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渦中の日大・澤田康広副学長

【独自解説】「澤田副学長がもみ消すと思って安心」日大アメフト部・北畠被告が衝撃発言!改めて問われる“空白の12日間” 廃部方針には“ライバル”が撤回求めるも、「編入の受け入れは難しい」

 違法薬物事件に揺れる日大・アメフト部。廃部の方針が固まったとの報道もある中、麻薬取締法違反の罪で起訴されたアメフト部員が初公判で、発見された違法薬物について「澤田副学長が、もみ消すと思った」などと衝撃発言。真面目に取り組んできた学生たちの未来は?日大問題に詳しい大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏の解説です。

「澤田副学長に見つかって、良かったな」「10人程度で使用」初公判で飛び出した衝撃発言の数々

大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏

 2023年8月5日、日大・アメフト部の学生寮で乾燥大麻約0.02グラムと覚醒剤約0.2グラムを所持したとして逮捕された北畠成文被告(21)。麻薬取締法違反の罪で起訴されていましたが、12月1日に初公判を迎え、検察側は1年6か月を求刑しました。北畠被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、入手経路については「アメフト部の友人が売人から預かったものを預かった」、部活内で薬物を使っていた人数については「10人程度」、使用頻度は「2023年は月に1回、多くても週に2回」と話したということです。検察側の冒頭陳述で、北畠被告は高校3年生の冬以降大麻を使用し、大学入学以降は寮で友人らと一緒に使用していたと述べられました。

Q.逮捕者が続いていますが、北畠被告の証言で「10人程度で使っていた」となると、部内で共有していたということですか?
(大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏)
「『共有していた』とみるほうが、自然です。さらに、北畠被告含め3人逮捕されたわけですが、10人程度ということであれば残り7人は誰なのかということを、本来は日大側がきちんと調査すべき話だとみています」

「澤田副学長がもみ消すんだと思った」

 さらに、驚きの発言が飛び出しました。大学の調査について北畠被告は、「ある日、大学の食堂に集められ、部屋などをチェックされました。僕の部屋のロッカーの中の、薬物が入っている缶を開け、缶は澤田副学長が持って行った。監督から『澤田副学長に見つかって、良かったな』と言われた」と述べ、「それを聞いて、どう思ったか?」という質問に対し、「澤田副学長がもみ消すんだと思い、少し安心した」と答えました。

Q.驚きの発言ですよね?
(石渡氏)
「私も非常に驚きました。北畠被告の話が真実だとすれば、調査の際にアメフト部の監督も同席していたということになりますし、『澤田副学長に見つかって、良かったな』という発言は、『警察等に提出するわけではない』ことを示唆しているわけです。しかも監督は、未だに会見等に出てくることもなく、学内で処分されたわけでもないです。12月4日に林理事長が記者会見をするということですが、『その席に当然、監督は出てくるんですよね?』ということを私は強くお話ししたいです」

問題視される“空白の12日間”

 以前から問題視されている“植物片を発見してから警察に連絡するまでの、空白の12日間”について、澤田副学長は8月の会見で、「大麻なら、学生にきちんと反省をさせて、自首をさせたいというふうに考えていましたが、その日には、まだ自首できる状況ではないという判断に至りました」と話していました。

Q.学生を想っているような発言ですが、本来なら直ちに自首させて反省させるべきですよね?
(石渡氏)
「ご指摘の通りです。他の大学では、薬物もしくは疑わしい物だったとしても、出た時点ですぐに警察に連絡します。澤田副学長の『学生に自首させたい』という発言は、一見すると学生を想っているようにみえますが、北畠被告の証言が事実だとすれば、澤田副学長は改めてどういう意図だったのか、事実関係を明らかにすべきと考えます」

Q.アメフト部内で薬物を使用していた一部の部員の問題ではなく、日大執行部の人たちの責任も問われませんか?
(石渡氏)
「当然です。また、私がそれ以上に強い怒りを覚えているのは、アメフト部の監督や競技スポーツ部の部長・事務長など、第三者委員会の報告書に出てくる関係者らが、学内で処分を受けたわけでもなく、会見に出てメディア対応しているわけでもないということです。さらに伝え聞くところによると、日大は定期的に人事異動があるのですが、競技スポーツ部の職員は、名前の出た管理職も含めて一切変わっていないらしいんです。学長や副学長といった執行部は責任を取って辞める、アメフト部も廃部処分にするのに、いい歳をした大人が責任を取らないというのは無責任極まりないと思います」

廃部の方針には撤回求める声も…転籍については「受け入れは難しい」真面目にやってきた学生らの未来は

“ライバル”から廃部撤回求める声も

 アメフト部廃部の方針を固めた日大ですが、廃部撤回を求める声もあるといいます。11月30日、アメフト部の現役部員数人が、廃部撤回を求める要望書を提出。さらに、“ライバル”である関西学院大学のOB1万人以上の署名が提出され、ネット署名も1万6000以上集まっているということです。

Q.真面目に取り組んできた学生がほとんどで、「日大でアメフトをやりたい」と、もしくはスポーツ推薦で日大に入った学生や、スポーツ推薦で日大に決まっているという高校3年生もいると思いますので、そういう方々のケアを考えると、「廃部だ」と簡単に片づけられる問題ではないですよね?
(石渡氏)
「その通りです。仮に廃部は避けられないとしても、北畠被告の証言にあるように、使用した学生がまだ7人以上いるわけですから、警察の捜査がもう少し落ち着いてから判断するとか、学生のケアをどうするとか、そういった筋道を立てた上で、廃部するかしないかを決めるべきだったとみています」

Q.本当にアメフトがやりたいと思っていた生徒で、違う大学に行きたいと思っても受け入れられないということも、あり得ますか?
(石渡氏)
「強豪チームの大学側としては、『チームワークが壊れかねない』とか、いくら本人がやっていないと言っても、編入学を受け入れた後にやっぱり薬物事件に関わっていて逮捕されましたとなると、受け入れた側のチームが崩壊してしまいますので、そうしたリスクを考えると、受け入れることは難しいと思います。発展途上のチームであれば、日大出身者を受け入れることでチームを強化しようとする大学は、多少はあるかもしれません」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年12月1日放送)

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