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【重要指名手配】「八田與一よ 隠れるな、今すぐ出頭するんだ」大分県警が新たに動画を公開 『別府ひき逃げ事件』容疑者の目撃情報6000件超も、いまだ逃走中…続く遺族の訴え「これは『殺人』であって、ただの『ひき逃げ』じゃない」
2024年8月13日 UP
2022年6月、大分・別府市で起きた“ひき逃げ”で、当時男子大学生だった2人が死傷した事件。現在も逃走を続ける重要指名手配犯・八田與一容疑者について、大分県警が新たに動画を公開しました。「これは『殺人』であって、ただの『ひき逃げ』じゃない」―遺族がそう訴える背景とは?あの日、一体何があったのか―。
「八田與一、この顔見たら、110番」大分県警が新たに指名手配動画をYouTubeなどで公開
-(大分県警が新たに公開した指名手配動画より)
-「八田與一、この顔見たら、110番。現在逃走中の八田與一に関する情報は、大分県別府警察署まで」
2024年8月、大分県警が公式YouTubeなどで新たに動画を公開。
-(大分県警が新たに公開した指名手配動画より)
-「大分県別府市の県道上で、大学生2名を死傷させ、現場から逃走した」
情報提供を求めるのは、2022年に発生したひき逃げ事件で重要指名手配されている八田與一容疑者(27)です。
-(大分県警が新たに公開した指名手配動画より)
-「八田與一の特徴は、身長175cm。体は中肉で、顔は切れ長のつり目。そして、特徴的な耳」
ナレーションで八田容疑者の特徴を伝え、情報提供を呼びかけ。動画の最後には、警察からのメッセージが―。
-(大分県警が新たに公開した指名手配動画より)
-「八田與一よ。隠れるな。この動画をみているなら、今すぐ出頭するんだ」
事件の概要と、防カメが捉えた八田容疑者の足取り
事件が起きたのは、2022年6月29日。大分・別府市の交差点で、赤信号で止まっていた2台のバイクに、軽乗用車が衝突。バイクに乗っていた男子大学生1人が死亡・1人がケガをしました。
車を運転していた八田容疑者は、被害者らを助けず逃走したとみられています。その姿が複数の防犯カメラに捉えられていて、足元をよく見ると靴を履いておらず、裸足の状態でした。八田容疑者は多くの車が行き交う国道を横切り、海の方向へ。
その先のヨットハーバーで見つかったのが―。
(『読売テレビ』西山耕平ディレクター/2024年6月に現地を取材)
「逃亡から2日後、事件現場から約2km離れた海岸で、事件当時八田容疑者が着ていたとみられる特徴的なTシャツが脱ぎ捨てられているのを、警察が発見しました」
警察は付近を捜索しましたが、手掛かりは見つからず、八田容疑者の行方はわかりませんでした。
「これは完全な殺人」と遺族の悲痛な訴え…ひき逃げ事件初の『重要指名手配』
事件発生から1年以上が経った2023年9月、警視庁は八田容疑者をひき逃げ事件としては初となる『重要指名手配』に指定。懸賞金は最大800万円で、全国から情報提供を呼びかけています。
また、遺族や友人たちも早期解決を願う『別府願う会』を設立し、街頭やSNSを通じ、懸命に情報提供を呼びかけています。
こうした中、事件発生から2年が経った2024年6月、遺族側が警察へ要望書を提出。求めたのは、八田容疑者の捜査容疑を『ひき逃げ』から時効のない『殺人罪』へ切り替えることでした。
-(遺族のコメント/2024年6月)
-「一体いつまで、私たちは八田與一を追い続けるのだろう。終わりの見えないこの苦しい活動を、いつまで続けなければいけないのだろう。どうかお願いです。『救護義務違反』ではなく、時効のない『殺人罪と殺人未遂罪』に早く切り替えて、全国での全力捜査・事件の早期解決を望みます」
(亡くなった大学生の父親)
「これは『殺人』であって、ただの『ひき逃げ』じゃない。凶器を車に変えただけで、これは完全な殺人だと、ずっと主張してきました」
事件は、『ひき逃げ』ではなく『殺人』―遺族の悲痛な訴えの背景には、事件があったあの日、もう片方のバイクに乗っていた男子大学生の重要な証言がありました。
『意図的に追突した可能性』捜査関係者が示唆する背景に、ケガをした大学生の『重要証言』
(被害に遭った大学生)
「八田がスピーカーですごく大きな音を鳴らしていて、それをちょっと不審に思った(亡くなった)彼が八田を少し見た。それにカッとなったかわからないが、(八田容疑者が)言いがかりをつけてきて…」
トラブルが起きたのは、ひき逃げ現場から約370m離れた商業施設の駐輪場。
(被害に遭った大学生)
「15~30秒ぐらいの、すごく短いやり取りだったと思います」
亡くなった大学生は、その場で八田容疑者に謝罪。友人と一緒に、バイクで商業施設をあとにしました。
(被害に遭った大学生)
「僕がすごく覚えているのは、アクセルをすごく踏む音がして、バイクのミラーで『これ、何かおかしいな』と思ってパッと見たら、もうヘッドライトがすぐ近くまで来ていて、『ヤバい』と思って、一緒にいた彼に伝えなければと思って彼のほうを見たら、もうその瞬間には突っ込まれて…最後に目が合って、それが最期でした」
捜査関係者によると、八田容疑者は速度制限40km/hの道路を時速100km/h近くで走行。さらに、ブレーキ痕がないことから、意図的に追突した可能性があるといいます。
遺族らは、八田容疑者が「故意にはねて殺した可能性が高い」として、殺人と殺人未遂の容疑で刑事告訴。『道路交通法(ひき逃げ)』のままだと時効は7年ですが、『殺人罪』が適用されると時効が撤廃されます。
しかし、現在も『殺人罪』への切り替えは行われておらず、遺族側からの要望が続いています。
情報提供は、大分・別府警察署(0977-21-2131)まで
捜査を続ける警察は2024年6月、逃走を続ける八田容疑者の新たな似顔絵を公開。長髪や髭を生やしたり眼鏡をかけたりした現在の風貌を想像したものです。
2024年7月末までに寄せられた目撃情報は、6127件。事件があった大分県だけでなく、関東を中心に全国各地から「八田容疑者に似た人を見た」などという情報があるといいますが、いまだ見つかっていません(2024年8月9日現在)。
現場から逃走し、2年以上。八田容疑者は、どこにいるのか―。
情報提供は、大分・別府警察署(0977-21-2131)までお願いします。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年8月9日放送)