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【独自解説】続々明らかになる旧統一教会と自民党との関係に田﨑史郎氏「多くの政治家に接点ある」裏事情を解説
2022年8月26日 UP
岸田首相に、“統一教会”との接点が浮上しました。熊本県で岸田総理の後援会会長を務める、崇城大学学長の中山峰雄氏が、“統一教会”の関連団体「日韓トンネル推進熊本県民会議」の議長だったということです。この「日韓トンネル」は、“統一教会”の文鮮明氏が提唱した「国際ハイウェイ構想」の一環で、日本と大陸をつなごうというものですが、実態は工事費を名目にした“統一教会”の献金集めのものだと言われています。
岸田首相は「知り得る限り関係はない」とコメントしましたが、果たして実情はどうだったのでしょうか?また、2021年の総裁選における地方票獲得において“統一教会”が影響を与えた可能性はあったのでしょうか?政治ジャーナリストの田﨑史郎氏が解説します。
中山氏は、2021年に行われた自民党総裁選で、岸田首相を支援しています。河野氏が勝つと思われていた熊本県で、保守層が強い党員の票を中山氏が集票し、岸田首相を勝利に導いた人物と言われています。
中山氏は8月24日に行われた記者会見で、議長を受けた経緯として「日韓トンネルの推進委員会の会長が、九州大学の学長をやめて就任されていることを聞いて、信用できる団体という認識だった。最終的には推される形で議長を受けた」と語りました。“統一教会”との関係については「週刊誌の取材を受けるまで、日韓トンネルが“統一教会”と関係があるとは認識していなかった」とコメント。総裁選への影響については「日韓トンネル関係者に声掛けはしなかった」と話しました。
Q.前回の自民党総裁選で、熊本は河野氏が勝つと思われていたのですが、岸田首相が勝ったのは、この中山氏の影響が大きいのでしょうか?
(田﨑氏)
「熊本の衆議院議員は、4つの選挙区全部が自民党なんです。そのうち一人は岸田派で、もう一人は岸田首相を応援していた茂木派です。残りは無派閥と旧石原派です。対して河野さんは特定の派閥の支持は弱かったので、岸田首相の方が、自分の派閥に加え茂木派や安倍派の一部が支持したので、強かったんです。私にとっては、熊本で岸田首相が勝つことは、そんなに不思議なことではありませんでした。」
今回の報道を受けて岸田首相は「私の『熊本後援会』会長の中山氏については、“統一教会”に関連している認識はなかった。関連していると分かったので、議長は辞任したと聞いている。私自身、“統一教会”との関連はないという認識は変わらない」と話しました。
Q.岸田首相の説明責任は果たされていると思いますか?
(田﨑氏)
「岸田首相に関しては、自分で点検して『知り得る限りは関係ない』と言っています。『知り得る限り』と付けざるを得ないのは、知らないうちに教団と何らかの関係ができている可能性が0ではないからなんです。会う人全員に『あなたは“統一協会”ですか?』とは聞けませんし、後から『私は“統一教会”です』ということもあり得るので、『知り得る限り』となるんです。」
Q.首相というのは日本政府のトップです。その首相でも、“統一教会”との接点を調べきれないものなんですか?
(田﨑氏)
「今回の報道だけでは、これを『岸田首相と“統一教会”との接点』と呼べるのだろうか?と思います。濃淡で言うとかなり淡い関係だと思います。中山氏を通した関係だったので、岸田首相と直接の関係は浮かび上がってこなかったんです」
Q.調べれば調べるほど、自民党の政治家に “統一教会”と接点がある人が際限なく出てくるのではないでしょうか?
(田﨑氏)
「多くの自民党の政治家が、“統一教会”と接点があるというのは否定できないと思います。意識しないうちに付き合いがあることもあります。“統一教会”の信者には、選挙で政治家を応援する自由があります。一方政治家には、応援を拒否する自由がないんです。選挙のときに『あなたの応援は要りません』とは言えないんです。だから、後で『私は“統一教会”です』と言われると、『私のミスでした』と言う以外なくなるんです」
(情報ライブミヤネ屋2022年8月24日放送)


