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東北大学・小坂健教授

【独自解説】どうなる?“制限緩和”実験 専門家は『結果が検証できるだけのデータを収集しなければ意味がない』

”行動制限緩和”実証実験はどんな形に?

行動制限緩和の実証実験について、西村経済再生担当大臣は「参加者がその後、感染したのか」について、QRコードなどを使用して追跡調査する見通しを明らかにしました。はたしてどんな形の実験になるのでしょうか?厚労省クラスター対策班の一員で、東京iCDCのメンバーでもある、東北大学の小坂健(おさか・けん)教授が独自解説しました。

東京では12歳~15歳もワクチン接種対象者に

東京都 大規模接種会場で対象者拡大

 東京都の大規模接種会場は、これまで16歳以上が対象でしたが、新たに12歳から15歳も対象になりました。対象会場は、都庁のワクチン接種センター、そして立川北ワクチン接種センターで、9月24日の午後から予約が始まっています。

Q.東京でも、かなり若い人もワクチンを打てて来ている?
(厚労省クラスター対策班、東北大学・小坂健教授)
「今のところ16歳以上は、1回日接種は7割近く打っていると思うので徐々に希望者が少なくなってきて、年齢を拡大したということだろうと思います。」

Q.あくまでも任意ですけど、安全性が担保されてこういう世代も打つと、学校生活もクラブ活動も含めて幅広くできる?
(東北大学・小坂健教授)
「そうですね、ただ若い人に対しては、やっぱり心筋炎みたいな副反応の報告もありますので、やっぱり打った後にあまり激しい運動しないとか、2回目接種の後とか、そういうことは注意が必要だと思っています。」

”行動制限緩和”実証実験の内容は?

実証実験について 西村経済再生担当相は…

 行動制限緩和の実証実験について、西村経済再生担当大臣は9月24日の会見で、「事業者の側にも参加される国民の側にも、どういった課題があるのかについて実証を進めていきたい。例えばQRコードなども使って、その後感染があったのかなども含めて、2週間後、3週間後、どうであったのか見ていきたい。いずれにしても、都道府県や事業者と調整を進めている」と述べました。

実証実験 各自治体の反応は?

 実証実験については、9月24日現在、北海道、埼玉、愛知、大阪、福岡など13の自治体が参加を表明しています。北海道は、飲食店やライブハウスで検討していて、札幌市の秋元市長は「“すすきの”をモデルにさせていただければ」と、しています。埼玉県は県境から遠い限定的な地区で検討、愛知県はイベントなどの人数制限緩和を検討、大阪府は大阪市内の飲食店などで検討しているということです。

Q.各道府県の実証実験の内容は、バラバラがいいのか? 統一した方がいいのか?
(東北大学・小坂健教授)
「最終的に10くらいの場所を選ぶということになっているので、いろんな形態、ライブハウスとか飲食店、あるいは大規模コンサートなどできちんとコントロールというか、やらない所とやった所との比較ができるようにしてほしい。だから研究者とか大学などと一緒になって、こういう検証をやっていただきたいなと我々は思っています。」

”行動制限緩和”実証実験のポイントは?

実証実験のポイントは?

 ”行動規制緩和”実証実験のポイントについて小坂教授は「実際に運用するための実験である以上、結果が検証できるだけのデータを収集しなければ意味がない」と指摘しています。

実証実験 重要なテーマは2つ

 小坂教授によると、実証実験を行う上で、重要なテーマは2つあるそうです。1つ目のテーマは「課題のあぶり出し」です。課題とは、ワクチン接種完了をどう証明するのか、証明書を発行するのか、それとも接種記録を提示するのか。そして陰性証明を入手するための費用や時間や手間などを指します。2つ目のテーマは、「感染予防効果を推定できるようなデータの収集」です。店側の対策の徹底、客の入店の記録管理など。さらに客側の行動履歴の開示や2週間程度の健康観察を行った上で参加者へのアンケートの回答なども重要だということです。小坂教授は「実験である以上は、事業者も客もルールにのっとることを条件に参加してもらわないと課題や効果が検証できない。感染対策のあり、なしでの比較ができると対策の効果も検証ができる」と話しています。

”行動制限緩和”実証実験の課題は?

Q.実証実験に参加する客がお店からまっすぐ帰ってくれるかどうか、お店側は心配しているようですが?
(東北大学・小坂健教授)
「そうですね。人の行動で、どこで感染したかって、エアロゾル感染だとやっぱり難しいですね、食中毒とかだったら別ですけど。ただ、お店で何かクラスターが起きたということになれば、どこかに寄ったとしても、お客さんが集中している場所で複数人、関係の繋がりのない人から感染者が出れば、お店でのクラスターというのは認定できますから。とにかくこういう行動を協力してもらって、QRコードも一応義務づけと言っても、やっているお店は日本の場合は少ないです。海外の場合は義務づけをして、それをしないと入れないみたいな形になっているので。あと今スマートフォンで会計をすると、そこでクラスターが起こると知らせてくれるようなものもあるんです。そういったデジタル技術をこの機会にも応用してもらって、こうやって追えるようにしておくのは大事だろうと思っています。」

Q.ワクチン接種を2回した人、72時間以内の陰性証明を持っている人がお店を絞るのも難しいですよね?
(東北大学・小坂健教授)
「そうですね、こういう実証実験に協力してくれる人たちに対するインセンティブ(動機付け)ですよね。例えば本当に2週間健康観察チェックしてくれたらあとでクーポンとか、3000円くらい使えますよみたいなのを付けていただくとか。いまワクチン接種証明書というのも、国でデジタル化しようとしていますが、自治体でもいま作ろうとしていて、また色々なシステムが出ると混乱すると思うのです。ですから、きちっと計画を作ってみんなが納得できるような形で進めていただく。課題のあぶり出し、プラス本当にそれは効果あるのか。特に日本は人数制限ということをやってないので、本当は人数制限を組み合わせた形でこれをやっていくことが望まれるかなと思っています。」

Q.「第6波はもう嫌だ」という店が多い。実証実験やって、またダメだったというぐらいなら、10月の1か月店を閉めて助成をやって、11月から一斉に、まん延防止で時短をやってでも、お酒の提供できないかという店も多いですが?
(東北大学・小坂健教授)
「一斉にやると、冬の時期というのは、また年末年始というのは感染者がまた増えるわけですよね。それに備えて、第三者認証評価をした飲食店などを中心に、例えば宮城県などでも時短営業とかお酒の提供もやっているわけなので、そういう形で、部分的にやっていくという形のほうが、うまい形で行ったら、それを広げていただくほうが、いいのではないかと思います。」

Q.10月丸々店を閉めて、感染者数を下げるだけ下げて、その間に病床数の確保とか医療体制の拡充は出来ないのか?
(東北大学・小坂健教授)
「例えば、福島のある病院は、この機会に色々な研修という形で、医療関係者を研修してそういう人材を増やそうとしています。だから今下がってきた状況で、いままでコロナを診ていない人たちが、この機会に研修して、そういう人を増やしていくことをやるべきだろうと思います。」

行動制限緩和の実証実験については、まだまだ検討すべき課題があるようです。新規感染者数が下がってきているいま、今後に向けての体制強化が急がれます。

(情報ライブミヤネ屋 2021年9月24日放送)

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