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“ニセ広告”続出!

【怒り】『燕三条』に『関の刃物』など“ニセ広告”続出!運営元の多くは中国?変な日本語に不可解な映像…情に訴えかける手口とは

 今、急激に増えている日本のご当地ブランドの“ニセ広告”。以前にも福井県鯖江市の特産品である眼鏡をかたった広告の問題点を指摘しましたが、その後も、様々な情報が寄せられました。いずれも“ニセ広告”だと本家本元からは怒りの声もあがっています。

■“おかしな日本語”と“不可解な映像”…『燕三条のフライパン』かたる“ニセ広告”

新潟県燕三条のフライパン

 まずは新潟県燕三条のフライパンでも同じような動画広告があるとの情報提供があったため、実際に確認してみました。

 「皆様のお力で、この伝統工芸を救ってはいただけないでしょうか」というナレーションから始まり、日本屈指の金属加工技術で、世界的にも有名な、新潟県燕三条地域で作られたという商品が出てきました。

動画には“おかしな日本語”が…

 そして、これらの広告に共通しているのは、“おかしな日本語”と“不可解な映像”です。

 “おかしな日本語”ですが、燕三条産をかたるフライパンの説明では、「今、新潟“イシイ”三条の倉庫で…」「新潟県“ツバクラ”三条が生んだ…」「新潟“イェサ”三条の鉄フライパンが…」と、『燕』を何パターンも読み間違えています。

生成AIで作られた映像?

 また、映像については、生成AIで作られているのか、焼かれていたギョーザがフライパンの上ではねたあと、急に消えているように見えます。

 このような広告を見て、購入した人は、「フライパンの縁で手を切りそうなくらいの仕上げで、初めてこんな雑なフライパンを見ました。ガッカリです」と話し、燕三条地域で作られたとは思えない粗悪な商品が送られてきたといいます。

■岐阜県関市の『関の刃物』もターゲットに…

岐阜県関市の『関の刃物』

 そしてほかにも、ターゲットとなったのは、800年もの伝統を持ち、世界の三大刃物産地の一つとされる、岐阜県関市のご当地ブランド『関の刃物』です。

関市は“カン市”と読み…

(ニセ広告のナレーション)
「岐阜県“カン市”(関市)が生んだこの包丁は、3年連続で日本の刃物カテゴリ売り上げの“イチ”を記録しましたが、ついに待望の“アタイモトゲ”(値下げ)が決定しました。この包丁は再研磨が不要です。ダイヤモンドの10倍の鋭さを誇り、一生使い続けても、さびることがありません。2025年には国際キッチン用品金賞を受賞。累計販売数はすでに8万セットを突破し、総合評価は驚異の9.9点です。銀座の高級フレンチレストランの総料理長もこの包丁を絶賛しています」

魚の切り身が垂直に飛ぶ映像まで…

 ナレーションでは、関市を『カン市』と読み、魚の切り身がマジックのカードのように垂直に飛ぶ映像も見られました。

「強い憤りを感じる」

 “ニセ広告”のサイトを見ると、『2025年国際ナイフ金賞受賞』と書かれていますが、これは実在しない大会です。また刃物には『中國』という文字も書かれています。岐阜県関刃物産業連合会によると、“ニセ広告”の刃物は、食材向けではなく、関の刃物にはない形だといいます。さらに、『研ぎ直し不要』と書かれていますが、研ぎ直しは必要で、『百年工房』などは存在しないということです。

 岐阜県関刃物産業連合会の桜田公明さんは、「『関の刃物』というブランドは、相当な年月をかけて作ってきた。名前を勝手に使われるのは強い憤りを感じる」と話しています。

■「4本セットで7990円」岡山倉敷市『児島ジーンズ』の“ニセ広告”

岡山倉敷市『児島ジーンズ』

 続いて、被害を訴えているのは、国産ジーンズ発祥の地、岡山県倉敷市児島地区にあるジーンズメーカーの『児島ジーンズ』です。

“こじま”を“ゴシマ”と読み間違い

(ニセ広告のナレーション)
「15年以上の経験を持つ熟練職人が、イッシンイッシン魂を込めたこのパンツは、丸の内のCEOたちが、わざわざ車を走らせて買いに来るほどの逸品で、岡山“ゴシマ”(こじま)以外には、店舗を持たない幻の名品です。4本セットなら驚愕の7990円と、1本当たり2000円を切る破格でのご提供です」

 こちらも、“おかしな日本語”と、破格の安さが気になります。

相場は一本1万円以上

 4本セットで7990円ということですが、『児島ジーンズ』の相場は一本1万円以上です。さらに『驚きの伸縮性』と書かれていますが、生地のストレッチ性は少ないということです。そして、こちらにも『百年工場』と書かれていますが、『百年工場』などは存在しません。

 『児島ジーンズ』を製造している『株式会社フック』の倉田要さんによると、「“サイト”で購入したが、商品が届かない」という問い合わせもあったといい、「動画などを見るかぎり、デニム素材ではない。真面目に作っている製造者や消費者に対して失礼だ」と話しています。

岩手県の『南部鉄器』も…

 このほかに、岩手県奥州市や盛岡市の地域ブランド、『南部鉄器』だとする販売サイトも発見しました。画面をよく見ると『高純度鉄製フライベン』という、おかしな日本語や、『“50年間損傷や錆びなし”南部鉄器の職人が手造りで鍛造(たんぞう)』と書かれています。

水沢鋳物工業協同組合・戸田努さん

 水沢鋳物工業協同組合によると、『南部鉄器』は、決められた組合に加盟した事業者のみが販売可能だといいます。特徴としては、鋳型(いがた)に溶けた鉄を流し込む鋳造(ちゅうぞう)という製法で、たたいて打つ『鍛造(たんぞう)』ではないということです。組合の戸田努さんによると、「同業者の間でも『販売に支障をきたしている』という声が相次いでいる。削除要請などをしたが、“ニセ広告”が次々に出てくるので、『いたちごっこ』だ」と話しています。

■“ニセ広告”のトレンドは、情に訴える販売手法?

「突然の契約違反により…」

 SNSを中心に広まっている“ニセ広告”の数々ですが、あるトレンドがありました。それは、情に訴える販売手法です。

 例えば、『燕三条のフライパン』をかたる広告では、「皆様のお力で、この伝統工芸を救ってはいただけないでしょうか」という文言がありましたが、『児島ジーンズ』をかたる広告でも、「先方の突然の契約違反により、千着以上も倉庫に残されてしまいました。今回は利益度外視、ただ資金を回収し、伝統を守るため、本物の職人が手がけた特上品を原価割れの底値で放出いたします」という、経営がピンチに陥ったため、商品を安く売るという筋立てになっています。

詐欺・悪質商法ジャーナリスト 多田文明氏

 こうした販売手法について、詐欺や悪質商法に詳しい専門家は、

(詐欺・悪質商法ジャーナリスト 多田文明氏)
「いわゆる相手の情に訴えて、話に引き入れてしまうと、物を売りやすくなることがあるんです」

ほとんどが中国国内の住所

 また、これらの広告を運営する業者をたどると、そのほとんどが中国国内の住所となっていました。

別の会社のはずが、同じ返信内容

 2月5日、『関の刃物』をかたる販売元に日本語で問い合わせたところ、日本語で返信がきました。商品は注文していないにもかかわらず、そこには「この度は、ご注文ありがとうございました。現在お客様の問題をより効率的に解決するために、オンラインコミュニケーション(LINE)のみを対応しています」と書かれていました。実は番組では、『燕三条のフライパン』をかたる別の会社に問い合わせしていましたが、同じリンクで、同じ内容の自動返信メールが送られてきていました。

「組織性を疑っている」

(詐欺・悪質商法ジャーナリスト 多田文明氏)
「“地域ブランド”は安心・信頼して購入しやすいので、中国の業者らは日本の地域の特性を生かした“ブランド”を悪用し、名前をかたり、だまし売りをしています。フォーマットが似通っていて、組織性を疑っています。『緊急』などの言葉で焦らせて、希少性を出したり、口コミなどの社会的評価を利用したりしながら、購入する気持ちをあおっています」

“ニセ広告”の注意点

 警察庁のホームページでは、“ニセ広告”の注意点を挙げています。まずURLに違和感がないか注目してください。さらに、極端に安い価格や、購入を急がせる表記など、不自然な日本語には注意してくださいということです。

(「情報ライブミヤネ屋」2026年2月6日放送)

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