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『おたる水族館』で貸し出しベビーカーが相次ぎ未返却

【物議】「お客様を疑うことはしたくない」“7万円”ベビーカー相次ぐ未返却に『おたる水族館』が悲痛な声 無料の貸し出し傘や買い物カートなど“返って来ないもの”は日本全国で…専門家「性善説が成り立たない社会になってきている」

 無料で貸し出したベビーカーが返って来ず、「返却してほしい」と投稿したXが話題になった『おたる水族館』。年間40万人が訪れる人気水族館があげた悲痛な叫びに、波紋が広がっています。その後どうなったのか?X投稿後の反応は?弁護士・本村健太郎氏の解説です。

■水族館の貸し出しベビーカー未返却問題 X投稿は「短期間で相次いだため」

中には約7万円のベビーカーも

 北海道・小樽市の『おたる水族館』では、一台約7万円のものもあるという『無料貸し出しベビーカー』2台が、2025年2月・3月と相次いで未返却となっています。

『おたる水族館』の投稿(Xより)

 同年3月23日、この事態を公式Xで公表。『おたる水族館』の担当者は、「点検中にベビーカーがないことに気付いた。短期間で相次いだため、理事長に相談し、Xに投稿することになった」と話していて、現在も情報は得られていないということです。

■持って帰ったなら『窃盗罪』だが…「お客様を疑うことはしたくない」と慎重な姿勢

使用者記録の仕組みはなかった

 『無料貸し出しベビーカー』は9台ありましたが、2台が未返却のため現在は7台に。ベビーカー本体に館名や「貸出用」の表記はありますが、使用者記録の仕組みはありませんでした。備品の貸し出しは車いすよりもベビーカーのほうが多く、全て出払うときもあるということです。

弁護士・本村健太郎氏

Q.仮に誰かが持って帰っているとしたら、窃盗になりますか?
(弁護士・本村健太郎氏)
「窃盗罪です。今回はそっと返却してもらえれば済む話かもしれないですけど、本来なら、こういうことがあったら警察に通報して、被害届を出さないといけないことになります」

おたる水族館の悲痛な声

 『おたる水族館』の担当者は、「数日なくなったり、敷地内の遊園地で見つかるケースはあったが、ここまで長期間なくなることはなかった」と話す一方、「今後、敷地内で出てくる可能性もある。お客様を疑うことはしたくない」としています。ただ、“借りた場所に返す”のが決まりであり、“敷地内で見つかったからいい”というわけではありません。

■「性善説が成り立たない社会に…」貸し出し継続予定も盗難・紛失防止策を検討

寄贈や“対策”提案の声多数

 『おたる水族館』は2025年3月26日、ホームページで“声明”を公表。Xの投稿後、ベビーカー寄贈の申し出や“対策”提案などが多数寄せられているということですが、水族館側は「お言葉だけありがたく頂戴いたします」としています。ベビーカー貸し出しを中止する予定はなく、盗難・紛失防止策を検討しているということです。

Q.対策には、何が求められますか?
(本村弁護士)
「一番オーソドックスなのは、借りる人に住所・氏名・連絡先を書いてもらうことです。それだけですごくプレッシャーだから、こういう被害は半減するとは思います」

性善説が成り立たない社会に…

 『無料の貸し出しの傘』『備え付けのトイレットペーパー』『買い物かご・カート』など、“返って来ないもの”は『おたる水族館』以外でも。防犯アドバイザー・京師美佳氏は、「盗まれるかもしれない可能性を考えて、対応することが必要。以前のような性善説が成り立たない社会になってきている」との見解を示しています。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年3月28日放送)

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