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スーツ姿で足元はサンダル

【独自解説】金正恩総書記、公的な場で相次ぐ「スーツにサンダル」 娘・ジュエ氏はパレードで前面に サンダルと娘に潜む父の不安

 公的な場に『サンダル履き』で臨む金正恩総書記の姿が、相次いで目撃されています。以前から囁かれる健康不安説の中、軍事パレードでは娘・ジュエ氏が“尊敬するお嬢様”と紹介され、ついに後継者に内定したとの説も。果たして真相は?「コリア・レポート」編集長、辺真一(ピョンジンイル)氏の解説です。

列車移動が“伝統”?金総書記が航空機を使わないのはプリゴジン氏の影響も

時間がかかっても列車移動する理由

 金正恩総書記は9月12日、平壌から特別列車で20時間以上かけ1200km以上を移動し、ロシア国内に入りました。韓国メディアによると12日午前9時すぎ、人員と物資などを乗せたとみられる北朝鮮の航空機がロシア・ウラジオストク国際空港に着陸したということですが、金総書記自身が航空機を利用しない理由は、飛行追跡アプリで飛行ルートが検知される恐れがあること、専用機の老朽化、そして先代の伝統を引き継ぐという“象徴性”からだといいます。

「コリア・レポート」編集長 辺真一氏

(「コリア・レポート」編集長 辺真一氏)
「金日成総書記の時代は一度だけ、確か休養するという形で、エシプト・サダト大統領の国葬に行ったときだけ飛行機を利用しました。2代目の金正日政権時代は、17年間一度も飛行機移動をしたことはなかったです。そして金正恩政権になって、シンガポールの首脳会談のときに中国の飛行機をチャーターして、あと中国・大連での会談のときに利用しただけで、それ以外は全て列車移動です。私が聞いたところでは、やはり安全第一だといいます。飛行機だと万が一のことがないとはいえない、ましてや直前の8月に起きたワグネル・プリゴジン氏の専用ジェット機墜落事故をみると、ますます慎重にならざるを得ないですよね」

“尊敬するお嬢様”娘・ジュエ氏に幹部が跪いた!後継者に内定か

軍事パレードで垣間見えた娘・ジュエ氏の後継者内定説

 9月9日に軍事パレードが行われましたが、2023年だけですでに3回目となり、異例の頻度です。今回の軍事パレードは労働者・農民など民間人で構成された民兵組織「労農赤衛軍」が中心となり、規模は北朝鮮人口の約4分の1となる約570万人だったということです。

 そしてこのパレードで、「朝鮮中央テレビ」が娘・ジュエ氏を“尊敬するお嬢様”と紹介しました。辺氏によると、「“尊敬する”という言葉は最高指導部のみに使われる尊称で、与正氏でさえ付けられたことがない。すでに金総書記の後継者に内定されているのでは」としています。

 また、幹部の男性がジュエ氏に跪いて話す場面があり、韓国メディアは「今まで、北朝鮮の幹部が公開行事で金総書記以外の人物の前で跪く事例は、一度もなかった」と報じました。世宗研究所のチョン・ソンジャン室長は、「未来の指導者になるために、早くから帝王学的授業を受けている」と分析しています。

にこやかに話す金総書記と娘・ジュエ氏

Q.少し前までは与正氏が出てきていましたが、軍事パレードの映像を見る限りでは姿が見えません。その代わり、ジュエ氏が金総書記にぴったりついて、手を繋いで、席も真横で、豪華なソファに座るというのは、後継者なのかなという気がしますね。
(辺氏)
「これまではお母さんも一緒で、後ろのほうに立っていたり座っていたりしたのですが、今回は前面に出てきました。私が驚いたのは、『尊敬する』という言葉が使われたことです。2023年2月の『朝鮮人民軍創建75年』の軍事パレードで一度使われて、一旦消えたのですが、また復活しました。金総書記はジュエ氏を後継者として育てよう、後継者の道を歩ませようと、内定したのではないかと思います。こういった人民軍のパレードなど、正に全人民が見ている前でジュエ氏を前面に出してきたということは、否が応でも後継者に内定したのではないかと判断せざるを得ないです」

ジュエ氏を前面に押し出す理由が『サンダル』にある?囁かれる健康不安説

金総書記、サンダル履きのナゾ

 8月の海軍視察の際、周りが全員軍服姿で正装する中で、金総書記が履いていたのはサンダルでした。また、台風被災地視察の際にもサンダル、そして遡ると2021年10月にもサンダルのときがありました。韓国・国家情報院は「金総書記が糖尿病などを患っている可能性」と分析し、韓国メディアも「サンダルは病気の影響か」と伝えています。

Q.つまり革靴が履けないということですか?
(辺氏)
「そうだと思います。暑いからといって、こういった場所でサンダルというのは考えにくいです。身長約170cmに対し体重が140kgほどあるといわれていますから、明らかに肥満体ということになります。一つ明確なことは、2014年に右足を引きずって出てきたことがあり、2017年には杖を持って出てきていますので、足が悪いということです。それが痛風のせいなのか他の疾病のせいなのかは分かりませんが。本人も一生懸命、健康には気遣っていて、ダイエットしてみたり、禁煙してみたりしていますが、いずれも失敗に終わっています。ですので、恐らくそこが一番の不安なのではないかと。だからこそ次の後継者、娘・ジュエ氏を前面に押し出してきたのではないかと思います」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年9月12日放送)

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