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【悪質】“自動ピント調整機能付きメガネ”が85%オフ⁉鯖江市かたるニセ広告に要注意 『復興支援セール』善意につけこむ行為に市が憤り
2026年2月8日 UP
100年以上の歴史がある“眼鏡の町”福井・鯖江市は、眼鏡フレームの国内生産シェアの95%を占めています。そんな鯖江の“眼鏡工房”をかたるニセ広告がネット上で拡散され、市は対応に追われています。自動焦点調整機能があるというメガネを販売する『鯖江市百年眼鏡工房』とは?番組が運営会社に接触を試みると…?
■“自動焦点調整機能”搭載?日本語に違和感だらけのニセ広告
(ニセ広告のナレーション)
『これは100均や安価なプラスチック製品とは全く違います。熟練職人の手による正真正銘の一品。最新のドイツ製オートフォーカス技術を搭載し、ブルーライトカット機能、自動焦点調整機能を備えています。眼鏡店や病院での検査は不要。近視から遠視、さらには乱視まで適用可能です』
事前に視力検査をすることもなく“どんな人でも自動で度数を合わせる”―これは『福井県鯖江市 百年眼鏡工房』と書かれたニセ広告の商品説明です。さらに驚きなのが、「万が一効果が感じられなければ、10倍返金保証をお約束します」と、支払額の10倍が返ってくる返金対応まで示唆されているのです。
しかし、動画をよく視聴してみると、「若いほう(方)からご年配のほう(方)まで幅広く使えます」「パーセント98のほうが、視界がよりクリアになったと…」など、不自然な日本語がちらほら。段ボールに書かれていた『靖江』という漢字も、サバ(鯖)なら魚へんですが、立へんで表記されているなど違和感だらけです。
ちなみに、商品は2点から購入できますが、4点購入すると80%超の割引となっていました。やり過ぎともいえる大幅値引きの訳は動画の中で明かされていて、「最近の為替変動と輸送コスト高騰の影響で、突然、取引先から一方的に契約解除されてしまいました。職人たちの給料を支払うために、私たちは苦渋の決断をしました。輸出用のラベルを取り外し、中間業者を全て排除し、在庫全てを原価割れで処分することにしたのです」などと、切実な経営事情まで訴えていました。
■名前を使われた鯖江市は憤り 運営会社に接触を試みた結果は…
他にも同様のニセ広告が複数確認されていますが、中でも鯖江市が問題視しているのが、「復興支援特別企画として、期間限定50%オフセールを開催中(利益は全額寄付)」などと、能登半島への支援といった消費者の善意を逆手に取ろうとするうたい文句です。
市の名前を使われた福井・鯖江市の担当者は、「『鯖江市百年眼鏡工房』といった組織は鯖江市には実在しない。能登半島への支援という消費者の善意を逆手に取ったものまで見受けられる。自動でピントが合うなど魔法のような性能は疑っていただきたい」と話していました。
市によると、ニセ広告に関する情報提供があったのは2026年1月11日で、その日から25日までに市のHP経由の問い合わせが40件、電話での問い合わせが毎日約10件あったといいます。
鯖江市に寄せられた相談内容には、「商品が届かない」「粗悪品が届いた」「住所を入力してしまった。個人情報の流出が心配」「返品しようにも発送元が海外で連絡が取れない」などがありました。
そこで番組は、ニセ広告を運営している中国企業(中国・河南省)の購入者問い合わせ先に『鯖江市との関わり』『製造地域』などを質問状としてメールを送信しようとしましたが、『配信不能』として、送ることさえできませんでした。
■狙われる日本ブランド…詐欺広告を見抜くポイントは?
今回のニセ広告について、詐欺に詳しい多田文明氏は「生成AIなどを使った典型的な詐欺広告。マーケティングに基づいて、ニーズに合わせた広告を出している。中国国内でも日本ブランドを使った詐欺広告を展開している可能性がある」と分析しています。
福井・鯖江市はホームページで、詐欺広告を見抜くポイントとして『過剰な宣伝文句と価格(限定〇個、極端な値引きなど)』『不自然な日本語表記』『国内に実在する事業者か』『支払い方法が銀行振り込みのみ』を挙げています。多田氏によると「代引きも注意」ということです。
(弁護士・嵩原安三郎氏)
「ネット購入はすごく便利で僕もよく利用しますが、店舗で買うのとは全然違うわけです。ですから、店頭で手に取るという手間を取らない分ひと手間かけて、例えば『鯖江 眼鏡 詐欺』などとネット検索すると出てくるかもしれません。このひと手間が必要だと思います」
Q.国内に実在する事業者かどうかを調べるのも大切ですよね?
(嵩原氏)
「それは最低限必要です。また、詐欺を見抜くポイントにあった『不自然な日本語表記』は、日本人を一人雇えばできることですから、そのうち修正してくると思います。もう一つ考えてほしいのは、素晴らしい商品はネットで他にも出てきますし、それが全て詐欺とはいいませんが、『それだけ素晴らしい商品が店頭に飾られていないのは、なぜか』ということです。もし“自動ピント調節機能”があるとしたら、大手の眼鏡メーカーが大々的に売り出しているでしょう。でも、それをネットのみで販売している、しかも聞いたことのない小さな事業者ができるのはなぜか、ということを疑問に思ってほしいです。さらに大幅な値引きをしてももうかるのもおかしいです。『限定』という言葉に弱い方も、一瞬だけ立ち止まって考えてみてください」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2026年1月27日放送)


