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【独自取材】ウクライナ国営放送代表に独自インタビュー「自分にできることは国民に報道すること」 空襲警報下にシェルターから24時間体制 テレビ局の闘い
2022年3月22日 UP
ロシア軍が迫る中、ウクライナの首都キエフでは国営放送「ラーダチャンネル」による情報 発信が続いています。空襲警報が続く中どんな放送が行われているのか、ミヤネ屋が独自取材しました。
放送を続ける「ウクライナ国営放送」代表にインタビュー
国営放送「ラーダチャンネル」は、ロシアのウクライナ侵攻が始まるまでは、首都キエフで主に国会中継や政治家の対談を放送していたといいます。しかし現在は24時間体制で侵攻に関するニュースを放送しています。3月9日には今回出演している岡部教授も日本での報じられ方や、支援について答えるために出演されています。
戦時下のウクライナでどのような放送を行っているのでしょう。ミヤネ屋は国営放送「ラーダチャンネル」の代表 ヴァディム・ペレンチュグ氏にインタビューを行うことができました。
Q.今はどういう体制で放送をしているのですか?
(ヴァディム・ペレンチュグ代表)
「これまでは各放送局が個々に放送をしていましたが、2月24日のロシアの侵略を受けて、すべてのテレビ局が一つになって共同で放送を行っています」
ラーダチャンネルは、キエフ中心部、大統領府からおよそ600メートルの国会内にあります。3月1日にはテレビ塔が砲撃を受けたため放送が一時中断しましたが、その後復帰しています。
Q.ロシア軍が15kmの場所まで迫る中安全に放送できているのでしょうか?
(ヴァディム・ペレンチュグ代表)
「侵略が始まったときから、国会に向けて攻撃するという情報が入ったので、スタジオを移転する準備を始めました。詳しい場所については安全のためにコメントを控えますがキエフにいます」
しかし決して万全ではないと言います。
(ヴァディム・ペレンチュグ代表)
「空襲警報がない間はスタジオから生放送をして、警報が鳴ると生放送をやめてVTRを流したりシェルターに移動して、そこから放送することを繰り返しています」
(ヴァディム・ペレンチュグ代表)
「最初に戦争が始まった時は不安と混乱がありましたが、空爆の音も聞き慣れてきました。ゼレンスキー大統領もキエフに残る意思を示してくれたし、みんなが貢献しようという思いがある。自分にできることは国民に報道することなので、それをやるだけです」
戦場となった祖国を取材するカメラマンは…
実際に、ラーダチャンネルの取材を行うウクライナ人カメラマン ヤン・ドブロノソフさんに、話を聞くことができました。
Q.3日前まで、ウクライナ南部の戦線、ミコライフを取材していたと聞きましたが…
(ヤン・ドブロノソフ カメラマン)
「1番恐ろしいと思ったのはミコライフで住宅街がひたすら攻撃を受けて、たくさんの建物が崩壊して、たくさんの人たちの家が壊されていたことです。住人たちは親戚や友人を多く亡くしました」
Q. 取材を通じて伝えたいことは?
(ヤン・ドブロノソフ カメラマン)
「事実を伝えたいというのが一番です事実というのは、ロシアが無差別に街を空爆し続けていることです。『侵略者』という呼び方では足りなくて、『テロリスト』とか『殺人者』とかそういう表現の方が正しいと思います」
Q. 日本に伝えたいことはありますか?
(ヤン・ドブロノソフ カメラマン)
「ウクライナの隣国であると同時に日本の隣国でもあるロシアの真相を、ぜひ正しく伝えてほしい」
国営放送にも出演した日本人
実際に国営放送にも出演した、長年ウクライナ研究と日本との交流に尽力されている、神戸学院大学の岡部芳彦 教授にもお話を聞きます。
Q. カメラマンのヤン・ドブロノソフさんはご存じですか?
(岡部教授)
「はい、(カメラマンの)ドブロノソフさんはすごく有名なジャーナリストで、平時は国会などの取材をしているんですが、今はロシア側から“うその情報を流す人物”として『暗殺リスト』に載っているという情報もあって、非常に危険な中、取材を続けられています」
Q.空襲があったりするなか、シェルターから放送していたり、命がけですよね?
(岡部教授)
「放送局は元の場所は分かっていますが、今は場所を特定されるとだめなので、場所を変えながら放送をしているという体制になっています」
この国営放送が24時間放送を行っていることは、一つの希望に見えます。
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年3月21日放送)


