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【4月から】『年収の壁』“新ルール”で手取りアップや年金増額になるも…食料品値上げ&原油高で家計負担はさらに増える?
2026年4月11日 UP
4月から暮らしに関わるお金のルールが変わりました。年金が増額し、問題となっていた『年収の壁』には“新ルール”も追加され、手取りが増えるといいます。一方で、収入は上がるものの、食料品の値上げに加え、イラン情勢の影響などもあり、家計の負担が増える不安も…。経営コンサルタント・坂口孝則氏が、新年度のお金事情を徹底解説します。
■年金支給額が増額も物価高であまり変わらず…?
4月からの年金支給額は、『国民年金』の場合、2025年度は月6万9308円でしたが、2026年度には、月7万608円と、1300円上がります。
『厚生年金』(夫が基礎年金+厚生年金で妻が基礎年金)の場合は、月23万2784円から、月23万7279円となり、4495円上がることになります。
年金は4年度連続で増額しています。『国民年金』でみてみると、2022年~2026年の間に、5792円増額されています。そして『厚生年金』だと1万7686円増額されています。
Q.年金が上がるのはうれしいですが、今の物価高だとあまり意味がないですよね?
(経営コンサルタント・坂口孝則氏)
「2022年から2025年ぐらいまでで、物価全体で9%上がっています。食費でいうと20%ほど上がっているので、見た目の金額は上がったものの、“楽になった”という感覚はないんじゃないかと思います」
■食料品が一気に値上げ!さらにイラン情勢で負担増の恐れも…
『帝国データバンク』によると、4月に値上げされる食料品は2798品目です。2026年1~4月には4271品目が値上げされていて、6割以上が4月に集中しています。
Q.やはり年度替わりで上がるんですね
(坂口氏)
「年度替わりが一番理解されやすいというのがありますけど、大体2~3か月前に卸売りとの価格交渉が始まります。妥結して、大体4月から一気に値上げが増えるということなんですが、重要なのは、まだイラン情勢の影響前ということです」
値上げの例ですが、『日清食品』のカップ麺・即席袋麺などは希望小売価格から5~11%、『日清オイリオ』の家庭用食用油が8~14%、『味の素』のマヨネーズは約6~10%、『森永製菓』の菓子類は約6~40%の値上げとなっています。
Q.油由来のものは、まだまだ上がる可能性があるということですか?
(坂口氏)
「そうですね。今、原油を全く使わない商品って少ないと思いますので、本命は夏から秋にかけて、もう一段、値上げの波が来ると思います」
『第一生命経済研究所』の永濱利廣氏によると、1月に発表された2026年の家計負担額は、一人当たり、前の年より2万2000円上がり、4人家族の場合は、8万9000円上がると発表されました。そして「イラン情勢により、原油高や円安が続けば、負担額が一人当たり1万2000円増える恐れもある」ということです。
年金の支給額は、賃金や物価の変動に応じて年に1回改定されます。2026年の基準は、物価変動率が3.2%で、賃金変動率が2.1%となり、この2つから低いほうを基準に年金額が決まるため、2.1%となります。さらに年金が増える場合は、年金財政健全化のために、『マクロ経済スライド』が発動し、上昇率が抑制されるということです。
これにより、2026年の年金上昇率は、『国民年金』が1.9%、『厚生年金』は2.0%アップとなりました。
政府の物価高対策ですが、まず消費税減税は2年間食料品の税率0%を目指しています。2月27日、高市首相は実施の時期について「2026年度中になることも可能性としては否定しない。秋の臨時国会に提出したい考え」を示しています。ただ、財源は年間5兆円程度が必要だということです。坂口氏によると「短期的な効果は見込めるが、中長期的には今後の物価上昇を考慮すると、効果が薄れるだろう」ということです。
そして、消費税減税後に導入を検討しているのが、『給付付き税額控除』で、所得税減税と現金給付を組み合わせたものだといいます。例えば10万円の給付付き税額控除の場合、納税が10万円を超えている人は、まず10万円が減税され、超えた分を納税します。納税が5万円の方は5万円が減税され、5万円を給付でもらうことができます。納税なしの方は10万円が給付されるということです。
■『年収の壁』に新ルール追加で手取りがアップ!
そして『年収の壁』にも新しいルールが追加されました。中小企業のパートなどに社会保険料が発生する基準の『106万円の壁』については、3月31日に解消されました。
しかし、社会保険料が発生する基準の『130万円の壁』と、所得税の支払いが発生する基準の『178万円の壁』については、年収の壁を超えると扶養から外れてしまいます。そのため社会保険料と税金の支払いが発生し、手取りの減少が問題となっていて、制度の見直しが進んでいます。
そんな中、『130万円の壁』に“新ルール”が追加されました。これまでは契約時の給与に一時的な残業代などを合わせて130万円を超えるか否かということでしたが、4月からは、“契約時の給与のみ”で判断することになり、残業代などは、そのまま自身の手取りになるということです。
しかし、このルールには注意点もあります。給与以外(不動産や株など)の収入がある場合と、不定期な労働は、年間の収入見込みが計算しにくいため適用外となります。経営コンサルタントの坂口氏によると、「通勤手当やボーナスは法律上、賃金と定められている。契約時の内容をしっかりとチェックする必要がある」ということです。
(坂口氏)
「突発的な残業が出来るようになったことで、わざと低めに契約を設定して、ずっと残業させていた場合は“恒常的な残業”となってしまい、『ウソをついている』ということになるので注意が必要です」
4月からの収入の変化を例で見てみると、扶養に入っている40代女性が、時給1300円で月80時間労働していた場合、これまでは、給料124万8000円と残業代36万円で、総支給額は160万8000円でした。130万円を超えているため、扶養から外れ、国民年金や国民健康保険で合計37万5180円が引かれ、手取り年収は123万2820円となっていました。
しかし4月からは、124万8000円の“給料のみ”で判断されるため、130万円を超えていないと判断されます。扶養も外れないため、国民年金や国民健康保険も引かれず、手取り年収はそのまま160万8000円になるということです。
Q.残業代がとても多くなった場合はどうなりますか?
(経営コンサルタント・坂口孝則氏)
「雇用する事業者側が、多くなった理由を証明しなければいけません。証明できなければ、ある種の認可が取り消されたりします」
(「情報ライブミヤネ屋」2026年3月30日放送)


