記事

『しげよし』社長の“会見”入手

【波紋】「どんな神経してるの?」仕出し割烹『しげよし』社長の“Tシャツ謝罪”に提携店が猛反発 釈明会見で飛び出した“驚きの提案”とは?

 2024年10月に放送した、仕出し割烹『しげよし』で相次ぐ“ドタキャン”“二重払い”“提携店への未払い”などのトラブル。HPに「再発防止策を早急に講じてまいります」と掲載していた『しげよし』ですが、2025年に入ってもトラブルは続いているといいます。そんな中、社長が釈明会見を行ったとの情報が。入手した映像で語られた驚きの内容とは?元関係者らが吐露した会社の体質とは?『ミヤネ屋』独自取材です。

■ドタキャンに二重払い…老舗の仕出し割烹『しげよし』に何が?

仕出し割烹『しげよし』とは?

 全国展開の仕出し割烹チェーン『しげよし』は、明治45年(1912)創業の料亭『寿美家(すみや)』がこだわりの品々を家庭でも食べられるよう始めた仕出し割烹料理店で、お食い初め・お誕生日祝い・七五三・節句など、様々な用途の料理があります。

利用者は二重払いの被害に

 2024年10月、そんな老舗『しげよし』で“二重払い”“ドタキャン”など利用客とトラブルが相次いでいるとして、番組が取材しました。取材した利用者によると、お食い初めのためホームページを見て『しげよし』に注文し、クレジット決済しましたが、知らない料理店から電話があり、「現金で支払わなければ配達できない」と言われたということです。ネットでも、「納品2日前にドタキャンされた」「キャンセル分の返金がされていない」「問い合わせても返事が来ない」など、『しげよし』に関するトラブルが多く報告されていました。

『しげよし』の仕組み

 『しげよし』のシステムは、利用客が『しげよし』本部にクレジット決済で注文し、本部が提携店へ発注して、その提携店が利用客に弁当を納品するというものです。しかし、本部から提携店へ支払われるはずの利益の一部に未払いが発生していたため、提携店は利用客から直接代金を回収するしかなく、“二重払い”のトラブルに発展しました。

提携店も未払い被害に

 提携店に話を聞くと、「2024年3月分から振り込みされていない」「2024年9月までで約60万円分の仕事をしてきたが、本部からの支払いは一円も入ってきていない」と話していました。

なぜドタキャンは発生?

 また、ドタキャンが相次いだ背景については、「コロナが収束して本来の営業が忙しくなり、『しげよし』の発注を受けられない提携店が増えた」といい、他の店舗が断った弁当の発注が入ってくることもありましたが、60~100km離れた所から仕事が入っても引き受けられなかったといいます。結果的に引き受けられる店舗が見つからず、キャンセルになっていたということです。

元検事・亀井正貴弁護士

Q.ここまでで、法律的にはどう見ますか?
(元検事・亀井正貴弁護士)
「客に対しては、詐欺の疑いが生じる可能性はあると思いますが、一件の代金がそんなに多くなく、どの件を詐欺として捉えるかが問題です。詐欺なら“最初から給付するつもりはなかった”と立証しなければいけませんが、弁当を供給できていた案件もあるので、『やろうと思っていたが、できなかった』では、なかなか実務的な詐欺の立件は難しいです。

ただ、提携店が被害者としての詐欺なら、代金を確実に支払える目途がないにもかかわらず食品を提供させた=騙して役務を提供させたという構成ですから、理論的には刑事事件として考えられるかもしれません」

■“釈明会見”映像を入手!Tシャツ姿の社長が提案した驚愕の内容

前回の放送後も続くトラブル

 2024年10月の放送後、『しげよし』はホームページに「報道を謙虚に受け止め、事実確認・原因究明および調査を実施し、再発防止策を早急に講じてまいります」と掲載していました。しかし、2025年に入っても“ドタキャン”“返金トラブル”は続いているといいます。2025年1月に“二重払い”の被害に遭った男性は、約5か月が経っても連絡も来ず、返金もされていないということです。

『しげよし』社長が提携店に向け会見

 そんな中、『しげよし』提携店から「6月の第3週、『しげよし』を運営する『寿美家和久』の社長が提携店への釈明会見を開催した」との情報が入りました。

 その釈明会見は、希望する提携店とネットをつないでのリモート会見で、発言できるのは社長サイドのみ。参加する提携店はマイクをオフにすることを要求され、社長の一方的な発言を聞くだけの形になったといいます。

新規事業への“出資”を提案⁉

 番組は、そんな釈明会見の映像を独自入手。冒頭、社長は「昨年以降の一連の騒動や混乱により、大変なご迷惑をおかけしている店舗様がいらっしゃることは、重々承知しておりまして、不徳の致すところであり、心からお詫び申し上げます」と謝罪しました。

 提携各店への未納金が相次いでいる事態については、「今後は、トップによる直接対応体制の強化を図るとともに、返金や支払いについては、優先順位を明確にし、段階的に必ずや解消してまいります」と、具体的な支払い計画についての明言はありませんでした。

 にもかかわらず、社長は新たな弁当事業の立ち上げ計画を発表し、提携各店に新規事業参加のための費用550万円の支払いを提案したのです。

会見にTシャツで現れた社長

 このリモート会見を聞いていたという提携店の店主は、「『今回、初めて社長が表に出てくる』みたいな話があったから、どんな人か見られるのが楽しみだったが、謝罪だというのにTシャツ姿で出てくる時点で“何やねん、こいつ”という話だ」と語り、「550万円、また金を出せと言われても、僕らを利用して、借金をチャラにして、儲ける話を…どんな神経をしているのかと思う」と、憤りを示しました。

会見を聞いた提携店の思い

 また、別の提携店(被害総額約50万円)からは「一方的に謝って、こっち(提携店)側の意見は何も聞いてくれないんだ、という印象。まず、お金(の返済)が先。信用できなくなっている」、別の提携店(被害総額約140万円)からは「会社の今の状況の説明が全然されていない。(具体的な提案は)全くなく、不安のほうが大きくなった」などの声が聞かれました。

■関係者&元関係者が語った『しげよし』の実態

『しげよし』関係者が取材に応じる

 そして今回、『しげよし』の関係者と元関係者に話を聞くことができました。

Q.なぜドタキャンは発生したのでしょうか?
(仕出し割烹『しげよし』元関係者)
「根本となる部分は、売り上げが(『しげよし』から提携店に)入金されないことによって、結局やった仕事のお金を受け取れない。仕事はボランティアではないので、お店としても人が足りない中、なかなかしんどいのかなと思います」

(仕出し割烹『しげよし』関係者)
「提携店さんは、『できません』と早めに言っている方は多いです。『しげよし』の人手不足などで、結局、前日にお客様に電話どころかメールで『できません』と。悲惨なお客様の声は聞きます、『裏切られた』とか『もっと早く言ってくれれば違うお店を探したのに』とか」

電話は全て“AI留守電”

 現在、『しげよし』のホームページには複数の電話番号が記載されていますが、その全てがAIを使った留守番電話のため、要件を吹き込んで担当者からの折り返しを待つしかありません。

(元関係者)
「人手不足という部分もありますけど、この状況でかかってくる連絡は当然、返金されないお客様や売上金が支払われない店舗からの連絡なので、負い目がある状態だと、なかなか向き合いにくい体質は以前からあります」

『利益至上主義』が歯車を狂わせた?

 不誠実な対応がトラブルへと発展した仕出し割烹『しげよし』。なぜ歯車は狂ってしまったのか、元関係者は振り返ります。

(元関係者)
「急拡大を進めたときに、いろいろほころびが出てきてしまったのではないか。お客様や提携店を優先するわけではなく、どうしても利益至上主義という方向性になってきたように感じます」

■取材に対する『しげよし』の回答

取材に対する『しげよし』側の回答

 番組が『しげよし』側に取材したところ、下記のように回答がありました。

<今年になっても『ドタキャン』などが相次いでいることについて>
ご指摘いただいたような事案が一部発生していることについては、当方としても報告を受けており、真摯に受け止めております。

<客への未返金・提携店への未入金・従業員の給与未払いについて>
現在、専門家(弁護士・会計士等)の協力を得ながら整理を進めており、優先順位を明確にした上で、順次、誠実に対応を進めております。

<提携店への未入金は、いつ対応?>
今年5~6月時点での一部お支払いの遅延について、7月中には可能な限り完了できるよう、最大限努力を重ねております。

<改善策は?>
提携店舗の精査と契約解除(サービス品質や顧客対応に課題があった一部提携店舗とは契約を終了)
エリアの販売制限と集中体制の構築(一時的に全国展開を見直し、対応可能なエリアに限定。サービス品質を担保できる体制で運営)

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年7月4日放送)

SHARE
Twitter
facebook
Line

おすすめ記事

記事一覧へ

MMDD日(●)の放送内容

※都合により、番組内容・放送日時が変更される場合があります。ご了承ください。

※地域により放送時間・内容が一部異なります。