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【密着】日本から54年ぶりにパンダがいなくなる…上野の双子パンダ『最後の日』アドベンチャーワールドの飼育員も“原点は上野動物園”
2026年1月27日 UP
2026年1月25日が最後の観覧日となった『上野動物園』の双子のジャイアントパンダ。1月27日に中国へ返還されると、上野から、そして日本からパンダがいなくなります。長年パンダ飼育に携わってきた和歌山県にある『アドベンチャーワールド』の飼育員も、“原点”は『上野動物園』だったといいます。別れを惜しむパンダファンが集まった観覧最終日の上野動物園に密着しました。
■1972年に日本へ来てから長く愛され続けたパンダたち
日本に初めてパンダが来たのは1972年。日中国交正常化を記念し上野動物園にやってきた『カンカン』と『ランラン』でした。パンダを一目見ようと約2キロの行列ができ、百貨店の屋上にはアドバルーンが上げられ、空前のパンダブームになりました。
2011年には、東日本大震災の影響で、都内に避難していた被災者が上野動物園に招待され、『リーリー』と『シンシン』の元気な姿に子どもたちは笑顔を見せていました。
そして2021年、上野動物園で誕生した初めての双子パンダ『シャオシャオ』と『レイレイ』はその愛らしい姿で、私たちをいつも笑顔にしてくれました。
■パンダファンも涙のお別れ「最後に良い思い出ができた」
2026年1月25日の午前9時半、パンダ観覧最終日の上野動物園では、開門前から並んでいた人たちが続々と園内へ入っていきました。
「山形から来ました。(抽選に)当たると思っていなくて、運が良かったのか当たりました」
午前10時15分にパンダの観覧がスタート。カメラで必死に撮影するファンをよそに、のんびりとひたすら笹を食べる『レイレイ』。その愛らしい姿をいつまでも見ていたいのですが、すぐにアラーム音が鳴り響きます。
(係員)
「はい。お時間です。ご移動お願いします」
見学時間は、わずか2分。すぐに次の団体が入ってきました。
『レイレイ』の次に見られるのは『シャオシャオ』です。こちらは元気に室内を動き回り、大好物の竹を前にしても跨いで、さらにウロウロし、どこか落ち着かない様子でした。この日、パンダを観覧した人は約4400人。事前抽選の倍率は 24.6倍の狭き門でした。
観覧を終え、感極まった人も…。
Q.最後に会えましたか?
(観覧を終えた来園者)
「会えました。写真を撮っているときから涙が出て、ちょっと涙で画面がボヤけて、ピンボケしていると思ったら涙でした」
Q.きょうの洋服は“パンダカラー”ですか?
(親子で来ていた来園者)
「そうです。私自身もそうですが、この子も、白と黒で合わせて“パンダコーデ”。 最後『バイバーイ』って、一生懸命に言っていました。最後に良い思い出ができたかなと思います。また帰ってきてくれたら嬉しいけど、見られて良かったね」
そして午後3時すぎには、観覧出口近くで、たくさんの方が集まっていました。
「抽選は外れて会えないんですけど、ちょっとでも近くにいたくて…」
「当たってないんですけど空気を楽しもうと思って来ました」
午後3時45分、いよいよ最終観覧となり、抽選で選ばれた100人がパンダ舎へ向かいます。笹を食べ続ける『レイレイ』。一方、『シャオシャオ』は寝ていましたが、起き上がると、元気に笹を食べる姿を見せてくれました。そして、最後の観覧が終わり、パンダ舎の扉が閉められると、一斉に拍手が起きていました。
「後ろ姿しか見えなかったけど、かわいかった。家族 が抽選当ててくれたんです。良かったぁ…涙が出そう、もう会えないから」
「かわいかった。パンダがいなくなってさみしい」
2026年1月27日に中国へ返還される双子のジャイアントパンダ。日本から54年ぶりにパンダがいなくなります。
■『アドベンチャーワールド』の飼育員にも影響を与えた上野動物園
日本屈指の“パンダ基地”として知られる和歌山県・白浜町の『アドベンチャーワールド』。
2025年6月、飼育していたパンダは全て中国へ返還されましたが、今でもパンダを応援してくれる多くのファンのためにと、『PANDA LOVE CLUB』と題して、歴代パンダ全頭の等身大パネルを展示したり、パンダ飼育員の疑似体験ツアーを開いたりするなど、様々なイベントを展開しています。
その『アドベンチャーワールド』で、長年パンダの飼育を担当してきた吉田倫子(よしだともこ)さん。原点は、『上野動物園』のパンダでした。
(アドベンチャーワールド飼育スタッフ・吉田倫子さん)
「小学生低学年のとき、家族で上野動物園へ行って、当時『トントン』というパンダがいたんですけど、同じ年生まれで誕生日もすごく近くて、興味を持ちました」
パンダの飼育を志し、大学の獣医学部へ進学。『アドベンチャーワールド』の就職面接の際には…。
(吉田さん)
「繁殖が日本で一番成功していて、飼育の頭数も多いので、すごくそこが魅力でひかれましたと伝えました」
子どもの頃から憧れていたパンダの飼育。うれしい出産に立ち会い、旅立ちの悲しさも体験してきました。
(吉田さん)
「生まれたときから見ていて、親のような気持ちでもあるので、いなくなってしまって悲しい気持ちもあるんですけど、半分はパンダたちの未来のためなので、将来、中国で相手を見つけて子孫を残してくれたらうれしい」
(「情報ライブミヤネ屋」2026年1月26日放送)


