいしさ”が楽しめる冷凍技術。今後の進化にも注目です!

(情報ライブ ミヤネ屋 2022年1月28日放送)

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