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【北京五輪】予選1位で決勝へ!スノーボード・男子ハーフパイプ平野歩夢選手、金メダルの“カギ“となる超大技、さらに驚きの新技にも挑戦!?スノーボード元日本代表・岩垂かれんさんが解説
2022年2月10日 UP
2月9日、北京オリンピック、スノーボード男子ハーフパイプ、平野歩夢(ひらの・あゆむ)選手が予選1位で決勝へ進みました。悲願の金メダルの“カギ“となる、超大技「トリプルコーク1440(フォーティーン・フォーティ)」のスゴさとは?スノーボード元日本代表の岩垂(いわだれ)かれんさんが解説します!
五輪初!7m超の“スーパーパイプ”で競う「ハーフパイプ」
スノーボード・ハーフパイプは、コース内で“エア”と呼ばれるジャンプを繰り返し、予選は2回、決勝では3回滑った中で最も高い得点で競います。技の難度、完成度、高さ、着地の安定感、全体の構成などが評価の基準で、6人の審判が各100満点で採点、4人のスコアの平均で順位を決定します。北京オリンピックのコースは全長220m、高さは7.1mだというのですが…
Q.コースの大きさは大会ごとに違うということですが、7mというのはやはり高いのですか?
(スノーボード元日本代表 岩垂かれんさん)
「そうですね。7m超えというのがオリンピックでも初めての高さでして、“スーパーパイプ”と呼ばれる、本当に大きな壁になっています。」
Q.決勝は3回やるんですね?
(岩垂かれんさん)
「そうですね。決勝は皆さん1本目から攻め攻めで来ると思います。2本目、3本目でまたチャレンジを加えて、高得点を狙っていく形になります。」
平野歩夢選手のスゴさとは?
予選1位で決勝進出を決めた平野歩夢選手は、兄・英樹(えいじゅ)さんの影響で4歳からスノーボードを始め、2014年、ソチ五輪で日本の冬季五輪史上最年少の15歳で銀メダルを獲得しました。2017年に全治2か月の重傷を負いますが、それを乗り越え、2018年平昌五輪で銀メダルを獲得。夏はスケートボードで技術を磨いており、2021年8月には東京五輪スケートボード・パークに出場し、日本人史上5人目となる夏冬両季オリンピックへの出場を果たしています。
Q.平野歩夢選手の予選の成績は、100点満点中、1回目は87.25点、2回目は93.25点と、とてつもない安定感ですね?
(岩垂かれんさん)
「そうですね。やっぱり見ていても本当に安心感があるというか、1ヒット目から流れに乗ってしまっているなというような安定感だったので、安心して見ていられましたね。」
Q.予選はこれでも抑え気味なんですよね?
(岩垂かれんさん)
「そうですね、全然出し切っていないので、それで90点台というのは、とてもすごい結果だと思います。」
Q.平野歩夢選手を始め多くのオリンピアンは大ケガをされていて、それでもまだやるんですね?
(岩垂かれんさん)
「そうですね。本当にメンタルの強さというか、必ず誰かがどこかでケガをして、ブランクがあって復帰戦で戻ってくるということがあるので、皆さんケガと付き合いながら戦われていますね。」
Q.恐怖心に打ち勝つというのがすごいですね。
(岩垂かれんさん)
「戸塚優斗選手も前回のオリンピックでケガをして、その恐怖心がまだ残っているとインタビューで話していて、皆さんメンタルとの戦いだなと思います。」
Q.コースはカチカチでコンクリートのようですもんね。
(岩垂かれんさん)
「そうですね。特に今は、お昼から日が下がってきていて、気温も下がってきているので、さらに壁は固くなってきていると思います。着地が難しそうに見えました。」
Q.平野歩夢選手はスケボーから得るものがあったと仰っていましたね。
(岩垂かれんさん)
「やっぱり横乗りの感覚というものがすごく近いので、他の選手もスケートボードを夏にやって、そのままスノーボードに入ることで感覚がつかみやすいということで、トレーニングにもいれてきています。大会へのメンタリティーという面でも、持続性があって良かったように見えました。」
優勝のカギとなる大技「トリプルコーク1440」
2021年4月に、平野歩夢選手が世界で初めて公式試合で成功させた、「トリプルコーク1440」。縦3回転、横4回転を同時に回る大技です。北京オリンピックのハーフパイプのコース制作者は「トリプルコーク1440のために作ったハーフパイプと言っても過言ではない。その技なしにこの大会に勝てるとは思いません」と言い、注目を集めています。
Q.コークっていうのは縦回転ということなんですよね?
(岩垂かれんさん)
「そうですね。コークというのは、後方宙返りのことなんですが、トリプルコークで3回の後方宙返
りということになります。1440というのは、縦に3回、回った時点で360度×3と、最後の横の1回転を足して、1440ということになりますね。3Dって言われています。」
さらに、平野歩夢選手は2月8日の公式練習後、「半年前からイメージしている技があって、それをずっと育てて徐々に来ている状態。上手くいけば、新技を使うタイミングもあるかな。やろうと思えば技自体はできるが、完成度が求められるので、そこがポイント」と話しています。
Q.平野選手は何をしようとしているのですかね?
(岩垂かれんさん)
「私もまだ情報不足なんですけど、誰もやったことのない技をやろうとしているというので、背中向き方向に回る技なのかとか色々予想しているのですが、これは決勝でのお楽しみかな?というふうにみています。1回目でトリプルコーク1440に成功すれば2回目、3回目に入れてくると思います。」
Q.日本勢のメダル獲得も期待できますね?
(岩垂かれんさん)
「ありますね!本当に見ごたえ十分だと思います!」
日本勢4人が出場を決めた、スノーボード・男子ハーフパイプの決勝は2月11日に行われる予定。平野歩夢選手の“新技”にも期待です!
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年2月9日放送)


