記事
【ナゼ】「クソババア、はよ死ねよ」長年の暴言・騒音に住民恐怖 迷惑行為をしていた男性への直撃取材で明らかになった“主張”
2025年6月21日 UP
大阪の閑静な住宅街で起きたご近所トラブル。暴言や騒音で住民らを恐怖に陥れる迷惑行為を繰り返した男性は、ナゼこのような行為をしたのでしょうか?渦中の男性に直撃取材。男性の主張とは?嵩原安三郎弁護士の解説です。
■一人の男性の引っ越しがきっかけ 迷惑行為に住民恐怖
(63歳の男性)
「気色悪っ、終わってるな、この人。独り言ですよ、全て。バカな女やな、独り言!」
2024年12月に住民が撮影した映像には、カメラに向かって暴言を吐く、一人の男性(63)の姿が。全ては、この男性が引っ越してきたことをきっかけに始まりました。
(近隣住民)
「すごく大きな声が聞こえたりして、怖いなと思いながら…」
「あまり出会ったことのないタイプの人なので、えっ…ていう感じですね」
男性が住む家は、もともと男性の両親が2人で暮らしており、当時は近隣住民との仲も良好だったといいます。しかし両親が他界したあと、空き家となった住宅に、8年前に男性が引っ越してきたことにより、平和な日常は一変しました。
―迷惑行為①近隣住民を威嚇―
(63歳の男性)
「出て来いや!文句があったら出て来いや!おい、お前!警察呼べ!呼べ、呼べ!俺は逮捕されることないで。逮捕状請求せえ!何度でも逮捕されたろ。それぐらいこっちは腹くくっとんねんぞ」
近隣住民が迷惑行為について指摘すると、男性は至近距離で暴言を…。
(63歳の男性)
「終わってるで、あんた。おばちゃん、おばちゃん、クソババア、はよ死ねよ、独り言や」
―迷惑行為②宅配業者を威嚇―
男性の迷惑行為の矛先は、配達にきた宅配業者にも…
(63歳の男性)
「降りて来いというたら降りて来んかい。次から徐行せぇよ!次から徐行せぇよ!」
―迷惑行為③早朝から大音量―
ある日の午前6時台、住宅街に鳴り響く軍歌や歌謡曲。そして再び大声で喚く声が…
(63歳の男性)
「お前らな、己のやることもできなくて昭和の人間と言えるんか。恥ずかしいと思わんか!バカモノ、ハゲ!」
ほかにも、小学生などに「挨拶できないのか!」と怒鳴ったり、夜9時ごろに大音量でエンジンをふかしたりしていたといいます。さらに、住民から通報を受けて警察が出動し、男性を複数回注意していますが、その際、警察官に突っかかることもあったということです。
このような日々が長年続き、住民らは外出の際、辺りに男性がいないか確認することが習慣になっていったということです。
しかし、2024年6月、事態は急展開を迎えます。住宅の所有権を持つ男性の親族が、男性の数々の迷惑行為を知り、男性に対して住宅の明け渡しを求め、提訴に踏み切ったのです。
2025年2月に大阪地裁で開かれた第一審の判決は「近所トラブルはあったが、それは男性と近隣住民との間の問題であり、親族が男性を家から出て行かせる理由にはならない。原告(親族)の請求を棄却する」として、所有者である親族が敗訴しました。
すると、この判決を不服として、所有者(親族)側が控訴。2025年6月4日の二審で大阪高裁が下した判決は「主文 一審の判決を取り消す。男性は親族に対し建物と土地を明け渡せ」というものでした。
高裁は『家を居住のためではなく、迷惑行為を行うための拠点として使っている。使用貸借契約の目的に反する』との判断を下したのです。
さらに高裁は、所有者である親族が、男性へ“内容証明”を送ったものの、男性が受け取り拒否したことから『男性と所有者が話し合うことは不可能であり、所有者との信頼関係はもはや修復不能な程度に破壊されている』との判断を示しました。
(嵩原安三郎弁護士)
「家を貸した人間と借りた人間がトラブルになれば、追い出せることはあっても、今回は借りた人間が別の人とトラブルになっているだけという、一審はまさに形式的な判断でした。そこへ二審で出てきたのが“住居”ではなく、“不法行為を行うための拠点”という言葉。あまり法律用語で“拠点”という言い方はしないんですが、すごく良い判決なんですよ」
■迷惑行為を行っていた男性を直撃取材すると…
ではなぜ、これらの迷惑行為に至ったのでしょうか?男性を直撃してみると…
(63歳の男性)
「(近隣住民に対して)ご近所付き合いとかご挨拶、せめて口に出さないでも、会釈ぐらいしてくれよというのが本音の部分。それがきっかけにはなっていると思う。スマホをかざして、撮られたっていうのが一番。(自分のことを)『気持ち悪い』的なことをおっしゃったので、売り言葉に買い言葉みたいなところは、もちろんあった」
また、宅配業者らに対して暴言を吐くなどした理由については…
(63歳の男性)
「(宅配業者が)ちょっと無謀と思われるような運転で入って来はった時にね、子どもさんもいてはるんでね。いつ飛び出してくるか分からんからね。それはそういう気持ちからです」
男性の住む地域には『駐車禁止』などの注意喚起の看板が設置されていて、男性は「迷惑駐車の取り締まりや交通安全の取り組みを、地元警察と協力してきた」と主張しました。
また、早朝の騒音トラブルについては―
(63歳の男性)
「迷惑駐車とか(警察に)通報しても来ないケースがあったんで、110番しても(警察が)取り合わないことがあったんでね。わざと(軍歌を)かけたんですよ。そうやったら警察官が来るだろうと。いわば地域安全的な背景を理解しなかったら、なかなか皆さんに理解してもらえる話じゃないんだけどね」
Q.ご近所の方に言いたいことはありますか?
(63歳の男性)
「こちらからアクションすることはない」
また、裁判での判決を受け、反省の意思を示す場面も…。
(63歳の男性)
「当時、僕がどういう意図であったかにせよ、やったことに対しては、もう反省しています。今は現状は(トラブルは)もう一切ない」
これに対し、近隣住民の現在の心境は―
(近隣住民)
「近所の目を気にせず、自分の好きなタイミングで買い物に行き、自分の好きなタイミングで玄関を掃除したい。子どもたちも外遊びを全然しないので、これからは笑顔で走り回ってくれたら。男性が引っ越した先の(住民)こともやはり心配」
Q.男性が「過去にあったことをする気はない」と話していますが…
(近隣住民)
「それが本心だったらいいなと思うし、信じたい」
■ご近所トラブルに巻き込まれた場合の対処法は?
ご近所トラブルを経験した方に、どんなご近所トラブルを経験したかと聞くと、一番多いのが『騒音』のトラブルで、65.9%でした。では実際に、このようなトラブルに巻き込まれた場合、どうすればいいのでしょうか。
嵩原弁護士によると、まずは警察に相談をして、その中でも『#9110』という相談専用のダイヤルに電話をするのがおすすめだということです。
Q.110番になると緊急性があるため『#9110』がいいということでしょうか?
(嵩原弁護士)
「普通の人はどうすればいいか悩むと思います。一旦ここに電話して、“事件性や緊急性があるのか”や、“こうすれば良い”というアドバイスをしてくれる総合窓口なので、非常に便利です」
さらに『役所・弁護士に相談をする』、また賃貸物件であれば『大家や管理会社に相談するのが一番』だということです。特に騒音トラブルは、警察も対処・判断が難しく、被害を訴えるためには『必ず記録・証拠を残しておくこと』『周辺住民と団結しておくこと』が大切だといいます。
Q.騒音というのは、どこまでを騒音とするかというのが非常に難しいですよね?
(嵩原弁護士)
「非常に難しくて、例えば近所に公園があり、昼間子どもが遊んでいる声が、嫌な人にとっては“騒音”ですよね。でもそうじゃない人もたくさんいます。近所付き合いがある人が、多少ピアノを弾いていても気にならないけど、全く付き合いのない人が、昼からピアノを弾いていると気になる。なかなか客観的な判断がしにくいのが騒音問題の一番難しいところになります」
Q.記録・証拠はスマホで撮っておいてもいいんですか?
(嵩原弁護士)
「音だけでも録画でもいいですが、相手に分かるように撮ると、怒ってくる人もいるので、スマホで録音するのが、一番手軽だと思います」
(「情報ライブミヤネ屋」2025年6月13日放送)


