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ロシア大統領の権限が“ある人物”に?

【独自解説】ウクライナ南東部の支配も難航か…ロシアで一体何が? プーチン大統領、胃がん手術か…“強硬派” 腹心に権力を移譲はあり得る?

 ウクライナへの侵攻を続けるロシア。5月9日に「戦勝記念日」を迎え、首都・モスクワなどでは軍事パレードが行われました。プーチン大統領の演説の内容に世界が注目する中、複数のイギリス紙は「プーチン大統領はがんの手術のため一時、表舞台から姿を消す」と報道。その間、ある人物に大統領としての権限を移すというのですが、その人物とは一体誰なのでしょうか?軍事ジャーナリスト、黒井文太郎(くろい・ぶんたろう)さんが解説します。

ロシアへの追加制裁 “ロシア産石油禁輸”へ

G7首相 「ロシア産石油、原則禁輸」で一致

 5月8日、G7・主要7か国はオンライン首脳会議を開催。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席する中、一致して取り組むこととなったのが、“ロシア産石油の輸入禁止”です。岸田首相は、「輸入停止の時期は実態をふまえ検討する」と述べ、国民生活などへの悪影響は最小化する方法をとるとしています。

軍事ジャーナリスト 黒井文太郎さん

Q.共同声明の「段階的」や「原則禁輸」というのは苦しい表現ではありますね?
(軍事ジャーナリスト 黒井文太郎さん)
「禁輸をするという意思表明ですが、すぐにではなく、手順を踏んで無理のないようにということですね」

Q.日本などは、いきなり止めてしまったら経済が回らないからですか?
(黒井さん)
「代替手段はありますから止めても良いのですが、やはり価格が上がるということが懸念されますので。そして、ヨーロッパはこの後に天然ガスが控えていますので、それに対しての動きを見ながらということです」

ゼレンスキー大統領“強気”の発言 ウクライナ軍“反転攻勢”も…

ロシア“南東部の支配”目標も難航

 マリウポリの「アゾフスタリ製鉄所」では5月7日、全ての女性・子ども・高齢者は避難完了したと伝えられています。ただ、マリウポリの治安組織「アゾフ連隊」は、5月8日の段階で「激しい砲撃を受け続けている」としています。また、アメリカ政策研究機関の分析では、ハルキウではウクライナ軍が反撃して、ロシア軍を国境付近まで押し戻しつつあるという情報があります。

Q.ロシア軍はこのところ東部には侵攻できていないですよね?
(黒井さん)
「そうですね、部分、部分によって戦局は違いますが、ロシアは明らかに上手くいっていないです。特にハルキウは重要な都市で、両軍が非常に重視しているのですが、ウクライナ軍の長距離砲が生きているということで、その射程外に後退しています」

Q.東部は平原が多く、戦車での戦闘が予想され、量的にもロシア軍が有利かと思われたのですが、その点はひっくり返ったのでしょうか?
(黒井さん)
「まだ全部は分かりませんが、ロシアは準備したいほどの戦車の補給ができていないことが一つと、戦車戦の前に砲撃戦があるのですが、その部分にウクライナ側に西側から武器が徐々に入ってきています」

Q.ゼレンスキー大統領はここにきて本当に強気で、「勝つのはウクライナで、実効支配されているクリミアも奪還する」とまで言っていますが、これは根拠のある話なのでしょうか?
(黒井さん)
「いわゆる地上戦ではウクライナが善戦していますので、東部に関しても侵攻が始まった2月24日までは武力で戻したいと、クリミアその他は、その後に交渉でということは言っていますけれども、いずれにせよ強気の発言ということですね」

Q.最近ウクライナ軍が、ロシア領の中に砲撃を打ち返すとか、ロシアの軍事施設などへの攻撃が疑われるようなことが増えてきたように思いますが、ロシア側はどの程度反応する可能性がありますか?
(黒井さん)
「これ以上、強く来られたら反撃はしたいと考えると思いますが、それに対してロシア軍はあまり防衛ができていないということがあるので、例えば防空システムのような物のテコ入れは恐らくこれから考えると思います」

プーチン大統領、胃がん手術か…腹心に“権力移譲”?

プーチン大統領“権力移譲”報道 (写真:ロイター/アフロ)

 イギリスの大衆紙は、プーチン大統領が「近いうちにがんの手術を受ける」、「手術で元スパイに権力を渡す」などと伝えています。ロシアの内部情報のリークサイトも、「胃がんが進行していて、5月9日以降に手術をする。一時的に強硬派の腹心、パトルシェフ氏に権力を移すのではないか」としています。

Q. イギリスの大衆紙が複数報じていますが、信憑性はありますか?
(黒井さん)
「現時点では、まだ判定不能です。可能性はないわけではないですけれども、まだ裏が取れないので我々としては、これを前提にはちょっと考えられないですね」

Q.パトルシェフ氏はKGB時代の同僚で20年来の付き合い。プーチン大統領はKGB時代の仲間を重用し一緒に強権的な独裁体制を作ってきたということですが、やはり特別なのですか?
(黒井さん)
「そうですね。プーチン大統領が上に上がっていくときに、彼らなりの世直し的なことを一緒にやってきた同志ということです」

Q.パトルシェフ氏はかなりの強硬派でプーチン大統領より怖いのではないかという話もありますね?
(黒井さん)
「そうですね、この人はプーチン大統領以上に強硬的なロシア愛国、それから対外的な敵対的言動がもともと非常に激しい人ですね」

Q.この強硬派の人に全権委任されたら、プーチン大統領がいないロシアの方が怖くなりませんか?
(黒井さん)
「パトルシェフ氏に権限が移ったと仮定しても、プーチン大統領とほぼ同じようなことになると思います」

新興財閥「オリガルヒ」 相次ぐ不審死

 そんなプーチン政権と密接につながる、新興財閥「オリガルヒ」の不審死が相次いでいるということです。4月には銀行大手の「ガス プロムバンク」、そして、天然ガス大手「ノバテク」の2人が妻と子どもを殺して自殺。さらに、ロシアの3人の富豪が今年に入って自殺したということです。筑波学院大学・中村逸郎教授によると「この「オリガルヒ」の不審死は、情報統制が敷かれているロシアメディアでも報じられていて、消されることなく情報は検索可能。オリガルヒのプーチン離れに対する警告。プーチン大統領が『裏切るな』と発信しているのではないか」ということです。

Q.1日で2.5兆円の戦費がずっとかかっているわけですから、新興財閥いわゆる大富豪の人たちにとっては、非常にこれはマイナスであることには間違いないですよね?
(黒井さん)
「そうですね。財閥が、自分たちが横領できる分のお金を持って国外に逃げるということが今、起こっています。トルコ辺りにはもうお金持ちがずいぶん入っているんです。ですから、そういったお金の取り合いみたいなところで揉めるということが多く起こっている可能性があります」

(情報ライブ ミヤネ屋 2022年5月9日放送)

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