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【韓国】疑惑の前ファーストレディーがついに逮捕 “統一教会”関与疑惑に新情報も…夫のユン前大統領は取り調べを全力拒否⁉国民もあきれた“抵抗術”とは
2025年8月20日 UP
様々な疑惑があった尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏が逮捕されました。“大統領夫妻の逮捕”は韓国憲政史上初めてのことです。一部の疑惑に関与が取り沙汰されている”統一教会”その真相は?さらに夫のユン前大統領も拘置所である騒動が…。『コリア・レポート』編集長・辺真一氏の解説です。
■韓国憲政史上初めての“大統領夫妻の逮捕”
株価操作疑惑やブランド品受け取り疑惑など、実に16の疑惑が取り沙汰されているユン前大統領の妻、キム・ゴンヒ氏。
(キム・ゴンヒ氏)
「国民の皆さんに、私のような何でもない人間がご心配をかけ、心より申し訳ないと思います。しっかり捜査を受けて出てきます」
特別検察官の聴取を受けるため、公の場に姿を現しました。韓国メディアによると、聴取は約7時間半にわたって行われましたが、キム・ゴンヒ氏はすべての疑惑について否定したといいます。
すると2025年8月13日未明に、斡旋収賄などの疑いで逮捕されました。任意による聴取で進展が見られなかったため、検察は逮捕して強制捜査に切り替える構えだということです。大統領経験者の妻が拘束されるのは、韓国の憲政史上初めての事態です。
取り調べでキム・ゴンヒ氏は、『容疑ごとに分けて取り調べをしてほしい』『日程の間に3~4日間の休養が欲しい』『午後6時までに終了すること』と異例の要求をしています。初日の取り調べは10時半から午後6時までで、休憩は午前1回、午後は3回取り、その後帰宅しているということです。
Q.午後6時までというのは早い方なのですか?
(『コリア・レポート』編集長・辺真一氏)
「早いです。取り調べは本人が同意すれば深夜まで行われるので、それを午後6時で打ち切りというのは、検察からすると話にならないと思います。大統領夫人ということもあり、こういう要求も通るだろうということで提案したと思います」
Q.16の疑惑の中で、一番の本丸はどれですか?
(辺氏)
「中でも今、一番焦点になっているのは、“ドイツモーターズ株価操作”と、“統一教会の贈り物授受”です。これが今、キム夫人に重くのしかかっています」
■新たな録音データに自白書も…統一教会の関与は?
さらに、一部の疑惑を巡って取り沙汰されているのが、世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の関与です。2025年8月8日には秘書室長が出頭しています。“統一教会”の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁から指示を受けたと見られていて、カンボジア事業やテレビ局買収に便宜を図るよう、ユン夫妻に依頼したと見られています。
新たに録音データが出てきています。“統一教会”元ナンバー2の本部長は逮捕されていますが、贈り物として、キム夫人に高麗人参のお茶を贈ったといいます。そのやりとりの中で、本部長が「ハン・ハクチャ総裁もこれを飲んで体調がよくなった」と話し、キム夫人が「ありがとう」と返している録音データが見つかったということです。
さらに、2022年にNATOの晩さん会で着用した高級ブランド『ヴァンクリーフ&アーペル』のネックレスは約600万円で、韓国では50万円を超える金品について、申告が義務づけされていますが、申告されていませんでした。2022年当時は知人から借りたと釈明していましたが、2025年7月には一転して「模造品を購入した」と話しています。
そして、そのネックレスについて、新たに、建設会社会長がキム夫人にネックレスを贈り、その見返りとして、娘婿を首相の秘書室長に任命するよう依頼していたという情報が出てきました。2025年8月11日、建設会社会長は特別検察官に自白書を提出していて、“自身がヴァンクリーフ&アーペル製のネックレスを購入し、キム夫人に贈った”という内容でした。NATOの晩さん会のあとにキム夫人から返却されていて、保管していたネックレスの実物も提出しているといいます。
(辺氏)
「ここから、“統一教会”関連のダイヤモンドネックレスの疑惑も浮上したんです。キム夫人がスペインに行ったときに身に着けていたものは、建設会社会長が『自分があげたものだ』と言いました。しかし、“統一教会”の当時のナンバー2である本部長は、キム夫人の『友達から借りたものだ』という発言を聞いて、『ファーストレディーが友達から借りたものを身につけているのはあんまりだ。買って差し上げよう』ということで、本部長がイギリス製のダイヤモンドのネックレスを渡したという話が、連続して持ち上がってきたんです。
キム夫人は、このネックレスについて『友達から借りた』『母親にプレゼントするために、2010年に香港に行って買った偽物だ。本物じゃない』と、証言を二転三転させました。それが今回、建設会社会長が『自分が買って差し上げた』と自白したことで、裁判所側が、キム夫人は証拠隠滅するおそれがあるということで、身柄を拘束したんです」
Q.ハン・ハクチャ総裁も、今後取り調べの対象になるのでしょうか?
(辺氏)
「もうすでに、ハン総裁の秘書室長でナンバー2と言われている人が、すでに検察で事情聴取をされ、近々、逮捕・拘束されるという情報が流れています。そうすると次は、ハン・ハクチャ総裁ということになります。その理由は、高級ネックレスも、シャネルのカバンも、高麗人参茶も全て『ハン総裁の許可をもらって行なった』と自白している以上、ハン総裁から話を聞かなくてはならないというのが、今の検察と特別検察チームの考え方だと思います」
■ユン大統領は拘置所で取り調べ拒否!?国民もあきれる“抵抗術”
一方、自身が出した“非常戒厳”に関連して、2025年7月に2度目の逮捕となり、ソウル拘置所に収容されている、夫のユン前大統領は一体どのような生活を送っているのでしょうか。
この夏、厳しい暑さに見舞われているソウルですが、韓国メディアによると、約4畳の独房にはエアコンがなく、あるのは扇風機のみだといいます。カメラによる24時間の監視体制が敷かれていて、シャワーを浴びられるのは週に1度だけ。食事は1日当たり約580円で、朝食には、ミニチーズパン、蒸しジャガイモ、ミックスナッツなどが提供されているといいます。
この報道に、ネット上では「この暑さではエアコンはつけるべき」「わが国の前大統領なのに品格は守ってあげないと」という哀れむ声も聞かれました。
そんな中、拘置所で騒動も。特別検察は別件の取り調べを行うため、再び逮捕を試みますが、1回目(2025年8月1日)は、ユン前大統領は下着姿で床に寝転び、頑なに拒否したため失敗してしまいました。さらに逮捕状期限日に、椅子に座るユン氏を約10人で車に乗せようとしましたが、ユン氏が頑なに拒否。そこで椅子ごと持ち上げて連れていこうと試みましたが、ユン氏が床に落ち、痛がったため、断念したということです。
これに対し、ネット上では「2025年なのに韓国は時代に逆行しているな」「情けない…!」など、韓国国民のあきれた声が上がっていました。
(「情報ライブミヤネ屋」2025年8月13日放送)


