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山梨のスーパーに全国から客が殺到

【独自リポート】行列ができる話題の「ローカルスーパー」〈後編〉 山間の情熱スーパーは“異次元のクオリティー”で年商10億円!その超絶テクニックとは?

 値上げラッシュが相次ぐ中、全国には長~い行列が絶えない人気のスーパーが存在します。今回は、安さではなく、“異次元のクオリティー”が売りの「ローカルスーパー」をご紹介。山間にポツンと建つ店に全国から客が殺到!思わずあなたも食べたくなる!?わずか5分で売り切れた“激ウマお惣菜”に、思わずあなたも買いたくなる!?客を虜にする超絶テクニックとは。大手スーパーとは一味違う、行列のできる「ローカルスーパー」第2弾。その人気の秘密を徹底取材しました!

“こだわり”がハンパない、「情熱スーパー」

スーパー「ひまわり市場」

 全国から客が殺到する“こだわり”がハンパない、情熱スーパー!そのお店があるのは、東京から車で約2時間…山梨県の北西部、八ヶ岳・南アルプスに囲まれた北杜市です。山間にポツンと一軒建つこちらのスーパーは、山梨県内に一店舗のみのローカルスーパー、「ひまわり市場」です。

「ひまわり市場」は、決して広い店舗ではありませんが、この1店舗だけで年間売り上げ約10億円を記録する超人気スーパーなのです。

午前9時半、開店と同時に次々とお客さんが入店してきて、店内はあっという間に大賑わいです。地元・山梨県民はもちろん、県外からも客が殺到しています。

写真3:買い物客は全国から

Q.今日はどちらから?
(買い物客)
「神奈川県の川崎からここを目指して来た。6時半に出てきたよね」
「名古屋です。月に1回くらい来ますよ」
「島根県の出雲市です。車で10時間ほどです。家の近くにあったら良かったのにって思います」

Q.たくさん買われていますね?
(買い物客)
「まだまだ。いつもすごい量を買って帰ります」

商品一つ一つの値段を見ると、決して“安い店”というわけではありません。それなのになぜ、このローカルスーパーにこれほど多くの人が押し寄せるのでしょうか?

人気の理由① 店内に響く熱いマイクパフォーマンス

「ひまわり市場」が人気の理由、その1は、 店内に響く“熱いマイクパフォーマンス”!

「今日はお客さま、たとえお客さまの首根っこをつかんででもこのロースハムは買っていってもらいたい」
「朝食べるウインナーやハムがウマいかそうでもないかでその日1日のテンションは明らかに変わってくると思いませんか?」
「この『Volonta ロースハム』でございますけど、作った自分たちで言うのもなんだけど、めちゃくちゃウマい。自分で言うのもなんだけど、このウインナー食べて感動しちゃったもん」

お客さんが買い物かごに商品を入れると…

「ありがとうございます。めちゃくちゃウマいですから。奥さまのホッペが朝から落ちますから」

途切れることなく続く絶妙な語り口…この声の主、実は「ひまわり市場」の那波秀和社長です。

声の主「ひまわり市場」 那波秀和社長

Q.こんなにいつも話されるんですか?
(ひまわり市場 那波秀和社長)
「そうですね、その商品の良さを伝えようと思うとどうしても長くなっちゃうんです」

社長のマイクパフォーマンスは、お店の名物になっています。店頭に運ばれてきたお惣菜、「メンマ」も社長のマイクにかかれば…。

(那波社長マイクパフォーマンス)
「このメンマ、じっくりね、一晩と塩抜きして、そして3時間近く煮込む。決め手はニンニクと豆板醤。通常、メンマって何となくメインディッシュの感覚ないじゃないですか。おつまみとかラーメンのトッピングのようなイメージがありますでしょ。ところがどっこい、このメンマはどんだけ味が染みているか」

マイクパフォーマンスで競うようにお客さんの手が!

 社長のマイクパフォーマンスが店内に響きます。すると社長の熱意が伝わったのか、競うようにお客さんの手が!
 
(買い物客)
「言われると買いたくなる!」

用意された50パックの「メンマ」が…何と、わずか5分で完売!

(那波社長)
「本気でしゃべっているから、本当にこれ食べたら絶対笑顔になるよって覚悟を持ってしゃべると伝わるんでしょうね」

さらに、商品の魅力をアピールする広告、いわゆる“ポップ”にも社長の熱意が…。

売り場のポップも独特

寿司売り場には、 「いいか!よくお聞きなさい。江戸前握りはな。腕で握るんじゃないんだ。志(こころ)で握るんだよ!」というポップ

食肉売り場のポップ

食肉売り場には「我々、人間の顔よりもはるかにデカい。どんなに顔のデカい、アイツよりもデカい!」と謎の言葉が!

買い物客も「買いました。デカいやつ」と思わず笑顔で答えます。

他にも社長が考案したオリジナリティあふれる言葉が満載!

(買い物客)
「『この焼きナス とろっとろ~』のポップに心惹かれて 今一袋持っています。ポップの魅力にやられました」

人気の理由② 競争倍率10倍⁉究極の“激ウマお惣菜”

店先に約200人の行列

 お昼を迎えるころ、店先には約200人の行列ができていました。一体、何が始まるのでしょうか?

(那波社長)
「業務連絡いたします。“歴史的メンチカツ”登場まで3分前です」

超人気メニュー「歴史的メンチカツ」

 紹介されたのは、店の目玉商品、最高級の松坂牛と鹿児島県産黒豚を使った肉汁溢れる超贅沢なメンチカツです。その名も、「歴史的メンチカツ」。全て手作りのため、土日に2回ずつ、それぞれ50個だけの限定販売です。その購入券をかけた抽選会が始まります。

(那波社長)
「ただ今よりこの50枚のメンチカツの(当選)番号札を読み上げさせていただきます…1番!」

「歴史的メンチカツ」の当選者

当選したお客さんが小走りで駆け寄ります。
(当選した買い物客)「ありがとうございます!」
(那波社長)「どこから?」
(当選した買い物客)「(千葉県の)“木更津”から」
(那波社長)「木更津から!」

(那波社長)「続いて59番」
(当選した買い物客)「2度目のチャレンジ、埼玉から…」
(那波社長)「埼玉から来ていただきました!ありがとうございます」

「歴史的メンチカツ」を食べた人は…

時には競争倍率10倍にもなるという逸品を今回、運よく買えた人は…。

Q.お味は?
(当選した買い物客)
「ヤバいっすね。めっちゃうまいっす」
「(他のメンチカツと)全然違いますね」
「天に昇りそうです」

「ひまわり市場」目玉商品の数々

 この店の目玉商品は他にもあります。朝イチで採って持って来てもらっている、地元の農家が無農薬で育てた、安心で新鮮な“朝取れ野菜”や、東京・築地の有名店に20年務めた専属の寿司職人が店内でネタをさばいて握る「本格的な江戸前寿司」、全国から取り寄せられた珍しいスイーツなど、普通のスーパーにはない“こだわりの商品”が数多く並べられています。

利用客は━

Q.このスーパーの良さは?
(買い物客)
「置いてある物にハズレがない。どれを買っても楽しめる」
「オーガニックとか自然のものがいっぱいあるし、他のスーパーで売ってないようなものがある」

(那波社長)
「値段の高い安いというより“質”。売っている商品の“質”で勝負している。ここに来ればとびっきりのモノが食べられるって、そのために全力を尽くしますよね」

各売り場にいる“凄腕スタッフたち”

 そんな社長の思いを支えているのが、それぞれの売り場を担当する“凄腕スタッフたち”です。例えば青果売り場には、野菜ソムリエの資格を持ち、自ら八百屋を経営していたこともある青果のプロがいます。スイーツ売り場には、東京・銀座のスイーツ店に勤めた元パティシエールなど、各部門の“凄腕スタッフたち”が厳選した良い商品だけが店頭に並んでいるのです。

人気の理由③ “唯一無二の品揃え”を可能にするこだわりの仕入れ

早朝5時半 甲府市卸売市場

 早朝5時半、甲府市の卸売市場にやってきたのは、魚部門を担当する石井正大さんです。店に並べる魚を仕入れるため、自ら市場にきました。鮮魚一筋25年、その豊富な経験と知識からくる確かな目利きで魚を選んでいきます。

ひまわり市場」 鮮魚部門 石井正大さん

Q.いい魚の見分け方は?
(ひまわり市場 鮮魚部門 石井正大さん)
「例えば、イワシだったら丸々していて、肩の辺が膨らんでいるものが、美味しくなっているなって感じです」

Q.買うか買わないかの基準は?
(石井さん)
「自分がお店に買いに行ったとき、“その商品を買うかな?”って考えて、自分なら買うなっていう物をお店に並べるようにしています」

こうして厳選された新鮮な魚が「ひまわり市場」の店頭へ。売り場には20種類以上の魚や貝などが並べられます。
 
(石井さん)
「やっぱり自信を持って売っていると自信を持って勧められるので。お客さんにも買って食べてもらえればおいしいのが分かってもらえるかな」

気づいたら借金が4億円…

Q.どの売り場にも凄腕スタッフが揃う「ひまわり市場」ですが、なぜ、こうしたスーパーを作ろうと思ったのですか?
(那波社長)
「10何年か前は、うちも『値段で勝負する』というお店だったんですね。でも、安売りでは大手に勝てるわけがない。その当時は、売れば売るほど赤字になって、気付いたら4億ぐらい借金があって…だから、良いものを売ろう、良いものを売るためには良い人を揃えよう、良い人たちで商売しようと舵を切ったんですね」

今は年商約10億

 その結果、店の売り上げは、毎年右肩上がりを続け、2021年の売り上げは約10億円になったのです。

(那波社長)
「一人一人のプロたちが、できる限りの良い仕事をして情熱を持って販売する、その情熱をお客さまが感じて来てくださる、だから日本中から買いに来てくれるんですよ、こんな小さな店に」

山間にポツンと立つローカルスーパーには社長とスタッフたちの情熱で満ち溢れていました。

(情報ライブ ミヤネ屋 2022年7月1日放送)

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