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【北京五輪】村瀬心椛(17) スノーボード女子ビッグエアで銅メダル!恐怖と戦う“スポーツビッグエア”と冬季日本女子最年少メダリストの“すごさ”をスペシャリストが解説!
2022年2月16日 UP
北京五輪スノーボード女子ビッグエアで17歳の村瀬心椛(むらせ ここも)選手が銅メダルを獲得しました。17歳でのメダル獲得は、2010年バンクーバー五輪の浅田真央さんの当時19歳を上回る、冬季五輪史上日本女子最年少記録となりました。村瀬選手は4歳でスノーボードを始めて、平昌五輪は年齢制限で出られませんでしたが、今回、日本選手団で最年少での参加となりました。しかし2018年 『X Games(エックスゲームズ)』ビッグエアでは、わずか13歳で平昌五輪の金メダリストなど並み居る強豪を抑え優勝、2021年ワールドカップでも優勝をしています。」
スノボード・ビッグエアはおよそ40mの斜面を滑り降りてジャンプ台を跳んで繰り出す演技の難易度・完成度を競う競技です。3回の滑走のうち2回の合計点で順位が決まります。そして合計される2回の演技は違う技でないといけません。
恐怖との対決 スノボードビッグエア
村瀬選手は競技後のコメントで、「オリンピックに出て、メダルを取るということが小さいころからの夢で、皆さんの力でやっと取れたメダルなので、ありがとうございました。本当にうれしいです。」と語った後、決勝での技について、「練習から(ボードが)走らなくて困ってて、フロントサイドはぶっ飛んでグラブ掴んで着地するというのを意識して、それをやらないと表彰台に乗れないと思ったので、自分でめちゃくちゃ走らせて、結構飛べたので良かったと思った。」と話しました。
今回の決勝の詳しい解説を、トリノ五輪 スノーボード ハーフパイプ日本代表の成田 童夢さんにしていただきました。
Q.上からのカメラだと斜面は見えないですね。
(成田 童夢さん)
「そうなんです。壁を滑り降りる…といった恐怖心のなか滑って跳ぶ。怖いですよ。」
Q.1本目80点、2本目91.5点、我々では違いが分からないのですが…
(成田 童夢さん)
「2本目の技なんですが、すごく余裕があったんです。高さもそうなんですが、空中で3回転してから着地まで余裕があるんです。ジャンプ台までの斜面でのスピードがあったから、この高さが出て余裕も生まれました。(村瀬選手もコメントしていましたが)今回どの選手も、板が走っていないように見えたんです。スタートで後押ししてもらってスピードを出さないと、なかなか高さと飛距離が出なかったようです。」
Q.後ろ向きに下りてますが、斜面の角度とか自分がどういう状況かとかわかるんでしょうか?
(成田 童夢さん)
「最後に見えない方向に着地するのはかなり難しいです。3回転で、その形に着地で決めるというのはすごく難易度が高い。しかも軽々こなしているように見せるのも難しいんですよ。」
Q.あといろんな駆け引きもあるんでしょうか?
(成田 童夢さん)
「今回金メダルのアンナ・ガッサー選手ですが、95.5が3本目で出ているんです。これは最後の勝負に勝ったという風に見てもいいかなと思います。キャブダブルコーク1260で、斜め軸の縦2回を含む合計3回転半という技になります。」
〈第2段落タイトル〉北京五輪スノーボードのジャッジについて
Q.今回、スノーボードは新しい種目ということでジャッジの一貫性がないと言われていますが…
(成田童夢さん)
「正確な基準というものが今ないんです。これをやれば何点というものがないので、印象点でしかないんです。『この選手は高かった』とか、雰囲気的なところもあるんですが、それをなくしてしまうとスノーボードの良さもなくなりがちなんです。技に対し、例えばトリプルアンダーフリップとか女子が初めて成功したとなれば、さらに点数は上がると思うんです。そういったところをしっかりみれる規定を設けていくべきだと思います。」
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年2月15日放送)


