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【議論】「また東京を狙い撃ち」都の税収“再分配強化案”に小池都知事が“怒り”…与党税制改正大綱で方針明記
2026年1月3日 UP
与党の自民党と日本維新の会が2025年12月19日に決定・公表した「令和8年度税制改正大綱」。その中で税収が東京都に集中していることが指摘され、2027年度から偏在是正に向け税制の見直しを検討する方針が明記されました。都の税収“再分配強化案”に、東京都・小池百合子知事は「また東京を狙い撃ち」と強く反発。税制の公平性と地方財源確保を巡る議論はどのような方向に進むのでしょうか。
■東京都の高額税収に周辺自治体が申し入れ「東京都への税収集中が進んでいる」
東京都の2025年度の税収見込みは約6兆9000億円です。総務省によると、自治体の独自政策等に使える財源は、一人当たりに換算すると、28万1000円で、46道府県平均の3.6倍だということです。
全国で独自に使える財源の46道府県の平均は7.8万円で、福岡・佐賀・長崎、すべての九州の県は、平均以下となっています。長崎県が一番低く、5.8万円ということです。
東京は税収が多いため、独自政策を行っていて、例えば、省エネ家電等に買い替える場合は最大8万円分の補助、水道料金も夏場は4か月基本料金無償や、0~2歳児の保育料の無償化、さらには0~18歳の子ども一人当たり月額5000円の支給などもしています。
それに対し、2025年8月、埼玉県・神奈川県・千葉県が、財務省・総務省に申し入れを行いました。『東京都と周辺の自治体で打ち出す施策に地域間格差が生じている。大企業が東京都に本店や事業所を設けるので、東京都への税収集中が進んでいる』として、地方一般財源の総額の確保・充実などを求めました。
東京都の担当者によると「今、税制改正が議論される中、東京都から税をもっと取るべきだという話も出ている」ということです。
■「また東京を狙い撃ち…」地方への分配額は年間1.5兆円
東京都の税収の現状ですが、東京都民・事業者は、法人住民税・法人事業税を都税として東京都に納めています。この都税が国税に切り替わって国に入り、地方交付税などとして分配されていて、その額が年間1.5兆円だといいます。
そして、与党が決定した「税制改正大綱」には、法人2税(法人住民税・法人事業税)と固定資産税について必要な措置を検討することが明記されました。法人2税は2027年度に、固定資産税は2027年度以降に結論を出すとしています。
実は47都道府県で、東京のみ地方交付税の交付がありません。小池都知事は、「また東京を狙い撃ちするがごとく、一方的に収奪して、ほかの自治体に『分配』をするということは、地方自治の根幹を否定するものにほかならない」と話しています。
Q.本村弁護士は東京で暮らされていますが、どう思いますか?
(本村健太郎弁護士)
「どうしても税収が一極集中しすぎているから、それを地方に分配するというのは良いと思います。しかし、“もっと取るべき”というのが、どれくらいなのか…。これはもう理屈の問題ではなくて、“どれくらいが適正か”という規模の問題だと思います」
「東京都は財政が豊かだから子育て支援をはじめとした手厚い行政サービスを打ち出しているのではないか?」という質問に対し、東京都は、「都は事業の徹底した見直しを積み重ね、約9400億円の財源を捻出し、全国に先駆けて現実に起きている待ったなしの課題や、大都市において特に先鋭化する課題の解決に向け、都税を積極的に活用しています」と反論しています。
(「情報ライブミヤネ屋」2025年12月12日放送)


