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【独自解説】ペットも一緒に楽しめる⁉アルプスの少女ハイジがいるバー⁉大阪・関西万博、開幕まで2年…空飛ぶクルマやミャクミャクなど4つの注目ポイントと残る課題
2023年5月8日 UP
大阪・関西万博の開幕まで2年となり、会場の大阪・舞洲では工事が本格化しています。入場料の問題など課題も残る中、公式キャラクターのミャクミャクは国内外問わず大人気で超多忙!取材を続けてきた読売テレビ平田博一記者の解説です。
最先端技術がお披露目される未来社会の実験場…スイスのパビリオンは“ハイジがいるバー”⁉
秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁を務められる大阪・関西万博は、2025年4月13日から10月13日にかけて開催されます。入場者数は、2410万人が入場した『ドバイ万博(2021年)』や2205万人が入場した『愛・地球博(2005年)』よりも多く想定され、2820万人を見込んでいます。
また、『いのち輝く未来社会のデザイン』をテーマに掲げ、“未来社会の実験場”になるのではと期待されています。
Q.1970年に開催された大阪万博以降、例えば携帯電話や動く歩道など、我々の生活にも大きな変化がありました。今回も、2025年を境に、我々の生活は変わっていくのでしょうか?
(読売テレビ 平田博一記者)
「この万博では、未来社会をどう形作っていくかの“実験場”というテーマを掲げていますので、最先端の技術がお披露目される機会になると思います」
開催場所は、大阪の夢洲。島の約4割にあたる155ヘクタール、甲子園球場40個分の場所が会場になります。現在、153の国や地域が参加を表明しており、企業を含めると110を超えるパビリオンが展開予定だということです。
Q.大阪・夢洲が会場ですが、使われるのは4割程度なのですね。他はIR建設予定地ですか?
(平田記者)
「北側の部分がIRになり、東側のコンテナヤードは引き続き残るということです」
Q.153の国・地域、110を超えるパビリオンが展開ということですが、『どこの国が何をする』などの情報は入っていますか?
(平田記者)
「去年、日本で発表した第1号がスイスでした。スイスといえば、アルプスの少女ハイジということで、ハイジがいるバーが出来るのではないかといわれています」
キーワードは「未来」…ペットと一緒に楽しめる万博⁉注目したい4つのポイント
大阪・関西万博で注目したい4つのポイントを見ていきましょう。まずは、未来を実現するキーワード『Society5.0』。これは、あらゆるデータを仮想空間に集め、AIも活用しながら解析・予想・判断を行い現実世界に反映するという、“日本が目指すべき未来社会”だといいます。例えば、「スーパーコンピューター富岳」はコロナ禍で飛沫の飛散などをシミュレーションし、そのデータを“パーティション”や“換気”といった対策に活用しました。大阪・関西万博では、人の流れをAIなどでコントロールして会場内で快適な過ごし方を実現したり、世界中の人と会話できる多言語システムなどがあるといいます。
Q.AIを使って、すごく便利な社会になるということですか?
(平田記者)
「通訳の人がいらない自動翻訳できるシステムを取り入れるなど、最先端の技術を集約させて、便利に快適に過ごしてもらおうということです。最初に健康状態を読み取って、その人に合った体験をしてもらう、というようなパビリオンも考えられています」
2つ目の注目ポイントは、この万博の目玉ともされる“空飛ぶクルマ”です。会場になる夢洲と大阪市内、または関西空港を結ぶ運行計画が進行中で、新たな技術を実証する場になると期待されています。平田記者によると、技術的にはほぼ完成していて、あとは運用のルール作りだけだといいます。
Q.大阪市内や関空から、万博に“空飛ぶクルマ”で行く人が出てくるということですか?
(平田記者)
「大阪市内に関しては、すでに候補地が3か所挙がっています。具体的には、大阪城にほど近い森ノ宮、USJ周辺、あとは海遊館です」
Q.大阪城周辺から万博会場まで、空飛ぶクルマでどれぐらいですか?
(平田記者)
「大体10分ぐらいです。速い機体ですと、時速300キロぐらいで走行できるのではないかといわれてます」
Q.10年後、20年後に『一家に1台空飛ぶクルマ』という日は、やって来るかもしれませんね?
「正に“空飛ぶクルマ”というネーミングは、将来の“車のような存在”になってほしい、空を飛ぶ“クルマのような存在”になってほしいという意味で付けられました」
さらに、“未来の車”として登場する自動運転バスは、夢洲駅から会場、そして会場内を巡回します。平田記者によると、2028年度に大阪市内での実証実験を目指して開発中だということです。
(平田記者)
「これは、関西電力と大阪メトロなどが協力してやっている事業です。電気バス100台を万博会場周辺に走らせる計画が進んでおり、その一部を自動運転で走行する計画です」
3つ目の注目ポイントは、細胞と水がひとつになって生まれたふしぎな生き物『ミャクミャク』です。ぬいぐるみは発売初日に売り切れ、海外でも大人気で、すでに超多忙スケジュールという人気ぶり。
(平田記者)
「2023年4月13日、開幕まで2年というタイミングに合わせて、百貨店や公式オンラインショップでぬいぐるみが販売されましたが、公式オンラインでは販売開始からほぼ4分で完売したということです」
そして、4つ目の注目ポイントは、松井前大阪市長が肝いりで推し進める新たな試みです。それは、『ペットも一緒に万博を楽しめる』というもので、平田記者によると、すでに具体的な検討に入っており、実現する可能性も大きいということです。
(平田記者)
「松井前大阪市長が大の猫好きだということもあるのですが、今回のテーマが『いのち輝く未来社会のデザイン』なので、命あるものは皆さん一緒に来てもらいましょう!ということです」
費用に課題も…健康重視の施設が増える?いのち輝く未来社会の実現へ
夢膨らむ大阪・関西万博ですが、暗雲が垂れ込めています。メディアクリエイターの落合陽一さんなどトップクリエイター8人がテーマ事業をプロデュースすることで話題となったパビリオンでは、資材価格高騰などの影響で入札不成立が相次ぎ、今も3つのパビリオンで建設会社が決まっていません。
また、大阪府・市のパビリオン「大阪ヘルスケアパビリオン」では、すでに計画が見直されました。建設費は当初74億円という試算でしたが、建設会社の試算では194億円となり、その後見直され99億円になるも、予算オーバーに。総工費も、当初は1250億円の予定でしたが1850億円に増額する見込みで、運営費も当初800億円の予定が1.5倍に増額かといわれています。それにより、当初6000円といわれていたチケット代が、8000円で検討されているとみられています。
(平田記者)
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやディズニーランドといったテーマパーク入場料の価格帯に近い水準です。先週、万博協会の会議の中で、口頭で『8000円ぐらいが一つの目安ではないか』という話が出てきたという状況のようです」
Q.大阪・関西といえば“食”だと思うのですが、何か情報はありますか?
「大阪の企業が中心になった『外食産業協会』という協会が、食のパビリオンを出すことは発表されています。会員企業には、タコ焼きなど大阪名物を売る企業も入っていますので、大阪の良い食材を売り込みたいという思いは非常に伝わってきます」
Q.大阪ヘルスケアパビリオンは、医療系の最先端技術が出てくるのですか?
「こちらは“リボーン”、つまり“生まれ変わる”というのをテーマにしており、『iPS細胞』に関係するような展示をしたいということです。再生医療は関西の強みですので、そこを売り出していきたいということは発表されています」
Q.今回のテーマが“いのち輝く未来社会のデザイン”ということで、医療ツーリズムなどの施設も相当できると思いますか?
「どのパビリオンでも、“健康”は重視すると思います。大阪府・市のパビリオンは正にそこをテーマにしていますので、健康に関するものが、どんどん発信されていくだろうと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年5月4日 放送)


