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【急増】5か月前でキャンセル料100%⁉二重予約で倍額支払いも!?相次ぐ『旅行予約サイト』トラブル 見落としがちなポイント&法的な疑問を法律のプロが徹底解説
2025年4月13日 UP
待ちに待った春の訪れ。これから絶好の行楽シーズンを迎える中、多くの人が利用するのが『旅行予約サイト』です。しかし、便利でお得に旅の予約ができる一方で、トラブルも相次いでいます。気をつけるべきポイントは?法的に問題は?元検事・亀井正貴弁護士の解説です。
■5か月前なのにキャンセル料100%⁉『旅行予約サイト』巡るトラブル相次ぐ
今、旅行トラブルに関する相談が『国民生活センター』に相次いでいます。まずは、『キャンセルできず満額支払い』となったケースです。女性(60代)は8人で国内旅行をするため、「キャンセル料無料の温泉宿」をネット検索し、ある旅行予約サイトで5か月後の予約(約8万円)を取りました。しかし、2時間後にキャンセルすると、100%のキャンセル料が発生したといいます。
女性はサイトの運営元(海外事業者)に問い合わせましたが、国際電話で相談しても明確な回答を得ることはできず、予約した宿にも相談しましたが、「当宿にキャンセル無料の設定はない」と断られました。旅行予約サイトには、「キャンセル無料」の表示はなかったということです。
「キャンセル料無料」で検索したとしても、他の条件からも似たような宿がヒットすることがあり、一覧に並んでいるからといって全ての宿がキャンセル料無料ではないことがあるので、注意が必要です。
その他、旅行予約サイトを使用する際のポイントとしては、『日本語で表示されていても、必ずしも国内の旅行業者とは限らない』『旅行券と宿泊施設がセットになったプランでは、キャンセル料が無料でも、双方の条件が異なる場合もある』の2点があります。
■キャンセル料を巡る法律のギモン「損害の立証を負うのはホテル側」
Q.5か月前であっても、「キャンセル無料」の表示がなければ全額支払いになりますか?
(元検事・亀井正貴弁護士)
「宿泊契約は、何か理由があって債務不履行でないと解除できませんから、それを解除するということは、損害賠償義務が発生します。要するに、キャンセル料とは損害賠償の義務の履行のことなので、原則は払わなければいけません。ただ、損害を立証するのは旅館側です。5か月前にキャンセルして、『5か月あったら何とでもなるだろう、どこに損害があるんだ?』と言ったときに、旅館側が損害を立証できなければゼロになるということです」
Q.旅行予約サイトから予約している場合は、どうなりますか?
(亀井弁護士)
「海外のサイトなら消費者契約法の適用がないので、例えば、『キャンセル料が50%かかります』という所があったとしても、実際は20%ぐらいの損害だったとなった場合、払うのは20%でいいです。ただ、日本の場合には消費者契約法が適用されるので、実損に対して支払います」
Q.サイトにキャンセルポリシーの表記は必須ではないんですか?
(亀井弁護士)
「これは、義務ではないです。ただ、書いたほうが、ホテル側にも客側にもメリットがあります。書いていなければ損害の立証をホテル側が負わなければならないと言いましたが、これは結構難しいわけです。でも、書いていれば、ホテル側としては貰いやすくなりますし、逆に客側も『これだけ払えばキャンセルできるんだ』という判断の基準になり得ます」
■二重予約でも契約成立時点で支払い義務…クリックは慎重に
次に、『二重予約でダブル支払い』となったケースです。海外のホテルをネット予約した女性(20代)が、旅行サイトでクレジットカード決済したところ、すぐに予約確認のメールが2通届きました。旅行サイトに問い合わせると、2回予約したことになっていて、キャンセル不可のプランだったためダブルで全額支払ったということです。
Q.エラーによって二重予約になってしまった場合でも、キャンセル不可ならダブルで全額支払いになりますか?
(亀井弁護士)
「なります。契約が成立したら、四の五の言っても、どうにもなりません」
思い違いで予約になっている場合もあるため、旅行予約サイトを利用するときは、クリックは慎重に行うことがポイントです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年4月2日放送)


