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【独自解説】金正恩総書記の傍らに“謎の女性”!?絶大な権力持つ「北朝鮮の黒幕」の可能性に韓国も騒然…いったい誰?噂される核実験再開は?専門家が分析
2022年4月21日 UP
故・金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年を祝うパレードが行われるなど、祝賀行事が相次いだ北朝鮮ですが、そのパレードの映像に金正恩(キム・ジョンウン)総書記に付き添う“謎の女性”がいました。一体何者なのでしょうか?さらに、再開の兆候があるとされる北朝鮮の核実験について、朝鮮半島情勢に詳しい龍谷大学の李相哲教授が解説します。
“謎の女性”の正体は?姿を現す意味は?
女性の存在が注目され始めたのは、2月26日から開かれた朝鮮労働党の党大会です。その後4月に入ってから、この女性は頻繁にその姿を現すようになっています。4月11日高層マンションの建設を祝った竣工式では、舞台上でテープカットをする金総書記を袖から見守り、その2日後の高級住宅の竣工式でも、群衆の中を歩くキム総書記を適度な距離を保ちながら見守っていました。今まで金総書記をサポートしてきた女性と言えば、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏と労働党の副部長を務める玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏などに限られていました。
Q.この女性が特別な存在であるというのは、どんな点を見て言えるのでしょうか?
(龍谷大学 李相哲教授)
「この女性は、金正恩夫妻以外は、金与正氏でさえ付けている『金日成主席と金正日総書記の肖像バッチ』を胸に“付けていない”んです。北朝鮮の人々が、この肖像バッチを付けずに外に出たり公の行事に参加するのは、まずあり得ません。今回この女性は、バッチを付けずにブローチを付けていますので、金正恩夫妻と同じくらい“わがままのきく”特別な立場の人物だとうかがえます」
Q.李教授はだれだと予想しているのですか?
(李相哲教授)
「北朝鮮の高官などの話を総合すると、この女性は金正恩総書記の異母姉に当たる『金雪松(キム・ソルソン)氏』の可能性が高いです。金雪松氏は、母親が金正日総書記の“正妻”の金英淑(キム・ヨンスク)氏で、雪松氏の名前は金日成主席が付けたと言います。金日成総合大学を卒業した後、金正日総書記の秘書役を務めました。正日総書記が最も愛した子供で、正日総書記がなくなったのは彼女の自宅だと言われています。雪松氏の姿が公になったことはこれまで一切なく、非常に謎に包まれた女性で、写真も確認できない人物です。“北朝鮮の黒幕”ではないかという見方も一時ありました。そのような重要人物が表に出てきたことにみんな驚いています」
Q.なぜ今出てきたのですか?
(李相哲教授)
「金与正氏が対米、対韓政策を統括する任務に専念するために、金雪松氏が金正恩総書記の助言役兼秘書役として表に出てきた可能性があります」
Q. 金雪松氏は金与正氏や玄松月氏より上の立場なのでしょうか?
(李相哲教授)
「今までは金与正氏と玄松月氏の上に、金正恩総書記のすべてにかかわる事を取り仕切ってきた、キム・チャンスン氏という秘書室長のような立場の小柄な男性がいて、2018年4月27日に金正恩総書記が文在寅大統領に会ったときに、その後ろをついて歩いていた与正氏を引っ張って『下りろ』と言ったくらい地位がある人物でした。雪松氏は、その人物に代わる絶大な権力のある女性かと思われます」
Q. 金雪松氏が姿を見せた意味は?
(李相哲教授)
「今まで金正恩総書記が結構うまく北朝鮮をまとめていた裏には、金雪松氏がいたと言われています。そういう人物が表に出てきたということは、政権内部に大きな動きがある証拠だと思います」
相次ぐミサイル発射…核実験再開はあるのか?
4月16日午後6時ごろ、北朝鮮は日本海に向けて2発の飛翔体を発射しました。飛距離は約110kmで高度は約25kmでした。翌日の労働新聞は『新型戦術誘導兵器の発射実験が成功した』と報道しました。戦術核運用の効率と火力任務の多角化を強化する上で、大きな意義を持つとアピールしています。
Q.これはどこをターゲットとしたものなのでしょうか?
(李相哲教授)
「飛距離から見ると、間違いなく韓国がターゲットです。マッハ4のスピードで低く飛んでいます。北朝鮮は『戦術核を運用するための実験だ』と言って韓国を脅しています」
Q.李教授は「4月中に北朝鮮が軍事偵察衛星を発射する」とおっしゃっていますが、今まで発射したものは軍事衛星だったのでしょうか?
(李相哲教授)
「北朝鮮は今まで3回人工衛星を打ち上げていますが、それが“鉄の塊”なのか、“本当の人工衛星”なのかはわかりませんが、アメリカの宇宙局は『信号は出ていない』と言っています。北朝鮮は今年の2月27日と3月5日の2回にわたって『人工衛星から信号を地上に送るテストをした』と報道しているので、今回は本当の人工衛星を打ち上げる可能性は十分あります」
Q.北朝鮮は核実験を再開してきますか?
(李相哲教授)
「今回の誘導兵器は小型核兵器(戦術核)を搭載するものですから、小型核兵器の実用化のために7回目の核実験を行うのではないかと言われています」
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年4月20日放送)


