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小川さゆりさん(仮名)と橋田達夫さん

【独占インタビュー】“統一教会”問題、渦中の2人に直撃② 会見中止要求に突然の自宅訪問…教団の“反撃”への激しい怒り、それでも捨てきれない家族への想い

 “統一教会”の被害を訴え続ける小川さゆりさん(仮名)と橋田達夫さんが、二人揃って「情報ライブ ミヤネ屋」のインタビュー取材に答えました。その模様を、3回に渡ってお届けします。第2弾となる今回は、二人が被害を訴えてからの、教団側の“反撃”に対する激しい怒りと、いまだに続く「家族が信者」であることの苦悩を語ります。

会見中に届いた中止要求「両親が世界中の前で私を批判した」

小川さゆりさんの10月7日の会見

(小川さゆりさん)
「私が正しいと思ってくださるなら、どうかこの団体を解散させてください」

 10月7日、小川さんは「日本外国特派員協会」で記者会見を開きました。開始から50分後、会場の空気が一変する出来事がありました。“統一教会”からメッセージが届いたのです。彼女の両親の署名が入った通知書で、「小川さんは病気である」として、会見中止を要求するものでした。ショッキングな内容に涙を流す小川さん。それでも「夫の支えなどにより、病は4年前に治っている」と説明し、会見を続けました。

悲痛な思いを語る小川さん

(小川さん)
「あの瞬間、『本当に教会が私を潰しに来たな』と思いました。会見を中止することが目的かもしれないけど、一方で私を精神的にダメにして、発言させなくするような意図も、もしかしてあるんじゃないかと。結構、正直きつかったです。すごく見限られたというか…本来の親の姿って、子どものためなら世界を敵に回してもいいって思える、そういうものなんじゃないかなと思って。自分は、子どものためならそこまでできるなって正直思います。それなのに、両親はそれどころか…言ってみれば世界中の前で私を批判したわけで」

元妻の動画を公開「異常さを感じた」

橋田さん宅に“アポなし訪問”した勅使河原氏

 一方の橋田さんは、10月16日、教団幹部の勅使河原秀行氏が、事前に断っていたにも関わらず“アポなし”で自宅に訪れる、という行動に、怒りをあらわにしました。

(橋田達夫さん)
「やっぱりきちんとお話を聞くという気持ちで来てもらわないと。突然来られたら怒りますよね」

 また、10月20日に行われた“統一教会”の6度目の会見で、勅使河原氏によって流されたのは、橋田さんの元妻のインタビュー映像でした。その内容は、橋田さんが訴え続ける教団被害について、元妻の言葉を用いて反論するものでした。

教団への怒りをあらわにする橋田さん

(橋田達夫さん)
「完全に上から潰しているんです。『私たちはこれくらいまでしますよ』というのを、全国の信者に見せる。“統一教会”は、もう考えられないことをするんです。だから、今回元妻がビデオに出ましたけど、元妻に対して責めるということは、もうしちゃダメだと思います。異常な世界です。“餌”に使っているというか“ダシ”に使っているんです。今まで一生懸命教団に行って勉強して、献金までして、時間とお金を使って、本当に人生そのものです。そういう人間をああいう風に出すということに、彼(勅使河原氏)には異常さを感じました。」

 この教団の対応について、元2世信者の立場である小川さんは…
 
(小川さん)
「元奥様の発言は確かに、“統一教会”にとっては有利というか、都合のいい発言をしてくれるということで、利用されているとしか思えなくて。こうやって信者さんを盾に出してくるということ、そして顔を出してプライバシーをさらしてというやり方も、本当に汚いなと思いました」

(橋田さん) 
「彼女にああいうことを、“統一教会”はさせましたよね。けど、絶対に彼女の面倒はみないと思います。僕は彼女をそっとしておこうと思っているんです。今までは彼女と戦ってきましたけど、もう“統一教会”と僕は戦っているんです。そういう心に変えました。彼女はたぶん、生活はできないんじゃないかと思ったんです。だからご近所に回って、『もう見ないふりをしてあげてください』って言って。二男に聞いたら、『もうお母さんは憔悴している』と。それ以上、僕は言葉もでないです」

のめり込む家族、それでも捨てきれない想い

相手の心に入り込む“統一教会”勧誘の実態

 小川さんと橋田さんの家族は、なぜ入信するに至ったのか?二人から語られたのは、“統一教会”による勧誘の実態でした。

(小川さん)
「自分の親もそうなんですけど、二人とも友達がいなかったり、すごく人間関係に悩んでいて、人生がどん底で、それで入ったという人がすごく多くて。勉強を重ねると、『全ての問題を解決してくださる方は、文鮮明(ムン・ソンミョン)先生なんです』と、みんな文鮮明に感動するんです。別にお金を払おうと思って入っているわけではなくて、自分を救ってくれた、こんな真理を与えてくれた、文鮮明がお金を要求するならば捧げないといけない、という気持ちになり、さらに教義の中に、『こうしないと大変なことが起こる』とか、『事故が起こる』『地獄に堕ちる』とか脅迫めいたこともあるので、どんどんお金を出してしまうという感じです」

(橋田さん)
「“統一教会”の人は、相手の心に入り込むのが上手なんです。小川さん、そう思いませんか?」

(小川さん)
「そうですね。別に宗教としてそういうのはあってもいいと思っていて、信じることって自由ですし。ただ、人の不安定な心とかを用いて、そこから献金に繋げていくという悪質さ、それがやっぱり許せない部分だなって思います」

捨てきれない親への思い

 巧妙な手口によって、教団の活動にのめり込んでいく親の姿。信者の両親をもつ小川さんや橋田さんの子どもは、どう受け止めていたのでしょうか?

(小川さん)
「私の場合は、親が元から信者だったので、すごく違和感を持ちづらくて、気付いた頃にはもう精神崩壊とか、病気を負ったりという状況でした。お子さんが“普通のお母さん”を知っていて、あとから入信して“狂っていく母親”を目の前で見なきゃいけないっていう状況は、すごくつらいんじゃないかと思いました。自分自身も、実際に今子育てをしていてすごく分かるのが、子どもは親を信じるしかなくて、どれだけ親がおかしいと思っても捨てきれない部分というのは、正直あると思います」

後悔で思わず涙

(橋田さん)
「僕がどうして9年前に家を出たかというと、妻に話が全く通じないんです。子どもは苦しかったと思うんですよね。本当は聞いてあげないといけないけど、自分自身が話を聞くだけでもおかしくなるんです。これは自分自身がダメになると思って、自分が家を出て…最後はこういう結果になりましたので、やっぱり自分が犠牲になるべきやったと、僕は思ったんです」

 教団のホームページに、掲げられているのは、「愛」「幸せ」そして家族を重んじる言葉。しかし、小川さんや橋田さんが語るのは、教団が抱く理想とはほど遠い“被害の実態”です。

(小川さん)
「全く愛がないなって。“愛を語っている団体”なのに。でも、なぜそれに気付けないんだろうってすごく思います」

(橋田さん)
「僕は、前に妻にも『“統一教会”に入って幸せな家庭を見せてください』と言ったんですけど、誰も見せてくれないんです。結局僕は、不幸しか見ることが出来なかったんです。本当に“統一教会”に入ってみんな幸せにしているんだったら、こういうことはないと思うんですよね」

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 独占インタビュー第3弾では、これまで声を上げることができなかった“被害者の救済”を願う二人が、自分たちにできるアプローチや、“統一教会”問題のゴールについて語ります。国会の場で岸田首相が「直接会う」と述べた今、首相に言いたい事とは?

(「情報ライブ ミヤネ屋」 2022年10月27日放送)

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