記事

名古屋城木造復元を目指す河村市長

「平等とワガママを一緒にするな、我慢しろ」名古屋城エレベーター撤去問題の討論会で飛び交った車いす利用者への差別発言、河村市長は「熱いトーク良かった」と話し後日陳謝

 2023年6月現在、名古屋市は“河村たかし市長、肝いりの一大事業”として、総工費500億円をかけた名古屋城天守閣の木造復元を計画しています。しかし、その名古屋城のエレベーター設置の可否を巡り、市民討論会で、車いす利用者に対して差別発言が飛び交う論争が勃発しました。同席した河村市長は差別発言をスルーし、「熱いトークがありまして、良かったですね」などと発言。その後、陳謝しましたが、車いす利用者らの怒りは収まらず、波紋が広がっています。

名古屋城の歴史

 名古屋城は、1612年に徳川家康によって建てられ、1945年の名古屋大空襲で焼失。その後、1959年に天守閣が鉄筋コンクリートで再建されました。江戸時代初期に建てられた当時の資料が多数現存する数少ない城の一つで、市は「城を忠実に復元するため、現在設置されているエレベーターを設けない方針」だと発表しました。

市民討論会での発言

 この方針に、車いす利用者らは猛反発。エレベーター設置の可否を問う市民討論会では、車いす利用者らと、エレベーター設置に反対する参加者らとが対立し、大論争が勃発しました。

「今まであったエレベーターをなくすというのは、我々障害者が排除されているとしか思えない」(車いす利用者)
「平等とワガママを一緒にするな。ピラミッドを改修するときに、エスカレーターを付けようと言っているのと一緒。どこまで図々しいの?我慢せえよ」(エレベーター設置に反対の参加者)
「生まれながらにして、不平等があっての平等なんです。無料でエレベーターが動くわけがない、電気がいる。そのためには人も必要。だから、エレベーターは必要ない!」(エレベーター設置に反対の参加者)

 この他にも障害者を差別するような発言が相次ぐ事態となり、中には過激な発言に拍手をする参加者もいたということです。河村市長もその場にいましたが、差別発言が出た時に討論を止めることも注意することもせず、最後に「熱いトークもありまして、良かったですね」などと発言しました。この対応が波紋を呼び、市民討論会の数日後、河村市長は陳謝する事態に…。

「言われているような差別発言があったとすれば、『それは遠慮してくださいよ』と、咄嗟に言えるかどうか分かりませんけど、注意するべきだった」(名古屋・河村たかし市長)

 ところが、「エレベーターの設置を求める団体」の怒りは収まらず、「差別は許さない」として、13日に名古屋市役所前で緊急抗議集会を開きました。さらに団体は名古屋市に対し、第三者委員会の設置と原因究明・再発防止を求めました。河村市長も「丁寧に対応する」としましたが、肝心のエレベーター設置問題については、今も先送り状態のままとなっています。果たして今後、河村市長の考えは変わるのでしょうか?

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年6月21日放送)

SHARE
Twitter
facebook
Line

おすすめ記事

記事一覧へ

MMDD日(●)の放送内容

※都合により、番組内容・放送日時が変更される場合があります。ご了承ください。

※地域により放送時間・内容が一部異なります。