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会見で憤りをあらわにした橋田達夫氏

【独自解説】「勅使河原、お前はそこまでやるんか!」信者の元夫が怒りの会見、“自宅アポなし訪問”に紀藤弁護士 「社会的非難に値する」

 元妻が“統一教会”に高額献金をしたことで、家庭が崩壊したと訴える橋田達夫氏。10月18日に会見を開き、教団の勅使河原本部長が「無断で自宅を訪問したこと」に対し、教団に「抗議書」を送ったことを明らかにしました。

妻が入信し離婚、長男は自殺…橋田氏を勅使河原氏が突然訪問

勅使河原氏が橋田氏自宅に“アポなし訪問”

 橋田達夫氏の元妻は、約30年前に“統一教会”に入信しました。“悪霊”を祓うため、所有していた田んぼを売却したことがきっかけで、2013年に離婚し、現在は離れて暮らしています。また長男は中学生の頃に不登校になり、成人後はアルバイトなどに就きましたが長くは続かず、両親の離婚後は母親と二男と共に生活をしていましたが、2020年に36歳で自ら命を絶ち亡くなったということです。一家の献金などの総額は、約1億円に上ります。

 10月16日、橋田氏の自宅に、教会改革推進本部の本部長を務める勅使河原秀行氏が、“アポなし”で訪れました。10月15日に高知家庭教会から「勅使河原氏が、メディアを使わないで1対1で話したいと言っている」と電話があり、橋田氏が「会えません」と断ったにも関わらず、突如勅使河原氏が自宅を訪ねて来たため、橋田氏は警察に通報。勅使河原氏はその後、警察と共にその場を去ったということです。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部弁護士

 これを受け橋田氏は10月18日、“統一教会”に「抗議書」を送ったことについて会見を開き、詳細を明らかにしました。勅使河原氏による“アポなし自宅訪問”について、全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣弁護士は、

(全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部克臣弁護士)
「16日午後4時10分頃、勅使河原氏が、アポイントがないにも関わらず、高知県にある通知人(橋田氏)の自宅を訪問し、通知人の自宅敷地内に無断で立ち入りしました。勅使河原氏は建物の中にいた通知人に対し、『1対1で話がしたい』、『マスコミにはもう出ないでほしい』などと、繰り返し申し入れてきました。通知人は、勅使河原氏によるあまりに非常識な行為に激しく動揺すると同時に、通知人の社会に対する訴えを強引に封じ込めようとする姿勢に恐怖を抱かされました」

 また、“統一教会”及び勅使河原氏に対して、「勅使河原氏による行為は、橋田氏を畏怖させるだけではなく、橋田氏の言論を封殺しようとするものであり、社会的にゆるされるものではありません」と述べ、厳重に抗議するということです。今後、教団関係者が橋田氏に対して連絡を取ろうとする場合は必ず弁護士を通すこと、橋田氏の深刻な被害を直視し、誠意ある対応を求める、という内容で「抗議書」を送ったとしています。

「そこまでやるんか!」橋田氏怒りの会見

信者の元夫 橋田達夫氏

 橋田氏は勅使河原氏の“アポなし訪問”について、

(信者の元夫 橋田達夫氏)
「15日の土曜日、1時16分ぐらいに、『16日に勅使河原さんが僕に会いたい』というお電話がありまして、僕はそこではっきりと断りました。『家の方には来ないでください』と。彼は僕の家の状況を知っていると思うんですよね。長男が亡くなっていることも知っているし、二男が苦しんでいることも知っている。だから僕は『来ないでください』と言って電話を切りました。そのまま返事も何もはっきり言いませんでしたが、16日の日曜日の4時10分ぐらいに、入口の方から敷地内に入って、『勅使河原です。橋田さんと直接会いたいと思って来ました』と言って、マスク無しで来たんですよ。それもびっくりしたし、急に来られたことがびっくりしたんです」

 橋田氏は、慌てて勅使河原氏に敷地の外に出てもらうと、自身もその場を離れ、警察に電話したと言います。警察が来るまでの約10分間、「話がしたい」、「橋田氏の話を聞きたい」、「もうマスコミには出ないでください」などと言う勅使河原氏に、「長男は恨みを持って亡くなった。僕の恨みはどうしますか」と訴えたということです。しかし、それに対する回答は得られませんでした。

(橋田氏)
「“統一教会”は、僕と反対の立場にいるわけですから、相手の家庭まで入るということは絶対にしたらいかん事なんですよ。命を落としている家庭ですから。勅使河原氏はそんなことは全く考えていない。元妻のところに居る二男から、怒りの抗議が僕の所に届いています。『なんで“統一教会”はお父さんの立場を考えないのか』と、『そこまでやるのか』という怒りがでています。勅使河原氏は自分の都合で来て、僕を封じ込めて、お金も返す気もない。何にもする気もない。ただ聞くだけ。これ以上の怒りはないです。今夜、高知に帰りますが、二男に会う勇気がありません。勅使河原、お前はそこまでやるんか!と、僕は思いました。非常識以上です」

Q.勅使河原氏の「メディアに出ないで下さい」という発言は、どのように感じましたか?
(橋田氏)
「彼らの言う通りやっていたら、密室で“統一教会”のやってきたことと同じことを繰り返します。だから“統一教会”のやっていることを本当に知って欲しいと思うんですよ、皆さんに」

Q.勅使河原氏が来られたことに対して恐怖心はありましたか?
(橋田氏)
「いやもう、恐怖心どころじゃないですよ。前日に断っているのに夕方に来て、僕はそこから24時間寝ていないです。また誰が来るか分からないと思って。ここまでやったら駄目ですよ、人間として」

Q.「抗議書」を出された、その一番の決断となったのは、どういったところでしょうか?
(橋田氏)
「決断というよりも、阿部先生なんかにも相談しまして、この方法を先生が取ってくれました。ふだん高知にいたら、こういうことはできないんですよ。せっかく東京に来ていますので。もう本当に苦しいです。勅使河原は帰ったら家族がいるけど…私の家族を“苦しい家族”にしたのは彼ですよ、本当に。だから彼にも一生償ってほしいです」

Q.勅使河原氏から謝罪はなかったのですか?
(橋田氏)
「それは、僕が彼を追及したときに二、三度ありました。『申し訳ないです』と。気持ちはそんなにないと、僕は思います。頭を下げることはなく、ただ口で『申し訳ないです』と言う感じでした」

Q.今、“統一教会”側に対して、一番求めたいことは何ですか?
(橋田氏)
「きちんと謝罪をして、顔を出して来なさいと。反論は、僕は十分メディアで聞きます。1人で聞くつもりはないです。なぜかというと、1人では判断できませんので。例えば、阿部先生なんかが本当に近くにいてくれたら、一緒に聞いてもらいたいと思っています」

紀藤弁護士「社会的非難に値する」

紀藤正樹弁護士

 この日、橋田氏と会ったという紀藤正樹弁護士は、

(紀藤正樹弁護士)
「橋田さんは二男、つまり弟さんが非常に動揺されているということをおっしゃっているんです。だから橋田さんは、すごく強く言われています。常識で考えて、謝りに行くのなら、複数の人であればまだ分かるんです。例えば勅使河原さんとスタッフの方で、手土産を用意して謝りに行くことは、まだ弁護士がついていない状態だったら、そういうことは考えられるんです。しかし、事前にお断りをしていて、それでいきなり訪問されて、結局橋田さんも弁護士に依頼するしかなくなっている状態というのは、私から見ると、橋田さんのご家族に対する動揺を、むしろ誘発させた行動ということで、社会的非難に値すると思います」

Q.橋田さんはお子さんも亡くして家庭崩壊されている、それに対してどのように償うのかというものを、勅使河原氏が用意して持っていっていたのかもわからないですね?
(紀藤正樹弁護士)
「橋田さんが非常に憤られているのは、“統一教会”が振りかざす自己責任論です。『献金は自分の意思でしょう』、『自殺も自分の意思でしょう』というような言い方を“統一教会”がしているから橋田さんが、『それは組織的にやったんでしょう』ということを言われているわけです。“統一教会”は一歩踏み込んで、これはやはり自分たちの教えとか、それを指導したことが原因で今回の事態が起きている、ということをはっきり認めて謝って、そして賠償をしないといけない、というのが、“統一教会”の本当の反省の在り方だと思います」

(「情報ライブ ミヤネ屋」 2022年10月18日放送)

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