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　2025年4月15日(火)は、2か月に一度の年金支給日。今回出会ったのは、おなかの底から声を出す『発声練習』を指導している73歳の女性です。その鍛え上げられた歌声は、想像を上回るド迫力！その裏に隠された最愛の夫との悲しい別れ、自身の年金はゼロだという驚きの過去…今年度初の年金を受け取った受給者の“リアルな生活”に密着しました。

■レコードデビューも果たした“歌手”が楽しむ熱海での生活

　関東有数の温泉地として有名な静岡・熱海市。近ごろは若者を中心とした観光客が多く、商店街は連日にぎわっています｡一方で、仕事をリタイアした高齢者の移住先としても人気の熱海は、65歳以上の老年人口が実に48.7％にも上ります。

　佐藤真理子さん(73)が住んでいるのは、そんな熱海の海を一望できるマンション。お邪魔させていただき、室内を見せてもらいました。

(佐藤真理子さん)
「リビングから見える景色が、圧巻でございましょう？手前に見える小さい島が初島、奥が大島です」

　さらに、各部屋には、こんな驚きの設備が―。

(佐藤さん)
「ここが和室なんですが、部屋の大きさの床下収納があるんです」

　床下収納は和室だけでなく全ての部屋に備わっているそうで、室内は常にスッキリしています。

(佐藤さん)
「私、本当に、このマンションが気に入っているんです」

　秋田・大館市生まれの佐藤さんは、10代のころ東京の芸能事務所に所属し、女性3人組の歌手としてレコードデビュー。70歳を過ぎた現在も、熱海を拠点にライブ活動を行っています。

■“終の棲み家”として購入も…最愛の夫が他界し、自身の年金ゼロという厳しい現実

Q.このマンションに移り住んで、何年ぐらいですか？
(佐藤さん)
「8～9年でしょうか」

Q.買った当初の値段は？
(佐藤さん)
「2000万円切ったと思うんですよね、1980万円…2000万円弱で」

　ご主人と暮らす“終の棲み家”として購入したという熱海のマンション。ところが…。

Q.今、家族構成は？
(佐藤さん)
「主人が亡くなったものですから、今は一人です」

Q.いつ、お亡くなりになったんですか？
(佐藤さん)
「2023年8月27日。まだ2年ですから、今年三回忌をします」

　亡くなったご主人とは、20年ほど前に結婚。どんなときでも佐藤さんのことを一番に思ってくれる、優しいご主人だったそうです。ところが2023年、尻もちをついたことから腰部を圧迫骨折。さらに、体力が弱っていたところコロナにも感染し、87歳で息を引き取りました。

(佐藤さん)
「本当に、いろんなことを教わって…。私自身も、楽しい人生だったと思います」

　さらに、佐藤さんに厳しい現実が突きつけられます。

(佐藤さん)
「昔の芸能人って、メジャー(大手事務所)のどこにいても、守られているものがなかったんです。だから、年金がないんです、私」

　なんと、佐藤さん自身の年金はゼロ。かつて所属していた芸能事務所は年金の手続きをしていなかったらしく、現在受け取っているのは、月に約15万円のご主人の遺族年金のみ。

　マンションの購入費はすでに払い終えていたものの、現在も管理・修繕費などが月に5万円ほど。また、佐藤さんは運転免許を返納しているため、買い物などの移動にはバスを利用していますが、自宅と熱海駅の往復で運賃は約800円。さらに、物価高も追い打ちをかけているといいます。

■ライフワークの歌で収入を…「悲しいときもあるけど、どんなに苦しくても生きていく」

　そんな中、遺族年金だけでは生活が厳しいと佐藤さんが力を入れたのは､自身が歌手であることを生かしたボイストレーニングのレッスンです。

(佐藤さん)
「ラ！リ！楽しんで！ル！レ！ロ！首が柔らかい人は、絶対に歌がうまいです。音と体は全部リンクしていますから」

Q.佐藤さんの指導は、どうですか？
(レッスン生・66歳)
「腹から声を出すというか、こんなに声が出るようになったのは、すごいことだなと思います」

(レッスン生・60歳)
「すごい勢いで、自分の中に情報とかハート(情熱)が流れ込んでくる感じ」

　レッスンの評判を聞き、生徒数は徐々に増加。毎月15万円ほどの収入に、佐藤さんも感謝しています。

(佐藤さん)
「泣いていないわけじゃない、絶対、決して。悲しいときもある。でも、それも超えて、どんなに苦しくても生きていくという大事さを、わかっているわけですから。私が生きている限り、命がある限り、歌で伝えていきたいんです」

　苦しいときこそ前を向いて、大きな声を出す―。皆さんも、たまには大きな声で歌ってみませんか？

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年4月21日放送)