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7月21日の新規感染者数

【独自解説】急拡大の“第7波”、コロナは「ありふれた病気」になったのか? 専門家「感染者数で一喜一憂する段階ではない」注意すべきは「ハイブリッド感染」

 連日、過去最多を更新する“新型コロナ”の新規感染者。7月21日には、東京でついに3万人を突破し、過去最多を更新したのは全国35都府県に上りました。“第7波”の感染急拡大が進む中、政府はどのような対策をとるのでしょうか。また、都民の100人に1人が感染しているというコロナは、「ありふれた病気」となったのでしょうか?関西福祉大学の勝田吉彰(かつだ・よしあき)教授が解説します。

濃厚接触者の待機期間短縮へ

 政府は濃厚接触者の待機期間を、現在の7日間(抗原定性検査で2回陰性なら5日目~解除)から、5日間(抗原定性検査で2回陰性なら3日目~解除)に短縮する方向で最終調整に入ったということです。

関西福祉大学 勝田吉彰教授

Q.この待機期間の短縮についてはどう思いますか?
(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「良い事と言うよりも選択肢がそれしかなくなってきていると思います。ゼロリスクを目指して、1例も起こってはならぬという話だと、いつまで経っても事が進まないわけです。だから現実を見て仕方なく認めましょうか、というニュアンスだと思います」

バイデン大統領も感染

 アメリカのバイデン大統領は、7月20日に鼻水・倦怠感・咳などの症状が現れ、翌日検査をしたところ、コロナ陽性が確認されたということです。ただ7月22日には、自身のTwitterにマスクを外した笑顔の写真を公開し、「私は元気だ」「忙しい!」といったメッセージを発信。動画も公開し、元気な様子をアピールしています。

Q.バイデン大統領は相当気を付けていますよね?それでも感染してしまうのですか?
(勝田教授)
「相当気を付けていると同時に、相当なリスクもあります。政治家というのは全ての人とソーシャルディスタンスを取るということはできませんから、リスクも高い。それは間違いないと思います」

Q. これだけの人が感染しているのは油断してはいけませんが、本当に「恐ろしい病気」なのか、「ありふれた病気」なのか、という考え方で、見え方が全く違うと思いますが?
(勝田教授)
「『ありふれた病気』になるのがゴールですが、今はそこにいく途中です。コロナウイルスは7種類あって、4種類は『ありふれた病気』になった。そこまでは進んでいるのですが、まだ『ありふれた病気』まで到達はしていないです。そして、これから私たちは頭を切り替えないといけないのですが、コロナの感染者数を見て一喜一憂する段階では無くなりつつあります。他の感染症2~3種類に同時にかかって発熱したりする、『ハイブリッド』に気を付けるという発想が、これからは必要だと思います」

Q.現場を見る勝田先生の体感では、今はオミクロン株以前と比べて重症者の数は多いですか?
(勝田教授)
「まだ今のところは多くはないが、多くなるかもしれないという感覚はあります。このまま感染者が増えても全く大丈夫、という感じではないです。今後をしっかり見ていかないと急激に増えてしまうと思います。それから医療関係者への感染も多いですから、医療関係者一人に対する負担が、相乗効果でグワッと上がってしまうのも目に見えてきています」

東京・大阪・沖縄の病床使用率(7月21日時点)

Q.沖縄県の病床使用率はかなり高いのですが、入院基準は全国で同じなのですか?
(勝田教授)
「基準としては、中等症以上という基準があって、全国で同じです。ただ、運用上基準を満たしていても入院できない都道府県もあれば、自由にできるという所もあるので、実情にはバラつきが出ています」

Q.重症化リスクがあって入院した場合、何日くらいでリスクがなくなったと分かるのですか?
(勝田教授)
「症状に合わせて様々な薬があるので、その経過を見ながら、例えばレントゲンを見て肺炎の像が減ってきているとか、そういった客観的な指標を見ながら判断します。どうしても人間を相手にしていますので、一律に日数で切ることは難しいです」

Q.コロナだけではなく、他の緊急の病気があっても、コロナが原因で入院できなかったり、受診を控えたりすると危険だと思うのですが?
(勝田教授)
「それが一番危険なことです。今の“第7波”の中で、一番起こって欲しくないことです」

(情報ライブ ミヤネ屋 2022年7月22日放送)

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