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値上げラッシュに負けない“激安”のカラクリとは?

【独自リポート】行列ができる話題の「ローカルスーパー」〈前編〉 開店前に大量陳列!店内はBGMもポップもなし!? “激安”を実現する、目からウロコのカラクリとは

 値上げラッシュが相次ぐ中、長~い行列が絶えない人気のスーパーがあります。そこには、あっと驚く激安商品がズラリ!今年、東京に新しくできた超激安のローカルスーパーでは山積みの野菜が次々と売れていきます。値上げラッシュに負けない“激安”を実現できるカラクリとは一体どんなものなのでしょうか?大手スーパーとは一味違う、行列のできる「ローカルスーパー」の人気の秘密を徹底取材しました!

ついに東京進出!“激安”に執念を燃やす「ローカルスーパー」

行列ができる超激安スーパー「フーコット 昭島店」(東京・昭島市)

 都心から、車で約1時間。到着したのは、東京・昭島市にあるスーパー。

(東ふきリポーター)
「こちらを見てください!お客さんの長い長い列が、オープン前からできています!」

 開店10分前、お店の前にはお客さんがずらり。その後も続々と集まり、開店時には約500人の大行列になりました。こちらは埼玉県にあった1号店に続き、2022年3月にオープンした「フーコット・昭島店」です。買い物に来たお客さんが口をそろえて絶賛するのは…。

(買い物客)
「とにかく安い!」
「野菜とか魚とか肉とか、全般的に安いのでよく家族総出で来ています」
「まとめて買うと、他のスーパーとでは3000円近く差があって、本当に全然違います。本当に安いです。並んでも価値のあるお店です」

 その“安さ”です。早速にお店に入ると…そこには驚きの空間が広がっていました!

東ふきリポーターもびっくり!広々とした店内

(東ふきリポーター)
「うわー!お店、広いですよ。まるで海外のスーパーマーケットみたいです!」

 思わず圧倒される売り場面積は、テニスコート13面分となる約3300平方メートルにおよびます。最初に向かったのは、青果コーナー。すると、目に飛び込んできたのは大量に並べられたバナナでした。

大量に並べられたバナナ…しかも安い!

(東リポーター)
「この値段!えっ!安い!うわー、これはお買い得!」

 なんと、フィリピン産のバナナにキュウリ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツ、山形県産のサクランボ「佐藤錦」、どの商品も超激安です。

精肉・鮮魚も安い!(※6月取材時の値段です、店舗によって値段は異なります)

 もちろん、安いのは青果だけでなく、料理に欠かせないお肉やお魚も驚きの価格で販売しています。あまりの安さに次々とお客さんの手が伸びていきます。お客さんに話を聞くと…。

(東リポーター)「今日は何を買いましたか?」
(買い物客)「サクランボです」
(東リポーター)「サクランボ、安かったですもんね?」
(買い物客)「安いですよね!野菜がほとんど安いですよね、キュウリとか。品物がいいですよね」

 中にはこんなお客さんも…。

(買い物客) 
「私は元八百屋だから、いい悪いはすぐにわかるじゃないですか。ここは特に新鮮だし、値段も安いから利用しています」

 元八百屋さんも “品質”そして”安さ”に太鼓判を押していました。

一体ナゼ?“値上げ”時代に「安いワケ」

フーコット笠井規弘常務取締役に安さのヒミツを聞く!

 一体なぜ、このような価格が実現できるのか…「フーコット」の笠井規弘常務取締役に、そのワケを聞きました。

(フーコット 笠井規弘常務取締役)
「大量に山積みしている陳列、これも安さの理由の1つなんです」

 確かに店内を見渡すと、どの商品も山積みになっています。これが“安さの理由”とはどういうことなのでしょうか。謎を解くカギは、開店前にありました。

午前7時 売り場でスタッフが“山積み陳列”していく

 開店3時間前の午前7時、青果コーナーではスタッフたちが陳列作業を行います。大きなバナナの陳列棚には次々と商品が並べられていき、キャベツ売り場でもどんどん商品が積み上げられ、“山積み陳列”が完成しました。そして、お店がオープンすると…これからお客さんが来るというのに、スタッフが帰宅してしまいました。実は、これがポイントでした。

(笠井さん)
「開店前に販売する量の大半を陳列してしまい、開店後は開店前の半分ぐらいの人数で運営しているんです」
 
 開店後の商品補充を最小限に抑え、営業時間にはスタッフを半分ほどに減らして人件費を削減し、その分を価格に反映していました。しかし、こんなに大量陳列するとたくさん売れ残ってしまうのではないのでしょうか?

(笠井さん)
「曜日の予見、天候の予見、店の販売数量をバイヤーが分析して、売れ残らない数を狙って仕入れをしています」

山積みのキャベツ…閉店30分前に完売!

 実際にこの日の売り場を見てみると、山積みだったキャベツを次々とお客さんがカゴに入れていき、閉店の30分前に最後の2つが売れ、見事、売り場が空っぽになりました。キュウリも順調に売れていき、閉店15分前に完売しました。こうして、廃棄ロスを生まないことも安さに繋がっているのです。

 安さの秘密は他にもありました。飲料品など、常温で販売できる商品は、冷やさずに常温で販売することで、電気代などのコストをカットしています。これにより、どれも激安価格となっているのです。

 さらに!あくなき安さへの執念で、こんな事までしていました。

(笠井さん)
「店内ご覧いただいて、一般的なスーパーマーケットにはあるけど、ここにはないなと感じるものはありますか?」
(東リポーター)
「店内が結構シンプルでさっぱりしている点でしょうか?」

店内には「商品ポップ」や「ポスター」が見当たらない

(笠井さん)
「そうなんです。私たちの店では、販促物や販促媒体物をほとんど取り付けておりません」

 一般的なスーパーで、よく目にする商品のポップやポスターを「フーコット」では、制作コストや付け替えの手間を減らすため、一切取り付けていません。実は新聞広告もなし、店内BGMすら流さない徹底ぶりです。

一番人気「お惣菜コーナー」

 そして、最後に案内されたのは約130種類もの弁当やおかずが並ぶ、「フーコット」でも大人気の「惣菜コーナー」です。ここでも、注目すべきは、そのお値段!

(東リポーター)
「ロースかつ重が298円?安い!のり弁当に入っている鮭が大きくて、分厚くて、349円。ちょっと感動しちゃいますね!」(※6月取材時の値段です、店舗によって値段は異なります)

 こんなに安いと、気になるのはそのお味です。東リポーターが試食させてもらいました。

ボリューム満点の「ロースかつ重」

(東リポーター)
「カツが分厚い、すごいですよ、ずっしりとしています。いただきます…お肉もジューシー!卵もふんわりしていて…このボリューム、このおいしさ!」

 味もおいしくて、ボリューム満点!それでも、こんなに安い理由は何なのでしょうか?

(笠井さん)
「こちらは1つ1つ、店内でお作りしているんですけども、比較的、作業工程の少ない品揃えにしています。例えば、丼物は作業工程が少ないので比較的少ない人数で大量に製造できるというのも、安さに繋がっています」

 さらにコストを抑える努力はこれだけにとどまらず、営業時間を午後7時までにすることで、人件費や電気代を削減。そして、レジの精算を“現金のみ”にすることで、クレジットカード会社や電子決済会社に支払う手数料を無くしています。

買い物を終えたお客さんも「大満足!」

 買い物を終えたお客さんに話を聞くと…。

(買い物を終えた客)「全部で13000円ぐらい買いました。安い感じはしますよね。商品をスイスイ取っちゃうみたいな」

(買い物を終えた客)「妻と一緒に来たんですけど、色々いっぱい買っちゃいました。安いからまた来ちゃう。家計に優しいかなと!大満足です!」

 行列ができる話題のローカルスーパー、後編は山間にポツンと建つ店に全国から客が殺到!?安さではなく“異次元のクオリティー”が売りの情熱スーパーをご紹介します。

(情報ライブ ミヤネ屋 2022年7月1日放送)

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