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【中国】家族に失業隠すため…『働くフリ会社』が大流行!“お金を払って”給料をもらう!?数々の斬新すぎるサービス、その内容とは―
2025年6月28日 UP
中国の失業率増加に伴い、いま『働くフリ会社』が注目されています。家族に失業を隠すための斬新すぎるサービス内容とは?中国事情に精通しているジャーナリスト・周来友氏の解説です。
■大卒でも就職が難しい?中国の大学受験者数が減少
2025年6月7日・8日に、中国国内で全国統一大学入試『高考(ガオカオ)』が行われました。受験者は1335万人で、2024年より7万人減っているといいます。
受験者が減少した理由としては、少子化問題に加え、大卒でも就職が難しいことが背景にあり、失業率は、2025年の第1四半期(4月~6月)の都市部で5.3%、2025年3月の16歳~24歳は16.5%となっています。
Q.少子化もありますが、中国の経済が悪くなってきていて、働く場所がなくなってきているということはあるんですか?
(ジャーナリスト・周来友氏)
「そうですね。あと特に大卒者だと、条件に合う仕事が少ないので、就職はとても難しいんです。せっかく大学を卒業しているので、良い仕事を探したいですからね」
■家族に失業を隠すための『働くフリ会社』が大流行
そんな中国で今、『働くフリ会社』というものが流行しています。
1日30元(約600円)で、リアルなオフィス環境のもと、高速Wi-Fi・ドリンク飲み放題・昼食などを提供していて、家族に失業していることを隠している人が、お金を支払ってこの場所で“働くフリ”をするということです。
利用者からは、こんな声が―
「1日40元(約800円)、1か月で1000元(約2万円)ほどかかり、決して安くはないがこのような生活秩序を維持できるなら、それだけの価値はある」
「両親を欺いていると批判する人もいるだろう。しかし両親は私が2年間安定した仕事に就いていることを喜んでいるし、私も2年間好きなことをして過ごせて幸せ」
サービスとして、『在職証明書』の発行がされ、履歴書の空白期間を埋めることができ、50元(約1000円)を支払うと、“社長”として写真を撮ってもらうこともできます。
さらに、お金を支払って給料をもらうことができ、利用者が経営者に月額3500元(約7万円)を支払い、給料として2500元(約5万円)を支払ってもらうサービスがあります。
そして、希望する役職により、支払う金額が異なるということで、深圳(シンセン)にある『働くフリ会社』では、約5万円の給料を受け取る場合、“一般社員”なら月額約7万円。“初級マネジャー”としてなら約7万4000円。“社長”なら約8万円で、“CEO”だと約9万円を支払うということです。
Q.深圳あたりは経済特区なので値段が高いですね
(周氏)
「ちょっと高いんですよね。でも、よく利用されているのは、特に40~50代の解雇されたホワイトの人たちなんです。今、経済が悪いため、会社が倒産して解雇されてしまう。そうすると家族に面目が立たないので、こういうところに行けば、社長にもなれるしCEOにもなれるから、便利に使えるんですよ」
(「情報ライブミヤネ屋」2025年6月11日放送)


