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インドネシア・バリ島を緊急取材

【緊急取材】各地で起こる抗議デモ、シャッターが下りた繁華街…華々しく開催G20の裏にある“人気リゾート”バリの厳しい現実

 現在、G20首脳会議が行われているインドネシア・バリ島は、日本から直線距離で約5500km離れたアジア有数のリゾートです。美しい海と豊かな自然が魅力で“コロナ”前の2019年には、日本から年間約26万人が訪れていた人気の観光地でした。今回G20が華々しく開かれる一方で、“コロナ禍”やウクライナ侵攻は、この南国の地にも暗い影を落としているといいます。現地からリポートしました。

観光客激減…活気を失った観光地

シャッターが閉まった店が並ぶクタ地区

 G20の会場から約13km離れた、人気観光地のクタ地区。バリ島は“コロナ”の影響で観光客が激減したということで、クタ地区のメインストリートでは、シャッターが下りている店が多く見られました。開いていた観光客向けの美容サロンで、オーストラリアからの観光客と店員に話を聞いてみると…

観光客の少なさを実感

Q.クタ地区は以前と比べて変わりましたか?
(オーストラリアからの観光客)
「観光客は少ないですね。以前は、この通りは人混みで真っ直ぐ歩けませんでしたが、今はとても静かです」
(美容サロンの店員)
「この店は、ほぼ2年半閉まっていましたが、4月からやっと再開しました。しかし、まだまだ完全には回復していません。以前と比べたら20%ぐらいです」

ビーチでの売り上げも激減

 バリ屈指のサーフィンスポットとしても有名な、クタビーチでも…
Q.コロナの影響はありますか?
(バリ島民の男性)
「コロナが流行してから、あまり日本人を見ていないです。オーストラリアの人はたまに来ますが、そんなに多くはないですね。今は日本人が減っているので、売り上げがダメになりました」

こうした中、11月に、成田空港からバリ島への直行便が、2年半ぶりに再開しました。現地では、日本人観光客に期待を寄せているということです。

ガソリン価格高騰…各地で抗議デモも

国民の主な移動手段はバイク

 インドネシアでも、ウクライナ侵攻の影響で物価高が深刻化しているといいます。バリ島は、電車やバスのような公共交通機関が充実しておらず、バイクが多くの国民の移動手段として使われています。こまめに給油する必要性から、小さな売店の軒先でもガソリンが販売されているのですが…

ガソリン高騰を話す現地の店員

(ガソリンスタンドの店員)
「前までこの店では、1ℓ当たり1万ルピア(約100円)だったのが、1万5千ルピア(約150円)まで値上がりしました」
(男性客)
「勤務先のホテルまでバイク通勤をしているのですが、ガソリンが高いけどどうしようもありません。仕事のためにバイクが必要だし、ガソリンがないと仕事ができません」

 インドネシア政府は9月に、ガソリンなどの燃料価格を約3割引き上げることを決めました。インドネシアは産油国ですが、石油の国内需要の増加で、消費が産出量を上回り、輸入に頼らざるを得なくなっているのが実情です。

各地で相次ぐ抗議デモ

 このガソリン価格の急騰で、インドネシア各地で抗議デモが相次いでいるといいます。こうした動きを受け、インドネシア政府は、ロシア産石油の輸入を検討しているとのことです。現地の報道では、ロシアが30%ほどの値引きを前提に、ロシア産石油の販売を提案したと伝えられています。先ほどのガソリンスタンドの店員は、「とても素晴らしいと思う。インドネシアではバイクの移動は絶対必要なので、そのためにガソリンが必要」と、ロシア産石油の輸入を歓迎していました。

食料品の値上げラッシュ…国民食も20%アップ

クタ地区にあるスーパーマーケット

 続いて、クタ地区にあるスーパーマーケットを訪れました。インドネシア産の豊かな魚介類や野菜のほか、輸入品などの品揃えも豊富な大型店舗です。インドネシア在住歴55年のスウェントラ和子さんに、スーパーを案内して頂きました。

インドネシアの食材「バナナの幹」

Q. インドネシアならではの食材を教えてもらえますか?
(スウェントラ和子さん)
「これは、バナナの幹です。バナナの木の、幹の中です。削って、スライスして、塩でもんで、サラダとして食べます。そして、蓮の花も食べますよ。これも同じように、サラダにして食べます」

Q.インドネシアの国民食があると聞いたのですが…
(和子さん)
「即席麺ですね。種類が豊かですよ。すごいでしょ!」

ズラリと並ぶ即席麵

 インドネシアの即席麵の総需要は世界第2位で、1日に数回食べる人も多いといいます。手ごろな価格や、豊富な味の種類が人気を呼び、国民食として普及しているのですが、原料となる小麦は約3割がウクライナ産なので、即席麺にも値上げの波が押し寄せています。

インドネシア在住歴55年 スウェントラ和子さん

(和子さん)
「昔は2500ルピア(約25円)だったのが、今は3200ルピア(約32円)になっています。だいたい20%値段が上がっています」

和子さんによると、食料品が全般的に15~20%ほど値上がりしたといいます。深刻化する世界的な物価高ですが、現在開幕中のG20で、この問題に歯止めをかけることはできるのでしょうか?

(情報ライブミヤネ屋2022年11月14日放送)

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