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【独自解説】“ママ友”赤堀被告に懲役15年、母親より重い判決に「より悪いと判断された」今後の防止策は「児童相談所がもっと強い態度で」弁護士が解説
2022年9月26日 UP
2020年4月、福岡県篠栗町で、当時5歳の碇翔士郎ちゃんが餓死し、母親の碇利恵被告が懲役5年の実刑判決を言い渡された事件で、その母親や子どもを精神的に支配していたとされる“ママ友”の赤堀恵美子被告の判決が、9月21日に言い渡されました。この判決が意味するものはなんだったのでしょうか。清原博弁護士が解説します。
保護責任者遺棄致死罪・詐欺罪・窃盗罪で起訴された赤堀被告には、求刑通り懲役15年の実刑が言い渡されました。赤堀被告は、終始落ち着いた様子で判決に聞き入っていたということです。
Q.この裁判のポイントは何でしょうか?
(清原博弁護士)
「この裁判はまず、保護責任者遺棄致死罪が赤堀被告に問えるかどうかの裁判でした。被害者にとって他人である赤堀被告と、被害者の母親の碇被告との共謀が成立するのは、赤堀被告の碇被告への支配が認められるかどうかということです。支配が認められないと、ほかの詐欺や窃盗も問えなくなります」
Q.判決に至った要因は?
(清原弁護士)
「今回、碇被告と赤堀被告の言い分は真っ向から対立していました。どっちを信用するかという難しい判断があったと思いますが、今回の裁判員は碇被告の言い分を採用したということです」
Q. 懲役15年という数字が、裁判員の大きな怒りを感じる判決ですが、赤堀被告の方が刑が重いのはなぜですか?
(清原弁護士)
「裁判所は、母親の碇被告は、“洗脳”されてかわいそうな目にあっていて“被害者的”だと判断したんだと思います。『碇被告も母親なので罪はあるが、より悪いのは赤堀被告の方だ』として、碇被告の懲役5年に対して、赤堀被告には3倍の懲役15年という刑を言い渡したのでしょう」
Q.今後、同じような事件が起こらないためにはどうするべきだと思いますか?
(清原弁護士)
「一番の被害者は、亡くなった翔士郎ちゃんです。この事件の教訓は、“子どもをどう守るか”だと思います。この事件で、児童相談所が翔士郎ちゃんに会いに家まで行っていますが、赤堀被告が会わせなかったんです。今後は、『会わせない』と言っても『一時保護命令』というものが裁判所から出せるようになりますので、これからこのような事件が起こらないように、強い態度で臨んでもらいたいと思います」
(情報ライブミヤネ屋2022年9月21日放送)


