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韓国で注目の“ヤングリッチ”に密着

【独自取材】30歳で年商120億円!韓国で注目される“ヤングリッチ” 巨額資産を持つカリスマ社長が今も店のトイレ掃除を率先して行うワケ

 韓国で今、大注目されている“ヤングリッチ”。若くしてお金持ちになった人たちのことなのですが、今回はその中でも代表格とされるカリスマ経営者を密着取材!見えてきたのは、超学歴社会の中で若者たちに芽生え始めた“ある変化”でした。ドン底生活から巨万の富を稼ぐまでになった男性の、驚きの考え方とは―。

30歳で年商120億円 “ヤングリッチ”の実情

カリスマ経営者のチェ・ヘソン氏(30)

 6つの事業を展開する会社社長チェ・ヘソン氏(30)は、年商120億円を売り上げるカリスマ経営者で、まるで芸能人のような人気ぶりです。彼のように、若くして巨万の富を得た若者たちを韓国では“ヤングリッチ”と呼び、メディア取材が殺到するなど大注目されています。しかし、彼は共働きの一般家庭の出身で、ドン底の貧乏生活も味わいました。いかにして彼は“ヤングリッチ”へと上り詰めたのでしょうか。

チェ氏が経営する居酒屋「1943」

 チェ氏が経営するのは、居酒屋「1943」。ミラーボールやシャンデリアなど、SNS映えする高級感あるインテリアが若者を中心に支持を集め、韓国全土に100店舗以上を展開する大人気の飲食店です。取材当日、約5000万円の超高級車に乗り、颯爽と現れたチェ氏。腕には高級腕時計が光ります。

Q.店のコンセプトは何ですか?
(チェ・ヘソン氏)
「インテリアは高級にしているんですけど、若いお客さんが来て、リーズナブルな料理を楽しめるお店にしています」

看板メニュー「ロゼパスタチキン」

 クリームとトマトの2種類のソースで作られた「ロゼパスタチキン」は、特に女性に人気のメニュー。圧倒的なボリュームで、3人前1万4900ウォン(約1490円)です。韓国風のピリ辛チキンに洋風のチーズソースがよく合う、お酒が進む一品。他にも、鶏一羽を丸ごと煮込んだ韓国の定番鍋料理 「タッカンマリ」や、魚介のすり身を使った韓国風おでん、さらに日本のつまみの定番「たこわさ」、イカが丸ごと1杯入った長崎ちゃんぽんなど、日本のメニューも取り入れています。

Q.量も多いし値段も安いので、味はどうなのかなと思っていましたが、本格的ですね。
(チェ氏)
「味には、やっぱりこだわっています。量がいっぱいあると、若いお客さんがお酒をたくさん飲んでくれるので」

Q.売り上げは、1年間でどれくらいありますか?
(チェ氏)
「全部合わせると、1200億ウォン(約120億円)です」

「ブランディングツール」だと言う高級車と腕時計

Q.誰もが羨む生活を送られていますが、ご自身が“ヤングリッチ”と呼ばれることを、どう思いますか?
(チェ氏) 
「仕事だと思っています。高級車も腕時計もマーケティングの一部で、全て自身のブランディングツールです」

 「趣味が仕事」だと言うチェ氏は、自らの足で店舗へ行き、厨房で料理の味を確認。CEO自らテーブルの後片付けや、トイレ掃除まで率先して行います。

Q.トイレ掃除までする社長は、なかなかいないのでは?
(チェ氏)
「恥ずかしいことではないと、アルバイトの子たちに教えるために自らしているんです」

なぜ企業のトップがここまでやるのでしょうか? それは彼の生い立ちにありました。

金に苦労した幼少時代、大学を中退し起業

出身は共働きの一般家庭

Q.起業したときは、ご家族や周囲から援助してもらったんですか?
(チェ氏)
「全くないです。うちは裕福ではなかったですし、職場でケガをした父の手術費が高額で、家のお金が全てなくなって、すごく苦労しました。私も配達やチラシ配りをはじめ、眠らずにたくさんのバイトをやっていました。中学生の時から働いて、父の手術費の足しにしないといけない、というような状況でした」

 韓国は“格差社会”“学歴社会”というのは有名ですが、昨今の若者の考え方は少し違うようです。日本の東大にあたるソウル大学の学生に話を聞くと、「学歴が100%ではなく、自分がどういう経験を重ねてきたかというのが重要」との声が。成均館大学のグ・ジョンウ社会学教授によると、今の韓国には未来に希望を持てない若者が多く、一獲千金を狙う風潮があるといいます。一般家庭の出身、大学は中退、飲食店のアルバイトとしてキャリアを始めたチェ氏の今の成功は、こういった若者たちのロールモデルです。

(チェ氏)
「僕は、経験が重要だと思うんです。ビジネスをしたければアルバイトとして先に経験をするとか、若い時に多くの経験をしてこそ、しっかりとした土台になります」

当時の給料は約16万円

 大学を中退したチェ氏がアルバイトとして働いていたときの給料は、日本円で約16万円だったといいます。ですが、店を持ちたいという夢があった彼は、毎月その中から半分以上の額を積み立てました。そして約2年後、25歳の時に貯金総額は約400万円に到達。その資金を基に友人らと起業し、韓国・アンサンに「1943」1号店をオープンしました。

「仲間がいてこそ成長できる」成功の秘訣と今後の目標

「1943」大阪・難波店

 起業から約8年たった今、飲食店のアルバイトだった青年は飲食業界のカリスマ的存在になりました。年商は日本円で約120億円、韓国国内で100店舗以上を展開し、大阪・難波に出店した店舗も連日大賑わい。その成功の裏側には、若者ならではの大胆な戦略があります。その1つは、5~6か月ぐらいで新メニューを作成することです。

Q.5~6か月というスパンに、何か意味はあるんですか?
(チェ氏)
「お客さんの好みもすぐに変わるので、半年ぐらいでメニューを変えないと、流行についていけないんです。最近はライバル店と重なるメニューも出てきているので、常に新しいメニューを開発しないといけません」

 さらに、「1943」のホームページでは、店舗ごとの売り上げを隠さず公表しています。

Q.なぜ、売り上げをお客様が見られるようにしているのですか?
(チェ氏)
「公表することで加盟店同士の競争心も高まりますし、そこでお互いの意見を話すことが、店の発展につながっているんです。飲食業界は2年で寿命といわれている中、我々は4年トップにいます」

 また、チェ氏の会社の特徴として、従業員の若さが挙げられます。「これからは若い人が社会を回す」という会社コンセプトを掲げており、従業員のほとんどが20~30代。メニュー開発室長、マーケティングチーム長、統括本部長(デザイン・インテリア担当)など、重要なポジションをチェ氏と同世代の若者たちが務めています。彼らが目指すのは、チェ氏のような“ヤングリッチ”です。

自身の高級車の前でポーズを取るチェ氏

Q.ヤングリッチになれる成功の秘訣は、何だと思いますか?
「どんな職場や職種でも同じだと思うんですけど、本当にプライドを持って仕事をしてほしいです」

Q.韓国は“格差社会”だと言われますが、それは努力で乗り越えられると証明したんですね。
(チェ氏)
「私は、チャンスは皆に同じように来ると思います。準備ができている人だけが、そのチャンスをつかめると思うので、格差社会だと考えずしっかり準備をすれば、誰でも成長できると思います。

Q.今後の目標はありますか?
(チェ氏)
「売り上げを兆単位まで上げてみたいです。それと、従業員たちが私ぐらいの位置まで上がってきてほしいです。彼らが成長したら、もっといろんな道が広がると思います」

Q.「自分がどうなりたい」などは、あまりないんですか?
(チェ氏)
「一人では絶対に限界がありますので、周りに同じ考えを持った仲間がたくさんいてこそ、自分も成長できると思います」

(情報ライブミヤネ屋2023年3月31日放送)

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