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【独自取材】輪ゴムで受話器を頭に固定…ビッグモーター元社員がパワハラ激白 「ぶっ殺すぞ」「木偶の坊」「ポンコツ」…“歪んだ企業風土”末端にまで浸透か
2023年8月2日 UP
保険金の不正請求や街路樹の除草剤問題など、次々と疑惑が浮上する「ビッグモーター」。理不尽な降格人事を繰り返していた兼重宏行前社長の息子・宏一前副社長、本部長、常務の幹部3人は “ロイヤルファミリー”と呼ばれ、特に恐れられていたといいます。「ミヤネ屋」は、独自に元社員を取材。次々と明かされる、凄絶すぎるパワハラの実態とは―
幹部による“吊るし上げ”…現役店長が語った「罵詈雑言グループLINE」
兼重宏行前社長の経営思想を伝えるため、全社員に配布されるという「経営計画書」には、
「経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える」
「会社と社長の思想は受け入れないが、仕事の能力はある。今すぐ辞めてください」
などと書かれていました。
特別調査委員会の報告書によると、この3年で47人が、宏一前副社長らから一方的な降格処分を受けていたといいます。“ロイヤルファミリー”は、「経営計画書の方針を忠実に実行した」ということなのでしょうか…。
さらに、現役で店長を務める男性によると、LINEでの暴言は“ロイヤルファミリー”以外からもあったといいます。男性が「ミヤネ屋」に見せてくれたのは、各地の店長と本社の幹部で構成されたグループLINEです。そこには、吊るし上げるように、幹部が罵詈雑言を連発していました。
「ふざけた報告すんな ボケクソが!!!!!」
「返答もできねーなら、店長おりろボケが」
「隠蔽、誤魔化すなら、営業してろボケが」
元社員を独自取材!名刺に落書き、輪ゴムで受話器を…苛烈なパワハラ激白
“ロイヤルファミリー”をはじめ、本社の幹部から店長に対して発せられた罵詈雑言の数々。さらに、「ミヤネ屋」に情報を寄せてくれた元社員の証言により、その“歪んだ企業風土”が組織の末端にまで浸透していた可能性も浮上しました。男性が語ったのは、店舗内での苛烈な“パワハラ”の実態でした。
元社員の男性は「ビッグモーター」に中途入社しましたが、研修も受けられないまま、数日後から営業職に就いたといいます。
ある日、男性が出社すると、“落書き”された名刺が自身のデスクに置かれていました。そこには、「木偶の坊(でくのぼう)」「PONKOTU(ポンコツ)」の文字が書かれていました。
「ちょっとでも仕事でミスが起こると、『ぶっ殺すぞ』みたいな感じで…バカ、アホ、怠惰など、毎日いろんなことを言われ続けました」(「ビッグモーター」元社員)
さらに、別の写真には、輪ゴムを使い受話器を顔にくくり付けられた男性の姿が映っていました。「営業電話が足りない」からと当時の店長が直接手を下したもので、この写真は、複数のLINEグループで拡散されたといいます。
LINEグループには、“指導”のつもりなのでしょうか、「ちゃんとコールしろよ!」と店長からのメッセージも―。
「見せしめにして、他の人を鼓舞するじゃないですけど。利益を上から常に求められて、プレッシャーが、度を越したような“パワハラ”につながっていきました」(元社員)
その後、男性は退社し、今はパワハラのない職場で働いているといいます。今、「ビッグモーター」の幹部に求めることは…。
「『利益を上げない奴は、人間じゃない』という感覚で扱われていたので。上の方も、従業員のこともしっかり見て、やっていただけたら」(元社員)
「ビッグモーター」は膿を出し切り、新たなスタートを切ることができるのでしょうか。国は引き続き、実態を調査していく見通しです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年8月2日放送)


