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患者に依頼し口コミ操作

【驚き】患者に依頼し口コミ操作「星5が多いのは、これが原因か」「絶対やめたほうがいい」消費者庁がある歯科医院をステマ認定 さらに一般消費者も無自覚でステマに加担している恐れが―?

 消費者庁が、口コミ投稿が星5の高評価だらけだという歯科医院をステルスマーケティングに認定し、再発防止を求める措置命令を出しました。いったい何があったのか?元検事・亀井正貴弁護士の解説です。

■「星5つの投稿で5000円割引と言われた」ある歯科医院をステマ認定 消費者も知らないうちにステマに加担している―?

歯科医院の口コミが…

 広告と気付かれないように宣伝をするステルスマーケティング、いわゆるステマに当たるとして消費者庁が指摘したのは、都内にある歯科医院。グーグルマップの口コミを見てみると、最高評価の星5つがずらりと並んでいます。

 2024年5月から9月に、この歯科医院は来院した方に対し、グーグルマップの口コミに満点評価の星5をつけてほしいと依頼。来院者がその通り書き込むと、5000円分のQUOカードや、治療費5000円の割引を受けられたということです。

「星5が多いのは、これが原因か」

 そして実際の口コミ欄はこのようになっていました。

(★5の口コミ)
★5「料金も他院と比較して割安だと思います」
★5「事前の相談が丁寧だったのが好印象です」

 良い評価が書かれていた一方で、悪い評価も…。

(★1の口コミ)
★1「星5つの投稿で5000円割引と言われた。絶対やめたほうがいい」
★1「感想なしの星5が多いのは、これが原因か」

 消費者庁はこれをステルスマーケティングに当たる不当な表示と判断し、『景品表示法違反』で再発防止を求める措置命令を出しました。

知らないうちにステマに加担…

 その一方で、消費者庁は歯科医院によるステマを公表した会見で、こう警鐘を鳴らしました。

(消費者庁の担当者)
「一般消費者に依頼が行われ、実際に一般消費者がステマ投稿を行った」

 私たち消費者が知らず知らずのうちにステマに加担してしまう恐れがあるといいます。

ステルスマーケティングとは

 ステルスマーケティングというのは、事業者が広告、宣伝ということを隠して、口コミやレビューを装って販促活動を行うことです。

 2つの型があり、1つは『なりすまし型』です。事業者が第三者を装って肯定的な意見を掲載することで、例えば、関係者が匿名でレビューを載せるなどです。

 もう1つが、『利益提供秘匿型』で、事業者が第三者に何らかの利益を提供して表示させているにもかかわらず、その事実を表示していないものです。例えば、インフルエンサーなどに報酬を渡してお願いしているのに、インフルエンサー側がそれを明示せずに、高い評価を行うことなどとなっています。

■亀井弁護士解説 ステマの処罰は難しい?「直接の処罰規定はない」

亀井正貴弁護士

Q.今回の場合、医療関係が高評価を得たい背景には何があるんですか?
(亀井弁護士)
「医療関係は、口コミをチェックしてから行く人が多いということと、医療者側にしてみれば、『景品表示法』に引っ掛らなければ言いたい放題で良いことばかり言えますから」

Q.『景品表示法』とは何ですか?
(亀井弁護士)
「事実とは違うのに“この商品は他の物と比較して、こんなに良いんです”というふうに消費者に誤認させてはいけないという法律です」

Q.お金は発生せずに医者が口で「良い評価を書いてください」と頼むのはどうですか?
(亀井弁護士)
「頼むのは、その関係性の問題だと思いますね。つまり非常に近い人たちか、そういう方が出てくると、“事業者と一体化”してくるということになります。個人的なお付き合いがある場合などはそうなる」

ステマの処罰は難しい?

Q.ステマの処罰は難しいんですか?
(亀井弁護士)
「直接の処罰規定はないんです。こういう行政的な違反の場合には、いきなりこれをしたらアウトになるんじゃなくて、行政庁が『やめろ』と勧告・命令して、それを違反したような場合に罰則が発生します」

(「情報ライブミヤネ屋」2025年4月2日放送)

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