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【混迷】エプスタイン文書公開もイラン攻撃で「国民の目をそらした」?トランプ大統領の強気な姿勢の裏でくすぶる“3つの火種”とは
2026年3月19日 UP
イランへ強気な姿勢を見せるトランプ氏ですが、その裏では政権を揺るがす3つの火種がくすぶっているといいます。“移民担当”長官の更迭劇にエプスタイン文書の公開、そして『オバマの再来』と評されるライバルの出現。これらの問題が、トランプ政権にどう影響を与えるのか、アメリカ政治に詳しい海野素央教授を交えてデーブ・スペクター氏が解説します。
■トランプ大統領の支持率低迷もイラン攻撃について共和党支持者は賛成多数?
3月9日の『エコノミスト』『ユーガブ』の調査によると、トランプ大統領の支持率は、支持が38%、不支持が58%と低迷しています。イラン攻撃について見てみると、賛成が41%、反対が59%となっています。ただ『CNN』によると、共和党支持者に限れば、賛成は77%となっているということです。
(デーブ・スペクター氏)
「トランプ大統領の行いを考えると、支持率はまだ高い方だと思います。支持率や中間選挙を色々気にしていると言いながらも、イランの政権体制を崩すことができれば“レジェンド”になれるので、それも計算していると思います。大統領でいる間だけではなく、そのあとのことも考えていると思いますね」
■トランプ政権を揺るがす火種①“移民担当”長官が交代
イランの大規模攻撃を巡って強気な姿勢のトランプ氏。そんな中、トランプ政権を揺るがす“3つの火種”が生まれています。
1つめの火種は、トランプ政権の看板政策である“移民担当”長官の交代です。トランプ大統領は、3月5日に国土安全保障長官のクリスティ・ノーム氏の解任を発表しました。移民政策を主導していた方ですが、第2次トランプ政権で閣僚が交代するのは初めてのことです。
2026年1月、米・ミネソタ州ミネアポリスで、不法移民の大規模摘発中に、アメリカ人が射殺される事件が相次ぎ、その強引な取り締まりに批判が集まり、ノーム氏は事実上の更迭となりました。
ノーム氏が解雇された理由の一つとして、広告費に約347億円(2億2000万ドル)を使ったということですが、『FOXニュース』によると、ノーム氏の側近の夫が経営する企業と契約をして、広告費の一部を身内企業に利益供与したのではないかと問題視されています。ノーム氏は3月3日の米議会公聴会で、「トランプ大統領の承認を受けた」と発言していますが、『ニューヨーク・ポスト』によると、トランプ大統領は「何も知らなかった」と主張していて、ノーム氏の発言に激怒しているということです。
(デーブ氏)
「よく見ると、iPhoneでも作れそうなものなので、とんでもないです。ノーム氏は、不法移民の大規模摘発で射殺された移民2人に対して、テロリスト呼ばわりして人権無視など、自己中心的な人なので、もっと早くに解雇すべきでしたね」
さらに、『ニューヨーク・ポスト』によると、側近と不適切な関係があったと言われています。その相手は、国土安全保障長官の特別補佐官であるコーリー・レワンドウスキ氏です。3月4日に米議会で、「性的関係があったか」と尋ねられると、ノーム氏は「タブロイドのゴミだ」と答えたといいます。匿名の情報筋によると、このノーム氏の回答が、トランプ大統領にとって最後の一撃だったということです。
■火種②エプスタイン文書の性的暴行疑惑に関する記録が公開
2つ目の火種は、エプスタイン文書です。2026年1月、アメリカの司法省はエプスタイン氏に関する600万ページのうち、300万点超えの資料を公開しました。動画は2000本、写真は約18万枚になるといいます。3月5日にトランプ大統領の性的暴行疑惑に関するFBI聴取記録が、3件公開されました。取材に応じた女性によると、1980年代初め、13歳ぐらいのころに、トランプ大統領から性的暴行を受けたと証言しています。
公開された“証言資料”について、アメリカの司法省は、「誤って非公開にされていた」と主張していて、『ロイター』によると、レビット報道官は「全く根拠のない告発だ」と声明を発表しているということです。
Q.聴取に応じた女性については、詳しいことは分かっているんですか?
(デーブ氏)
「新聞などでは特定されていますが、証言そのものの裏付けや証拠が、まだないんです。ただ、FBIが女性と4回も会っているので、何かがあるとは思います」
Q.この資料の公開で、トランプ大統領に影響はあるのでしょうか?
(明治大学 政治経済学部・海野素央教授)
「告発している女性の資料が、エプスタイン文書の調査資料の目次にはありましたが、本文になかったんです。それが『意図的ではないのか』と問題が大きくなりました。そして、そのタイミングでイラン攻撃が起きているんです。そうなると、アメリカ国民の目をそらしたと疑いたくなるわけです。結局、アメリカ国民の目も世界の目も、今はエプスタイン文書よりも、イラン攻撃に向いているので、そういう意味では、トランプ大統領は成功を収めていますね」
■火種③民主党の強力なライバル、ジェームズ・タラリコ氏が登場
そして3つ目の火種は、強力なライバルの出現です。3月3日、米・テキサス州で、連邦上院選、民主党の予備選が行われ、民主党の新星、ジェームズ・タラリコ氏が勝利を収めました。
『NBC』によると、タラリコ氏は「我々の選挙結果が、アメリカに衝撃を与えている」と言っていますが、テキサス州は共和党支持者の州です。現在、タラリコ氏はテキサス州議会の下院議員で、以前は公立の中学校教師を務めていたため、中道層からも支持を集めているといいます。『ニューヨーク・タイムズ』によると、プロテスタント(キリスト教長老派)の神学生で、人工妊娠中絶の権利擁護を訴えているとして、SNS上では『オバマ氏の再来』と注目されているということです。
『バラエティ』によると、2026年2月に、人気トーク番組『ザ・レイト・ショー』で放送予定だった対談が、急きょ、中止になったといいます。『ニューヨーク・ポスト』は、「『CBS』がトランプ大統領に配慮し過ぎているのでは?」との臆測を報じています。
(デーブ氏)
「今、『CBS』には刺客みたいにトランプの信者が送り込まれているので、忖度したと思います。本当はやっちゃいけないんですけどね」
収録された対談は、放送中止後にYouTubeで公開されると、3月9日時点で900万回以上が再生されていて、公開24時間で4億円の選挙資金が集まったということです。
(明治大学 政治経済学部・海野素央教授)
「タラリコ氏の強さは、敬虔なキリスト教徒で、トランプ大統領の支持基盤の福音派を奪うことができます。それに加えて今は物価高ですから、前回トランプ大統領に投票したヒスパニック系や黒人たちは離れているので、少数派も取れます。しかも、民主党には今、リーダーが不在なんです。民主党の顔がないので、若いリーダーを求めていて、スターが欲しいということなので、タラリコ氏は、その条件に合っているんです」
(「情報ライブミヤネ屋」2026年3月10日放送)


