記事
【ナゼ】「墓に入った後も仲良くしていこうという、“ご近所付き合い”」同じ敷地内にお墓を持つ人たちが交流を深める“墓友”が増加中 多様化する令和の“お墓事情”
2025年5月15日 UP
近年、高齢者の一人暮らしや孤独死が、増加している日本で、同じ敷地内にお墓を持つ“墓友”が増えています。多様化するお墓事情やその注意点などを紹介します。
■同じ場所に眠る仲間“墓友”が増加中 生前から交流を深めるワケとは―?
2025年4月7日、東京・町田市の一軒家には、ランチを食べて雑談したり、好きな本を紹介し合ったりと、終始、和気あいあいの年配の男女の姿がありました。
この人たちの関係、それは…“墓友”です。
(50代)
「“墓友”っていう形で、同じ敷地内にお墓を持つ者として、お互いお墓に入ったら、その後も仲良くしていきましょうねっていう“ご近所付き合い”みたいな」
この日、集まったのは同じ霊園に眠る予定の“墓友”。一体なぜ、生前から交流を深めているのでしょうか。
(70代)
「よそで自分の余命とか、延命治療について話をすると、真面目な顔でなかなか話せないじゃないですか。ここでは本当に真面目に、死生観について話し合える。それによって気持ちも安らぐ」
いずれ、同じ場所に眠る仲間同士で会話し、体験を共有することで、死への不安が軽くなるといいます。
参加者の女性に霊園を案内してもらいました。丘の下に大勢の人たちと埋葬される樹木葬。女性は夫が他界した際、『認定NPO法人エンディングセンター』が運営に携わるこちらのお墓を契約しました。そして、すぐに“墓友”仲間たちと料理や手芸などを楽しむようになったといいます。
(80代)
「普通、そんなふうにお墓で友達ができるとか、墓石のお墓に行って隣の人とお付き合いなんてことは起こらないでしょ。『あら、じゃあ私、あなたの隣だわ!町内会で言ったら、もうお隣だわ』『よろしくね』なんて言って、あっちに行って何の付き合いもしないと思うけれど、そのぐらい、やっぱり安らぎがあるんですよね」
近年、高齢者の一人暮らしや孤独死が、増加の一途をたどっている日本。エンディングセンターは、老後に不安を抱える人たちのよりどころとして、 “墓友”の集いを開催しています。読書会や合唱会に、リフレッシュとしてヨガや太極拳などのサークル活動、さらにおひなさま会やクリスマス会など、季節に合わせたイベントまで、現在100人ほどが“墓友”活動に参加しています。
(認定NPO法人エンディングセンター・井上治代理事長)
「どこかで“自分のことを思う人がいる”っていうことが、すごく幸せなことなの。だから一人じゃない。誰かが自分がちょっとつらかったら、『大丈夫』って言ってくれる人が、自分にはいるんだっていうことがすごく大切」
■「死んだ後も一緒にいたい」仲良くなった“墓友”と共同墓地に 一緒にお墓を買う場合の注意点とは?
高齢者施設で仲良くなった入居者から「入居者同士で仲良くなったので、死んだあとも一緒にいたい。共同墓がほしい」との要望があり、『一般社団法人コミュニティネットワーク協会』では、共同墓地を設置しているといいます。各所で年1回合同供養祭を開催し、墓友同士で思い出や近況を語り合っているとのことです。
“墓友”と一緒にお墓を買う場合は下記の注意が必要です。
●事前に親族の理解を得ておく
●“墓友”同士、お参りしやすい場所を選ぶ
●費用の負担の詳細を決めておく など
(「情報ライブミヤネ屋」2025年4月18日放送)


