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【韓国・山火事】「事故が起きたら、どうするつもりだ」消火用の水を運搬中のヘリコプターを前に球を打つゴルフ客&炎が迫る中で営業を続けた近隣ゴルフ場に批判殺到
2025年4月16日 UP
甚大な被害をもたらした、韓国史上最悪の山火事。そんな中、韓国国内で熱が高まっているという『ゴルフ』を巡り、批判が殺到しています。一体、何が?『コリア・レポート編集長』辺真一氏の解説です。
■火が迫る中で営業 “キャンセルできない”ゴルフ場に物議
韓国の山火事は、慶尚南道(2025年3月21日)・慶尚北道(同月22日)など合わせて5自治体で発生し、現在は全て鎮火しているということです。死者31人・負傷者44人(同年4月2日現在)、住宅被害4000棟以上(同月3日現在)、焼失面積は約4万8000ヘクタール(東京23区の3/4)となり、韓国政府は「過去最悪の被害」と発表しました。
そんな中、慶尚北道にあるゴルフ場が、山火事が目の前で起きている状況で営業し、非難が殺到。同年3月25日、ゴルフ場で働くキャディーが、「勤務中に山火事で死ぬところだった」と山火事の動画をネットに投稿しました。
キャディーによると、前日“ゴルフ場近くの高速道路を規制する災害メール”が届きましたが、火事当日、キャンセルできなかった55組が来場。キャディーは、「私が勤務するゴルフ場は本来、予約のキャンセルができない」と話しています。
そして、営業を進めていると、昼すぎに突然、暗い煙と大きな灰が落ち始め、風も強く吹いていて、火が近付いてきました。しかし、客と相談をしていると、職員から早くプレーするように言われたといいます。
キャディーによると、「私が担当した顧客は、払い戻しも受けずに、そのまま逃げてしまった。休業はできなくても、予約のキャンセルができないのは本当にとんでもないこと。ゴルフ場は全焼したそうだ」ということです。
(『コリア・レポート』編集長・辺真一氏)
「この状況下で強行した理由は、韓国人特有の“大丈夫精神”、ハングルでは『ケンチャナ』というんですけど、“まさか自分がこうはならないだろう”というバイアスみたいなものが働いたからだと思います。このゴルフ場では、午後3時に一旦中断して皆を帰らせたんですが、ゴルフ場の経営者がヤバいと言うのでキャディーをみんな呼び出して、夜の10時まで消火活動をさせたというんです。その結果が全焼ですから、もっと早い段階で対策取ればいいのに、キャディーたちは大変だったと思います」
■山火事被害に国民が心を痛める中、無神経な動画投稿・正当化に批判集中
また、別のゴルフ場では、ゴルフ客にも非難が殺到しています。韓国・京畿道のゴルフ場で、近くで発生した山火事の消火活動のため池の水を運搬中だったヘリコプターの前で女性がゴルフを続ける動画がSNSに投稿され、批判が集中。動画投稿者は、「ヘリコプターの音が聞こえる中でゴルフをして気が散ったが、鎮火して本当に良かった。ゴルフ場の池がこのようなことに利用できるとは、初めて知った」とコメント。
これに対しネットでは、「消防ヘリが飛んでいる方向にボールを打つなんて…事故が起きたら、どうするつもりだ」「水を運ぶためにヘリが低空飛行しているのに、その方向にボールを打つのか」など、批判の声が殺到しました。
一方、動画投稿者は、「あなたなら6番ホールでプレーを終え、家に帰ります?」と自身を正当化。さらに、「私の球がヘリコプターに当たると思いますか?当たるはずがない。ヘリコプターの位置はティーショット地点から距離も遠いし、ヘリコプターは高い所を飛んでいた」と反論しました。
『聯合ニュース』によると、ゴルフ場は「ヘリコプターが消火活動をしていても、プレーは継続して行われる。危険だと思ったら、キャディーが様子を見て中断させることはある」としています。
(辺氏)
「これは本当に無神経ですね。今、この慶尚北道の山火事で避難している人が約4万人いて、経済的損失もすでに1000億円超といわれています。国中が非常に心を痛めている中で、こういう動画を上げてしまうわけですから、私からすると一つの韓国の恥です」
( 「情報ライブ ミヤネ屋」2025年4月3日放送)


