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【北京五輪】人類史上初! 異次元の大技で逆転の金メダル スノーボード・男子ハーフパイプ 平野歩夢 決勝で何が起きていたのか… スペシャリストが解説します!
2022年2月14日 UP
2月11日、北京五輪スノーボード・男子ハーフパイプで、前回、前々回と銀メダルを獲得した平野歩夢選手が、大技トリプルコーク1440(フォーティーンフォーティー)を決め、金メダルを獲得しました。今回の決勝の詳しい解説を、トリノ五輪 スノーボード ハーフパイプ日本代表の成田 童夢さんにしていただきました。
公式戦初成功トリプルコーク1440とは
Q.スローを見てもよくわからないのですが、平野選手が人類初めて公式戦で成功させたという、トリプルコーク1440とは?
(成田 童夢さん)
「まず、真後ろに回転しているわけではありません。斜めにひねりを入れながら縦に3回転しています。そして最後にスイッチと呼ばれる、自分の得意と逆の方向に着地をするので高い得点になります。公式戦で成功しているのは平野歩夢選手だけなんです。それを3本連続というのは、あり得ないと思いました。」
なぜ2回目ではスコッティ・ジェームス選手に及ばなかったのか?
Q.2回目、人類史上初のトリプルコーク1440を3回失敗なく決めたのに、1位のスコッティ・ジェームス選手に及ばなかったのはなぜですか?
(成田 童夢さん)
「私も最初見たときには、これはいったなと思いました。ただ後ほどVTRを確認したところ“高さ”、そして着地の“ずれ”着地の“位置”というふうなものが、スコッティ選手のほうが上回っていました。平野選手の2回目の時には、着地で雪煙が上がっていました。5回のうちで3回か4回あるんですが、この雪煙が『回り切れていない』とカウントされてしまったんです。」
Q.3回目は完ぺきだったんですか?
(成田 童夢さん)
「はい、完璧すぎて非の打ちどころのない演技でした。雪煙も上がっていません。さらに高さが上がっているんですよ。そして大逆転です。」
Q.平野選手がインタビューの中で「2本目の得点には納得していなかった、(3本目は)その怒りをうまく表現できた」といいましたが…
(成田 童夢さん)
「私がみるに、ジャッジが平野歩夢選手に“挑戦状”をたたきつけたんじゃないかと感じています。3回目の演技を、2回目の演技の難易度を高めるのか、完成度を高めるのか、そこが平野選手に求められたところだったんですが、しっかりと完成度を上げるという平野選手の“アンサー”が生きんだと思います。」
Qここで難易度の高い新技を入れてこなかった訳はなんでしょう?
(成田 童夢さん)
「ここで新しい技を見せると、転んでしまう可能性があったんですね。次は2回目の演技よりも高く飛んで、安定度も出せると感じたと思います。」
Q.平野選手はこれから世界のスーノボード、ハーフパイプを引っ張っていく人になったんですよね。
(成田 童夢さん)
「現時点で最高峰ですし、このトリプルコーク、ダブルコーク異次元回転のフルコースを見せつけたというのが、彼のすごいところです。」
Q.4年後はまたとんでもない技が出てきますか?
(成田 童夢さん)
「可能性は否定できないです。1440の次は1620という技がありますので、これをハーフパイプの中で繰り出すのが、また平野歩夢選手かもしれませんし、それ以外の選手かもしれません。」
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年2月11日放送)


