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鎌倉がオーバーツーリズム対策も…

【独自解説】「圧倒的に不十分」1200万円でオーバーツーリズム対策も“効果なし”?国主導のキャンペーンは「ほとんどの人が知らない」 いったいナゼこんなことに…鎌倉・江の島人気観光エリアのイマ

 鎌倉・江の島が観光客の分散化に力を入れ、その対策として1200万円を投資しました。しかし検証結果は“効果なし”?いったいナゼ?オーバーツーリズム解消のための今後の課題とは―?

■鎌倉で人気観光ルートの混雑解消のために国交省が1200万円をかけキャンペーン実施も「今、初めて知りました」

鎌倉・江の島エリア

 歴史的遺産や、豊かな自然に恵まれた鎌倉・江の島エリア。年間の観光客数約3100万人。日本屈指の観光地として賑わいを見せ、経済が回る一方で、観光客による過度な混雑や違反行為が相次ぎ、オーバーツーリズムが問題視されてきました。そこで対策として2024年11月から2025年2月にかけ、国交省が推奨してきたのが、観光客の流れを分散させることです。

人が集中する右回りルート

 一般的に人が集中するのは、江ノ島電鉄を使い、鎌倉駅から海沿いに江の島方面へ向かう右回りのルート。鎌倉大仏や長谷寺、人気漫画の聖地など、人気のスポットが並び、午前中に鎌倉、午後は江の島に人が集中する傾向があるといいます。

国交省は左回りルートを推奨

 一方、国交省が勧めるのは、藤沢駅や大船駅から江の島方面へ行き、その後、鎌倉方面へ行く左回りのルート。人の流れを分散させ、混雑を減らす狙いです。

「今、初めて知りました」

 国交省はこの左回りルートを1200万円かけPRしてきましたが…。

Q.国が推奨しているみたいですが、ご存じではないですか?
「今、初めて知りました」
「知らないです」

 取り組みを知らない人たちだらけでした。

「鎌倉は閉まるの早い」

 左回りルートについて聞くと…。

「鎌倉は閉まるの早いんですよね。江の島から回って鎌倉に戻って来ると、お店が閉まっちゃってることが多いんで、私だったら鎌倉からで、江の島で最後ご飯食べて終わりって感じ」

 鎌倉を後回しにする左回りだと、店が閉まってしまうという意見が…。

左回りだと夕景が見れない…

「江の島とかは、夕日とか、夜のほうがキレイなので、考えてると、自然に右回りになっちゃうかな」

 さらに左回りだと、時間的に美しい江の島の夕景が見られないという声もありました。

■国も「分散化に効果があったといえるまでは検証できなかった」と継続断念…今後の課題は?

オーバーツーリズム対策に1200万円

 そして国はオーバーツーリズム対策で、キャンペーンを実施。2024年11月から2025年2月に、観光客の分散を促すため、左回りのコースを推奨していました。キャンペーンとして特設サイトの開設やデジタルスタンプラリーなどを行い、投資額1200万円かけたということです。

元ユニクロ最年少執行役員・神保拓也氏

Q.2024年11月から2025年2月で投資額1200万円とのことですが、この期間について、どう思いますか?
(元ユニクロ最年少執行役員・神保拓也氏)
「経営的な視点で申し上げると、こういう結末になってしまうのは、やる前からある程度分かっていたなと思っていて、本気でやるんだったら、3か月というキャンペーン期間は、浸透するには圧倒的に不十分で、ほとんどの人が知らない。私も神奈川出身ですけど、全くそんなキャンペーンをやっていることを知りませんでした。なので、今回のキャンペーン上、無理があったなと思う」

左回りコースの利用者は伸びず…

 2025年3月26日、国交省がオーバーツーリズム対策を考える協議会を開きました。このキャンペーンによって、特設サイトは4000人が閲覧、スタンプラリーには3000人が参加したといいます。左回りコースの利用者は、2025年1月時点、2024年の同じ月に比べて1.3%の増加に終わったとのことです。

 国交省は「分散化に効果があったといえるまでは検証できなかった」として、この事業を継続する予定はないとしています。今後の課題としては情報発信の強化、混雑緩和対策の推進を挙げています。

(神保氏)
「今、王道になっているのは、鎌倉から長谷寺・大仏・稲村ヶ崎・江ノ電の鎌倉高校前があってという、スポットが全部集積しているので、それに匹敵するものを左回りのルートにも生み出していくという発想じゃないと、ちょっと難しいと思う」

(「情報ライブミヤネ屋」2025年4月9日放送)

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